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秘密だよ。

ショートショート
「気づいちゃった? 秘密だよ」

ショート
「そんな顔しないでよ。
 もうその道はないんだから。
 気づいちゃった? 秘密だよ。」

ミドル
「……君は、優しいね。そんな言葉をかけてくれるなんて。
 でも君の本心はそうじゃない。
 そして僕の本心も、嘘で塗り固めて、見えなくなった。
 そんな顔しないでよ。
 もうその道はないんだから。
 気づいちゃった? 秘密だよ。」

セミロング
「君が昔言ってくれたこと、覚えているかい?
 『大切な人が亡くなるとき、自分の一部は死んでいる』って。
 僕はその大切な人ではないと、思ったんだ。
 ……君は、優しいね。そんな言葉をかけてくれるなんて。
 でも君の本心はそうじゃない。
 そして僕の本心も、嘘で塗り固めて、見えなくなった。
 そんな顔しないでよ。
 もうその道はないんだから。
 気づいちゃった? 秘密だよ」

ロング
「っ……、いや、痛くないよ。ごめん。
 なんでそんな悲しい顔をするの。
 大丈夫だよ。僕は生きているよ。
 血なんて、人間だったら誰でも流れてる。
 君にも、流れているでしょ?
 僕は、君を守りたかっただけ。
 僕はうそつきだ。
 だから君には、僕を責める権利がある。
 ずっと僕は、敵だと君をだましていたんだからね。
 だけど耐えられなかった。
 君の命が狙われた時、僕は死んでもいいと思った。
 君さえ、助かってくれれば…。
 君が昔言ってくれたこと、覚えているかい?
 『大切な人が亡くなるとき、自分の一部は死んでいる』って。
 僕はその大切な人ではないと、思ったんだ。
 ……君は、優しいね。そんな言葉をかけてくれるなんて。
 でも君の本心はそうじゃない。
 そして僕の本心も、嘘で塗り固めて、見えなくなった。
 そんな顔しないでよ。
 もうその道はないんだから。
 気づいちゃった? 秘密だよ。
 これだけが僕の、最期の道しるべだから」