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映画感想文~『マリッジ・ストーリー』

夫婦が離婚するまでのあれこれ、そして離婚後の新しい関係を描いたお話です。

ノア・バームバック監督、主演はスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバー。Netflixオリジナル映画です。

女優のニコールと夫で舞台演出家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。

映画.comより

生活に不満と違和感を持つ妻と、妻が生活に不自由さを感じている事を気づかない夫。
妻が言い出した離婚を夫は受け入れますが、こじれているのがひとり息子の『親権』。話し合って離婚する予定が、弁護士をたてて裁判にしたためにお互いの弁護士が相手の弱い部分とかを責めてくるので、とてもじゃないけどスムーズな離婚は難しくなった夫と妻。
子供がいる夫婦が離婚するということの難しさ、その上に夫婦それぞれが生活したい土地がロサンゼルスとニューヨークと離れていることで余計に困難さが増しています。
調べてみると、L.A⇔N.Y は約3,970km、移動飛行時間は5時間半から6時間、成田からモンゴルのウランバートルと同じくらいの時間がかかります。
夫は離婚裁判のためにモンゴルまで、いやニューヨークからロスまで数回往復したりロスに部屋を借りたり。…考えただけでも疲れます。

そんな中で夫婦の言い合いバトルのシーンがあるのですが、圧巻です。
ぶつかり合ってます。


子供がいる夫婦の離婚は、どうしても子供に負担がかかってしまいます。
夫婦の形を保っていた方がいいのか、別れた方がいいのか。
子供がいれば、子供は自分だけでは生活ができないし、守るのは大人、親しかいないので、子供のことを一番に考える必要があります。
ただ、親自身が幸せに生きないと子供は辛いだけなので、感情や生活の変化などを考えて最良の道を探っていくことが大切です。
離婚後は今以上に努力しなければいけないことは必然です。
でも子供は親以上に、変化した生活に合わせていこうと努力しているはずです。

子供がいるいないに関わらず、夫婦の問題として。
話し合いが出来る夫婦は、こじれたとしてもやり直しがきくと私は考えています。
話し合いができなくなった夫婦や、そもそも最初から困難なテーマにはお互い触れずにいる夫婦は、歩み寄ったり同じ方向を見ることが難しくなっているケースが多いです。
どちらか一方だけが歩み寄っても、物事は変わりません。
夫婦の問題として認識して、関係を良くしていく意識をお互いに持つことが必要ですし、そこが無理であれば結婚生活を継続していくのはとても難しいと思います。

理想の離婚ってなんだろう、と映画を観ていて改めて考えました。
好きで結婚した訳だから楽しい思い出はあるはずだし、その思い出さえも思い出したくないほど嫌いになってしまうのは辛すぎるし、いい思い出は大切なまま、別れてからもお互いが頼れる存在でいたい…なんてあり得ないし、それなら離婚しませんよね。
できるだけ感情が荒ぶることなく別れられることが理想の離婚かもしれないです。

本当に離婚は大変です。
ストレス指数表では79点/100点、配偶者の死、会社の倒産に次ぐストレスの強さと判断されています。
でも、そこに行くまで悩みに悩み、自分だけでなくて周りも今より生きやすく、今より幸せになるためにと考え抜いて出した結論であれば、それは正しい選択だと信じて進むしかないし、正しい選択だったと思えるように努力していくしかないです。


ラストは強い元妻に拍手でした。


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