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コロナ禍中、文化服装学院でおきた奇蹟

どうも、こんにちは。宮本企画室合同会社という言わば法人化フリーランスをしている宮本と申します。

僕は仕事で文化服装学院(ファッション流通科/リテールプラニングコース)と大阪文化服装学院(ブランドマネージメント学科/ファッション・ビジネス学科)でECやSNSなどインターネットビジネスに関する非常勤講師をしています。

今回はコロナ禍中の真っ只中で起きた学生たちの話をします。

■オンライン授業の模索と文化祭の中止、そしてネットに全振り

通常では新学期である4月から対面での授業を実施しているのですが、2020年度はコロナ禍の影響で授業開始が数ヶ月遅れてオンライン授業で実施することになりました。

2020年度からは以前よりも受け持つ単位数が増えたため、ほぼ毎週授業を行う必要があったので、2019年末よりシラバスの設計をはじめ、大幅に授業内容を調整した矢先の出来事だったので、それを一度白紙に戻し再度オンライン授業を前提としたシラバスに作り変えるのに難儀しました。

また私が受け持っている学科では毎年、文化祭で学生自身が企画立案したブランドのポップアップイベントを行うのが名物で、これを目標に入学や進学を志す学生もいるくらいなのですが、文化祭自体がコロナ禍の影響で中止となってしまったため、学生自身のモチベーションにも不安を抱いていました。

(参考)

初対面からオンライン、目標にしていた文化祭も中止…。そんな暗雲立ち込める状態からのスタートでしたが、ある試みを行うことにしました。

これまでは文化祭でのポップアップイベントによる対面販売がメインで、授業を通して開設、運営するネットショップはサブ的なポジションだったのですが、(詳しい授業内容は書きませんが)授業を通してこれまで以上にネットショップやSNSを作り込むことはもちろん、新たな試みとしてYou Tubeライブを行ってみたり、インスタライブの課題を出したりなどしました。

(You Tubeライブのアーカイブ)

(ネットショップは既に閉店したのでイメージ動画をご覧ください)

僕としては試行錯誤したつもりですが、ここまでやっても例年通りネットショップはサブ的な売上…ということであれば「やっぱり文化祭できればよかったな…」という感情が学生のなかに湧くでしょうし、最悪、例年よりもネットショップの売上がもし低かった場合…僕はお役御免になるんじゃないのか…と不安な気持ちを抱えたままネットショップのオープン日を迎えました。

オープン初日、なにが起こっているのかよくわかりませんでした。

売れる!しかも学院関係者じゃなく一般のお客様に売れている!

WWDJAPANや繊研新聞にも掲載していただきましたが、売上100万円(週)のペースを維持したまま閉店まで駆け抜けることができました(総売上は書きませんがとてもすごかったです)。

■オトナ顔負けのオンライン販売とオフライン販売の二刀流

大阪文化服装学院もコロナ禍の影響を受け、授業開始が遅れたりオンライン授業を実施したりなど、同様の展開になりました。

大阪文化服装学院のブランドマネージメント学科のショップ開発コースはとてもユニークな試みをされていて、学生自身が企画立案したブランドの実店舗を3ヶ月間運営するといった授業をされています。

前述同様にこれまでは僕の授業中に実施するネットショップ開設はやはりサブ的なポジションだったのですが、今回は何が起こるかわからない状況下での実店舗運営だったので、これまで以上に“学生たちが率先して”ネットショップ運営にも注力しました。

文化服装学院の試みがWWDJAPANや繊研新聞の掲載されたのも同じだと思いますが、頑張れば報われるというか…誰かに応援してもらえるというか、この大阪文化服装学院の取り組みもYahoo!ニュースやFM大阪に取り上げていただきました。

そして、誰かが頑張っている姿は共感を呼ぶのでしょう。

ショップ開発コースが長期に渡って実店舗経営をするように、同学科のプロデューサーコースは例年、関西コレクションという晴れの舞台で作品を発表されているのですが、それもコロナ禍によって中止。でも中止なったから諦めるのではなくショップ開発コースに呼応するかのようにネットショップ運営に方向転換を行いました。

そして更に…、3年生がオンラインとオフラインをうまく活用している姿に感化されたのかファッション・ビジネス学科の2年生も2021年2月に行われる卒展でのポップアップイベントに先行してネットショップを開始。

※どのブランドもネットショップ運営期間が過ぎているためSNS以外閲覧できません。

先程「これまで以上に“学生たちが率先して”ネットショップ運営にも注力」とわざわざ“”で囲ったのには理由があって、大阪文化服装学院の学生たちはとくにかくアグレッシブ。授業時間外も関係なく「◯日空いてます? ビデオ通話で聞きたいことが」のような感じで、学生自らがオンラインの良さをうまく活用してどんどん僕の時間を奪いにくるといか笑、時間を有効活用してくる姿勢に感動しました。

■諦めたらそこで試合終了って昔だれかが言ってた

コロナ“禍”と言うくらいですから、ほぼ多くがネガティブな情報ばかりで溢れかえっていて大人でも辟易するくらいですが、多感な時期である学生の皆さんにはもっと辛いと感じる部分もあるかもしれません。

ましてや学生生活の中心である授業や学校行事が混沌とすればなおさらだと思います。

でもね。少なくとも僕は約200人の頑張りを見てきました。精神論だけじゃなく

“生まれてはじめて作ったネットショップの売上が大爆発する”

“売れなかったショップは一つもない”

という素晴らしい実績を伴って。

卒業したら進学や就職する子もいれば、例年とは違い最初から複業を視野に入れていたり移住するって子も出てきたのには、少なからずコロナ禍やそのなかでオンラインをどう活用するのかって考え始めたからなのかなって思っています。

おっさんが一年通して授業で話したことが少しでも、ポストコロナ期を生きる若い皆さんの武器になっていれば…と心から願います。

IT=インフォメーションテクノロジー。

インフォメーション=情報。

ECやSNS、スマホといったテクノロジー、道具はほっといても時代の進化ととも発達していってくれると思うので、インフォメーション、どんな情報をその道具で紡いでいくのか…遠くから楽しみに眺めています。

数ヶ月早いけど、もう言っておきますね。卒業おめでとう笑。