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手探りつづく

前回からの続き。
苦しいと感じながら、描き続けていたわけだけれど。
苦しいところに立ち止まっていたのではなく、ずっと模索してきていた。

昔の芸術家の人は何を思いながら描いていたのか。
美術館に行って、絵を眺めて感じる。図書館で本を借りてきて読む。
歴史を学ぶ。

絵を見ながら、その筆使いや色合いを見ていると、遠いところ、遠い時代にいた絵描きの人たちが、隣に立っているような感じがした。
絵をただ見ていた頃とは違って、なぜだか背中を押されるような、先輩に会った時のような、時空を超えて、色が余白が語りかけてくるような気がした。

この人たちもきっと私と同じようなことに悩み立ち止まったり、売れるとか売れないとか、人生について色々考えたんだろう。
今残っている絵の人たちだけじゃなくて、今は残っていないけれど、描いてきた絵描きの人々。
違う時代の同じことを見つめたたくさんの先輩たち。
表現や在り方は違うけれど、色や形、線と共に生きている人たち。

絵、というよりも色が好きなんだ。
生き生きした色や、かたち。
色とだったら、どんなけでも遊んでいられる。
そう、私は子どものように色と遊んでいたいんだ。

たくさんの方の創作に触れるにつれて思い出し始めた。

私が「本当におもしろい」と思うってなんだ。
本当におもしろいは、常に体と結びついている。

手が喜ぶことがしたい。
手が、目が喜ぶものを創りたい。

大胆な省略と、色。以上。
原始的な創る喜び。生きる喜び。
素朴さ。

ここを鍵に、どうしていったらいいのか、もう一回手探りを始めた。

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