現代短歌練習19

枝分かれ辿るつもりがぷつりってあってはならぬ処女の髪には

大切に守り続けたキューティクル老いの津波は満潮狙い

目的はここじゃなかったはずなのに半裸の女銀糸囚われ

ぬばたまの夜は雲隠れ浴室の鏡も隠す生え際の白

わずかでも人工色素注いだら処女は名乗れぬ明日は月曜

閉経の誘い断り逃げ回りひとりでできるヘナ塗りたくれ

首すじの赤いぽっちを押してみなかゆみ伴い今日が始まる

太陽は残酷非道万物に光与えて毛染めを笑う

少しだけ前髪恋もそうちょっと一ミリ程度ハサミをいれる

すくたびにはらりはらはらほつれてはからまることをあきらめた線


*

処女、毛染めに行く

職場で隣の席の姐さんと、他部署の主任と髪の毛の話をした。

主任の髪は胸を越すくらいのストレートロングで艶々さらさらで、前からお手入れ方法を気になっていた。主任曰く「めっちゃ傷んでるで!昔はせんかったけど今はトリートメントオイル塗りたくってるからな!」って。でも美容室はここ数年行ったことがないらしい。前髪は自分で切ってるし、カラーリングは娘さんが手伝ってくれるそうで。去年、職場の男の子の結婚式に出るために髪を結ってもらったのが久しぶりだったらしい。

姐さんは昨日くらいに美容室に行ってるはず。先月末くらいから白髪が気になって気になって仕事が手につかなくて、更に先週戻って来た健診結果で胃にポリープが七つもあるから余計に仕事が手につかないらしい。というか、わたしも姐さんも仕事の山場を越したあたりから、ぬるま湯なうが続いている。

わたしは来週カラーリングとカットに行く。パーマは今回しない。いつも三点セットでお願いしているんだけど、四時間の長丁場になるし、それでなくても細い髪が痛むので、もうオシャレを優先するのはやめた。(わたしの体で唯一細いのが髪の毛である)

他部署の主任は今でこそストレートロングだけど、昔は色々流行に合わせて遊んでいて、姐さんも今はショートカットだけどロングとパーマの時代もあったって。

わたしも大学二年生のとき、周りがびっくりするくらいの金髪にしたことがある。だけど死んだおばあちゃんは「ちょっと髪明るなったけ?」で終わらせてしまった。

そんな取り留めもない話。

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