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日々のこと 202109#1

9月〇日
うどん屋に入ったら、サーモグラフィの体温計と足踏み式の消毒器が入り口にデーンと設置してあった。びっくり。狭い店がさらに狭くなっている。なんと、食券機もできている。お冷やは自分で注ぐ方式なので、もう店の人が注文を取りに来る必要はない。こういうマイナーチェンジが全国あちこちで静かに起きているのだろうか。非接触の時代。まあ不便はないが、寂しい気はする。逆にいうと、これまで些細な接触が実はたくさんあったんだなあと気づく。

9月〇日
出かけた先で、ビルから出てきたら目の前に公園があったので立ち寄って一服。最近は公園を見かけるたびに、せいぜい5分10分だが公園で過ごしてみている。都市の公園が好きだ。大自然よりも緑の少ない街中にぽっかり浮かんだ公園のほうが好きかもしれない。遊具のある公園もオフィス街の公園も、昼も夜も、それぞれに良い。とはいえ、公園にとって私は主役ではない気がするので、端っこで過ごす。

9月〇日
豊田道倫さんの新譜が届く。豊田さんは良い曲を書くなーと思う。歌のないインストゥルメンタルが挟まれる構成。信号音や生活音は、最初こそ面白くても何度も聴くには飛ばしがちになるのが常だけど、これはそのまま流せる感じ。それにしても歌詞カード、赤地に黒文字は勘弁してほしい。最近の私は小さい字が見にくくなっている。昔、仕上がったデザインを「こんな字が見えるか!」と上司によく怒られ(老眼の読者なんか相手にしてない)と心の中で毒づいたものだった。豊田さん、老眼リスナーを相手にしてください。

9月〇日
仕事でお世話になってる人に所用で連絡したら、半月前に母親が亡くなったので当面バタついている、と言われる。父親はすでに何年も前に他界している人だったはず。親が死ぬということについて、改めて思いを巡らせる。

9月〇日
舞台挨拶でやってきた宇野さんと橋野さんに久々の再会。二人とも小さな地方映画館を大事にしてくれる、気持ちのいい人たち。自分が前に出ようとするところが全然ない。宇野さんはアジア・フィルムアワードにノミネートされたそうで、来月釜山で発表があるそうだ。日焼けした顔でニコニコしていた。助演男優賞候補で唯一の日本人で、審査員長はイ・チャンドンだとか。もらえるといいねえ。

9月〇日
ぼちぼちマイペースでやっている韓国語、ひとつ先へ進んで4級を受けてみようかと考える。独学だし、のんびりやれればいいと思うものの、前回5級を受けてみて一気に力がついたのを実感した。目標設定はとても有効。でも試験勉強はつらかった。すごくつらかった。またあれをやるのか~とも思う。若くない人の勉強って大変。亀の歩みで覚えても、光の速さで忘却する。本当に。

9月〇日
久しぶりの友人から連絡があり「コロナから生還してきた」と聞く。周囲や家族にも感染させてしまって大変だったそう。「いろいろ後悔した、症状もキツかった」との話。まだ味覚障害や嗅覚障害が抜けないそうだが、とりあえず元気になってよかったねと話す。

9月〇日
おちびの生誕地で母猫に再会。とても久しぶり。1年半ぶりくらい。前回会ったのは、ちょうどおちびの誕生日だった。お子さんは無事に1歳になりましたよと伝えることができてミラクルだなと思った。お母さん猫はもともと綺麗な黒猫なのだが、久々に会った彼女はところどころ毛が薄くなり、少し痩せたようにも見えた。賢くて警戒心も強いのに近くまで来てくれ、しばらく一緒に時間を過ごした。息子さんは元気にされていますよと念で伝えた。

9月〇日
すっかり肌寒くなってもう夏も終わり、という声が聞こえ始める。まったくそう思わないけど、東京あたりはそうなのかも。まだまだTシャツ一枚で過ごせるし、実際過ごしている。夏が好きなので、夏を長引かせたい。
昔、いつ見てもお洒落な格好をしている友人が「冬が一番好き。服がたくさん着れるから」と言っていた。重ね着できて楽しいということ。私はお洒落じゃなくていい。今年も最後まで、夏を粘る。


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