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チンチラ転生 第14話「隣からいいにおいがするうううう」

チンチラ転生~前世でチンピラだったはずの俺がチンチラに転生!こうなったらモフモフな可愛らしさでのし上がってやる!~

第14話「隣からいいにおいがするうううう」


 玄関のドアが開き、そこからひょこっと飛び出した顔に見覚えがあった。

 ヨーコじゃねえか!

 ヨーコも俺らの仲間の一人だ。でも何度かアニキにアタックしては振られていたはずだが。
 とうとう押しに負けて付き合う事になったのだろうか??

 「こんにちは。いらっしゃいませ♪」
 にっこりと笑うヨーコ。すげえ嘘っぽい……
 ヨーコのこんな大人しそうな姿、今まで見た事ないぞ。

 居間らしき部屋に通される。
 そこでは普通の人っぽい大人しい服装のアニキが待っていた。
 な、懐かしい…… そして、カタギのふりをしているのが似合わねえ。ウケるわ。

 たまらずケージをバンバン叩いていると、みずきが「どうしたのー?」と覗き込んできた。
 おっと、今日は見合いだったよな。イカンイカン。

 気を取り直して、じーっとアニキを見つめる。
「可愛いですね」
 俺を見てにっこりと笑った。うおおお、アニキのその笑顔は、むしろ怖いぞ!
 でもやっぱり、俺の事はわからないみたいだ。

 アニキ―! アニキ―!!
 呼んでみても、口から出るのはキーキーとした鳴き声だけ。
 一生懸命、ケージから手をだして振ってみたら、ニコニコしながらアニキが俺の手を握った。
「はい、握手♪」
 ちっげえよ。

 えーっと、えーっと……
 こうなったら尻文字だ!!

 ア(ふりっ)二|(ふりっ)キ(ふりっ)!
「ぷぷっ。この子、本当に可愛いですね」
 ……ウケた…… いや、そうじゃない。
 見ると、ヨーコも笑ってやがる。くっそーーー!!

 どうしたもんかと考えていると、ケージごと居間の隅に連れて行かれた。

「はい、お嫁さんだよー」

 そう言われる前に、俺の鋭い嗅覚はメスの匂いを捉えている。
 並べられた隣のケージには、何度も見かけたあのかわい子ちゃんが!

「ちぅ!」

 ゆりちゃんんんんん!!!!


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【『チンチラ転生』第1話から読む】

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