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ポーランドメディアによる、日本戦後のトニウッティへのインタビュー記事


『エンガペは再びバレーボールの魔術師となった。そして、フランスは宇宙的な試合を制した。"彼が私たちを導いてくれた"』

Jakub Balcerski


 タイブレークの末に勝利した日本との1/8ファイナルについて「試合のレベルの高さに感動しました」とフランスのバレーボール選手バンジャマン・トニウッティはSport.plに語っている。また、バレーボール選手は、ポーランドが世界選手権決勝でフランスと対戦する可能性があるかどうかを議論するのは時期尚早だという理由も語っている。


− 両者のレベルが桁外れに高く、これほど熾烈でおもしろい試合を最後にプレーした、あるいは観戦したのはいつでしょう?どのように評価しますか?
 非常にレベルの高い、印象的な試合でした。日本はディフェンスが素晴らしく、最も重要なボールをレシーブすると次の選手がカバーする、私たちのようなプレーをしました。勝つためには自分たちの能力のトップまで登らなければならない、タフな試合でした。

− タイブレーク15−14で日本がマッチポイントを獲得しましたが、その時に「もうダメだ」という思いが頭をよぎりましたか?
 あの時スロットル状態だった石川祐希の手にボールが渡ってしまい、トーナメントから脱落してしまうかもしれないという悲惨な状況になってしまいました。しかし、何が起こるかわからないということはあまり考えず、それよりもボールを持ってサービスエリアに戻るために何ができるかを考えていました。私たちとしては、あのサーブをまっすぐネットにぶつけてくれたのはよかったのですが、ストレスが高まった瞬間でした。試合後、いかに自分たちが敗北寸前であったか、みんなに伝わったでしょう。 

− 試合の中で、あるいは日本選手の中で、最も驚いた要素は何でしょう?
 彼らは本当に素晴らしいプレーをしたので、それはおそらくチーム全体だったと思います。攻撃ではすべてのサイドが素晴らしいプレーを見せ、西田有志は自分のレベルでプレーしました。石川もとてもよかったです。素晴らしい試合運びをしたセッターの関田誠大をはじめ、これだけの選手たちがいい日となると、本当にあのようなチームを止めるのは簡単ではありません。彼らは正しいリズムを持っていて、自分たちのやっていることをコントロールし、時には自分たちの側で起こっていることもコントロールしていました。でも、私が思うに、勝利の鍵はリベロのポジションでの戦いでした。2人とも目を疑うようなレベルでプレーしていました。なぜなら、いつも私たちの前に立ってジェニア・グレベンニコフと一緒にプレー(演奏?)しているバンドのようだと、かなり久しぶりに感じたからです。日本のリベロ、山本智大が猛烈なプレーをしました。

− ここ数ヵ月間、あなたたちは重要なタイブレークを何度も制しています。それが強みでしょうか?あるいは残りの大会へのアドバンテージになりますか?あなたたちのように、優勝候補チームの中にはすでに世界選手権で難しいコンディションを経験しているチームもあって、それが大事な場面での強さにつながっていると思います。例えばポーランドの場合、これまではどちらかというと静かなもので、そういった瞬間はまだ来ていません。
 実際、タイブレークで重要なボールを多く獲得しているし、プレッシャーもあっていつかは負けるかもしれないのに、よくやっていると思います。精神的には、最終セットで結果を出すというストレスに晒されるので大変ですが、一方でタフになれるのでいいことだと思います。このシリーズはいつか終わるでしょうが、第5セットを迎えるまでに勝ちたいというのが主な願いです。日本戦では第5セットすでに2、3点差で負けていたので、この大事な最終戦の中でもチームが盛り返すことができたのはよかったと思います。私たちには個性があり、最後まで戦い、たとえベストなプレーができなくても、最後まで試合に臨み、ライバルを打ち負かす強さを求めています。その時は結果は関係ないし、そうやってアプローチすればいいのです。

− エンガペについて聞きたいと思います。彼はこれまでにもこういう試合をしてきて、それによって「アーティスト」や「バレーボールの魔術師」と呼ばれていますよね?
 アーヴィンは私たちのチームにとって重要な選手です。タイブレークを見れば、彼のクラスがわかります。チームにとって重要な場面でボールをネットに突き刺すかもしれませんが、それでも彼はステップアップし、最後には難しいポジションにいるにもかかわらず、美しいインナー攻撃で試合を終わらせる解決策を見出しました。精神面では、いつも信じられないくらい強いです。セッターにとっては、ボールを供給しやすい選手です。短すぎたり長すぎたり、遅すぎたり速すぎたりしても、修正できる可能性はたくさんあります。彼は私たちを勝利に導いてくれる、フランスにとって非常に重要な存在です。

− 準々決勝の相手イタリアが、現時点でフランスより優れていることは何でしょう?
 今大会、イタリアの選手たちはあまり難しい試合をしていないし、私たちより体力が落ちていないのは確かです。彼らはこの試合の前に2日多く休んでいるので、体力的には私たちよりフレッシュでしょう。でも、私たちには私たちの強みがあるので、彼らに勝てると思います。若い選手が多く、すでにユーロで優勝しているタレントもいる素晴らしいチームです。ファイトマッチを期待しています。彼らには準備期間もあったので、準々決勝ではショーを見せたいと思います。そして、スロベニアから(準決勝の開催地)カトヴィツェに飛びます。

− USAのジョン・スパロー監督にポーランドについて話を聞くと「今大会、最も優秀で厚いリザーブベンチを持っている」と言われました。でも、日本との試合を見て、フランスにとってもリザーバーの彼らが重要な存在であることがよくわかりました。
 ポーランドとフランスは、おそらく実際に最も選手層が厚いでしょう。スロベニア戦ではケヴァン・ティリが素晴らしい入りを見せて勝利できました。例えば日本戦では、ステファン・ボイエが大活躍しました。また、タスクの変更も多いです。ベンチもクオリティーが高いので、あとはトレーニングでしっかりアピールして、試合のある時点でチームに必要とされるような自信をつけたいと思います。カメルーン戦のように、スターター6人を外して休ませながら、メンバーチェンジによって試合のリズムを保つということができました。今こそそれを生かすときですが、タフな相手にはそういうことはしません。でも、これは常にベストチームの利点です。厚いベンチと質の高いトレーニングは、ほとんどの選手が均一で高いレベルにあるからこそ、そこから多くを学ぶことができます。

− ポーランドとフランスは、決勝でしか顔を合わせられません。金メダルの決定戦になるでしょうか?
 
ポーランドでは、誰もがその決勝戦を期待しているのではないでしょうか。でも、まだそれを話すには早すぎます。私たちもポーランドも、準々決勝では難しい戦いを強いられます。だから、両チームともそこに注力するのがベストでしょう。選手というよりも、その話はあなた方ジャーナリストやファンのためのものです。それが実現するかどうかは、これからわかります。イタリアに勝てば、準決勝のライバルに照準を合わせて、そうしていよいよ決勝を考えることになります。ポーランドのチームでも、誰もが同じことを考えているはずです。



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