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過渡期を揺蕩う社会の度量

希代のエッセイスト山口瞳さんを読んでいる。

過日ペンタゴン・ペーパーズを観た時もそうだったが、セクハラもパワハラもワークライフバランスなどという言葉も存在しなかった頃のことをまざまざと思い出さされる。

今は不条理が社会の片隅に追いやられ明るい時代になったと感じ入る一方、逆説的に息苦しい時代にもなったと辟易している向きはたくさんおいでだと思う。

僅か3、40年、建前は大きく変われども人が皆さほど簡単に変われるはずもない。あまりヒステリックにならず時代の過渡期を揺蕩う度量を社会全体が持てないかと思う。

時にはまた、「昔に比べりゃ何甘っちょろいこと言ってるんだ!」と自らの頰を軽くビンタしてやるくらいのこともやはり必要な気もする。

勿論、他人にそんなことをするのはゆめゆめ許されないが少なくとも自分の精神は自省を込めてそうありたいと願っている。

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