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（目次）
1.宮塚代表挨拶
2.宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ@noteとは
3.宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ@note内容の紹介
4.編集後記
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1 宮塚代表挨拶（宮塚利雄の挨拶に代えて）
～私と朝鮮半島との不思議な因縁～

私と朝鮮半島との因縁は60年前から始まった。

私の生まれた秋田県の山村には、戦前、朝鮮半島から鉄道敷設工事に動員されて来た労働者一家が、戦後も朝鮮半島に帰国せず住んでいた。

幼心にも変な話し方をする人たちだと思っていたが、なぜかわが家には時々来ていた。朝鮮人だと教えられたが、別に差別することもなく偏見もなかった。

小学校6年の時に北海道の叔父の家に養子に行ったが、中学校の社会科の先生がこの小さな町を通っている鉄道の枕木の下には、戦前、鉄道工事に携わった朝鮮人労働者の遺体が、あちこちに埋まっていると話したことがあった。

にわかには信じられなかったが、終戦間近になると生産現場などでは、日本人よりも朝鮮人の労働者の方が多かった、ということを後に知った。

また、保線区員がトンネルに入って作業をしていると、どこからともなく分けのわからないうめき声の様な音が聞こえてくるが、あれは戦前、作業中に亡くなった朝鮮人労働者の怨念の声に違いないと、町では噂されていた。

また、この町にはある財閥系の銅鉱山があり、高校時代の1年間をこの銅山で過ごしたことがある。

鉱山住宅に戦前から住んでいる古老から、「戦前はこの銅山には大勢の朝鮮人が働いた。朝鮮人労働者は一生懸命働いていたが、終戦直後は暴れて怖かった」などという話も聞いた。

大学に入学して寮に入ったが、たまたま私の入った部屋は俗にいう「赤の部
屋」と呼ばれており、先輩から「宮塚、お前は日朝協会に入会して活動せよ」と命じられた。

私は「北朝鮮なんて嫌ですよ。できれば中国がいい」と言ったが、聞き入れてくれず大学4年間を日朝協会で活動し、朝鮮大学校や朝鮮高校などにも行って、在日朝鮮人問題にも関わった。

その後、大学を卒業して3年後に韓国の大学院に留学し、７年近くを韓国で過ごした。

日本に帰国後は今の様な「韓流ブーム」ではなく、大学で韓国・北朝鮮関係の講座の教鞭に就くことが難しかった。

韓国語の非常勤講師や通訳などをして糊口をしのぎ、1992年から山梨学院大学に奉職し、大学の講義とは別途に北朝鮮問題の研究を続け、今日にいたっている。しかし、北朝鮮には1991年に2度行ったが、それ以後は入国禁止となり、中朝国境調査から北朝鮮を追跡している。

このように幼いときから継続して朝鮮半島（朝鮮人・韓国人）と因縁を
持ってきたが、これからもこの因縁は続けていきたいと考えていたのである。

そこで、これまで蓄積してきた資料や知識を基に、多くの方に朝鮮半島のことを知っていただきたく、「宮塚コリア研究所」を平成25年7月に立ち上げ、講演会などの活動を開始、平成27年春には、山梨学院大定年を機に山梨県の中心地である甲府市に資料室を構えることができた。

さらに多くの情報を世の中に発信していく。

まだまだできたて宮塚コリア研究所でありますが、当研究所の運営などに皆様方の御協力、御鞭撻、御教示を切に望む次第であります。

宮塚コリア研究所
代表　宮塚利雄

2 宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ@noteとは

平成25年7月に開設した宮塚コリア研究所から発信する「宮塚利雄の朝鮮半
島ゼミ」は、朝鮮半島研究の第1人者である宮塚利雄（元山梨学院大学教授）が、ゼミ生（ペルソナ読者）にお届けするものです。

北朝鮮を中心にアジア全般を含めた情勢分析を独特の切り口で披露していきます。

今一番気になる朝鮮半島関連ニュースや朝鮮半島と日本の関わりを雑感もふくめ“授業”を展開します。

そして朝鮮半島のことなら韓国・北朝鮮に限らず、在日朝鮮・韓国社会とパチンコの歴史から焼肉の由来やグルメ、さらには最高指導者の動向まで朝鮮半島情勢についてわかりやすく解説するだけではなく、読者やファンからの投稿などにも応える、いわゆる双方向で発信していくのが「宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ@note」なのです。

どうぞよろしくお願いします。

3 宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ内容の紹介

1）宮塚利雄と朝鮮半島（宮塚利雄物語）
宮塚代表と朝鮮半島の関係について紹介します。

幼少期に出会った朝鮮半島からやってきた友人との思い出、朝鮮関係を研究するようになった大学時代や韓国留学と運命の出会い。そして、宮塚コリア研究所を立ち上げた理由を紹介していきます。

以下はその紹介です。

私はよく在日韓国・朝鮮人に間違えられる。

学会などに出席していると、知り合いの研究者が寄ってきて「宮塚さんは、在日（韓国人・朝鮮人）の出身なのですね？」と言うので、私が「なぜ？」と聞き返すと、某教授が「宮塚と言う人は“パチンコ”や“焼肉”、“アリラン”の本を書いたり、北朝鮮問題などをやっているが、あれは日本人では書けない。在日だから“朝鮮問題にのめり込めるのだよ”」と言っていたというのである。

確かにそうかもしれない。

朝鮮史や朝鮮語などを教える、または研究している先生方は日本人が多いが、近年になっては在日出身または韓国から来た先生方も多くなってきた。

しかし、私はアカデミックな朝鮮・韓国研究者ではない。

政治・外交などといった分野よりも好きな歴史と民俗学のようなものを取り入れた研究調査が好きであり、今日までそのスタンスは変わってはいない。

私が、インタビューを受けた韓国の新聞も疑うことなく在日の出身である「在日教授」と紙面で紹介していた。

私の名前は宮塚利雄という平凡な名前である。韓国では「クンチョン　イウ
ン」と漢字のハングル読みであったが、この呼び方には慣れなかった。

それよりも留学した当時流行っていたコメディアンの李起東（イ・ギドン）に似ていると言うので、「タンタルボ―（小柄で小太りした男性への愛称・蔑称？）」には愛着があった。

私の保証人の事務所によく訪ねて来るおじさんは、小柄な私を見て「君のようなタンタルボ―を英語では“チャンキーボーイ”と言うのだよ」と言われたが、この意味は未だに調べてはいない。

「チャンキーボーイ」とは響きがよさそうだが、「どうせ、チビな男」と言うくらいの意味だろうから、英語の辞書を開いたこともない。

当時の韓国では、100ウォンで薬缶いっぱいのマッコリ（どぶろく）が飲めて、これまた100ウォンのスントゥブペッパン（豆腐と卵が入った辛い白
飯）は貧しかった留学生の私には定番の夕食であった。

その顔なじみとなった店のアジュモニ（おばさん）が、韓国人にとって「宮塚」の「つ」の発音が難しかったようで、たどたどしい日本語で「日本から来たお兄さんよ、あなたの名前は呼び方が難しいね。田中さんならすぐに呼べるのだが」と言って、「今度からあなたのことを“ミオチュッケタ”さんと呼ぶからね」と笑った。

「ミオ チュケッタ」とは「憎らしい 死にそうだ」と直訳すればあまり言い意味ではないが、意訳をすれば「親しい人への愛情のこもった言葉でもある」と言われた。

当時の私の韓国語の能力では、この意味を帰国するまで理解ができなかったが、アジュモには、この日本からの貧乏学生に「ミオチュッケッタさん、サービスだよ」と言って笑いながら空になった薬缶にマッコリを注ぎ足してくれた。

40年以上も昔の事で、反日感情がくすぶっていたこの時代では、日本人の留学生が飲み屋で一杯やっていると、酔客が「このチョッパリ野郎（足の爪がふたつに分かれた野郎）」と言って徳利や御猪口（オチョコ）を投げてよこしたこともあったというが、私はその憂き目に合うことはなく、「日本人の貧乏人留学生」ということで、マッコリとキムチをよくごちそうになったものである。

李起東は当時、裴三龍と具ボンソと三大コメディアンスターであり、愛嬌のある顔で人気を博したが若くして亡くなったとも聞いた。

日本人は背が低いとばかり思っている韓国人には、私を見ると納得したようで、優越感を感じた人も多かったようだ。

背が低いからといってコンプレックスを感じたことはなかったが、ソウル市内のあるデパートで買い物をしていたら、ある売り場の女性店員が私を目ざとく見つけ、「オモナ― イ イルボンアジョシヌン ノム キ ガ チョクメー」と私の顔をまじまじと見ながら言った。

「あらまー、この日本人のおじさんは随分とチビなこと」と言う意味である。

計算を終わってから私はこの店員に一言「キガチョクメソ ミアナムニダ（ちびで悪かったね）」と、

流暢な（？）韓国語で言い返したら、店員は驚いたようで、

「テダニ ミアナムニダ（大変失礼しました）」

と言って下を向いてしまった。若気のいたりであった。黙って聞き流しすればよかったのだが、このとき以外は「チビ」と言われたことがなく、今日にいたっているが。

前の職場の大学でこれまた女子学生から「先生は本当に背が低いね。140cmくらい？」と笑うので、私は「先生の背丈は爆笑問題の田中さんよりも1cm高いよ。何cmだか当てたら期末試験の成績にいい成績を付けてやるよ」

と言ったら、彼女らは「やった」と言って、目の前で携帯などを取り出し
て、しばらくいじくっているうちに、「先生の身長はこれでしょ」と、1m50数cmを見事に当ててしまった。

嘘を言うわけにもいかないので、約束した学生たちの答案用紙に一番いい成績を付けたが、もう時効だからだから大丈夫かと…。

甲府駅北口から歩いて3分くらいの所にある資料室（宮塚コリア研究所付設北朝鮮資料室）には金の大型の金箔の豚箱の貯金箱があります。

私はいのしし年生まれです。韓国ではいのしし年とは言わず、「テジティー（豚年）」と言います。

これから猪突猛進で皆さまのお役に立ててる情報発信を続けていきます。

2）朝鮮半島の今
※編集部注意
この文章は2015年（平成27）11月28日発行のメルマガ原稿です。ご承知の上でお読みください。

今、一番気になる朝鮮半島関連ニュースを分かりやすく、ときには雑感を含め展開していきます。

一 北朝鮮の権力闘争（崔竜海は粛清されたのか）

北朝鮮の権力層にまたもや粛清の嵐が吹き荒れていると言う情報が流れている。

金正恩が最高実力者になってから4年以上になるが、これまで政府・党・軍の幹部連中を70人以上粛清し、公開銃殺したと伝えられている。

今度、粛清されたと伝えられているのは「崔竜海」である。私はこれまで崔竜海だけは粛清されることはないと、ことあることに書いてきたし語ってきた。長老軍人の葬儀名簿に名前が出ていないから、粛清されたのではないか、という。

粛清と言うとイコール公開銃殺というようなことを思い出すことが多いだろうが、名簿に名前が出ていないくらいで崔竜海が粛清されるだろうか。

「粛清」とは何か。北朝鮮の社会科学出版社発行の『政治用語辞典』（1970年10月1日 九月書房翻刻）や『政治辞典』（社会科学出版社 1973年12月
20日発行）には「スクチョン（粛清）」の単語は出てこない。

同じく2003年7月25日発行の『北朝鮮用語小事典』（聯合ニュース ソウル）にも登場しないが、『現代朝鮮語辞典』（科学・百科事典出版社 1981年2月10日発行）には「スクチョン」は「（あらゆる古くて否定的なものを）きれいに履いてなくすこと」とある。

しかし、これだけでは北朝鮮のいう「粛清」の実感は理解できない。

「粛清」とは「不正者・反対者などを厳しく取り締まりこと。独裁政党などで、方針に反する者を排除すること。対立分子を排除する」（『広辞苑』1229ページ）とある。

崔竜海は金正恩の登場とともにナンバー2にのし上がったと言われる実力者であり（私は独裁国家にはナンバー2には存在しないと思っているので、このような表現は使いたくないが）、これまでも崔竜海は失脚や降格が報じられている。

私は崔竜海が粛清されていない理由として「崔竜海の父の崔賢は金日成とともに抗日パルチザン闘争をした人物である」を挙げる。

その子どもの崔竜海を粛清することは、祖父の金日成と共に北朝鮮を建国した同志の子どもを粛清することであり、祖父に対する反抗でもある。

崔竜海は粛清されたのではなく降格され、地方の協同農場で革命化教育を受けているのではないか。崔竜海は張成沢のように粛清はされない。

二 なぜ、今になって労働党大会か

手元に古びた馬糞紙色の『チョソンノドンダンキュヤクヘソル（朝鮮労働党規約解説）』（朝鮮労働党出版社 1981年6月30日発行）がある。北朝鮮
の最高権力機関である朝鮮労働党を理解するにはこの「規約」は必読書である。

扉に赤字で「全党と全社会を主体思想化しよう」と書かれたこの規約は、「第1章 党員」、「第2章 党の組織原則と組織構造」、「第3章 党の中央組
織」、「第4章 党の道（直轄市）組織」、「第5章 党の市（区域）、軍組
織」、「第6章 党の基層組織」、「第7章 朝鮮人民軍内の党組織」、「第
8章 政治機関」、「党と勤労団体」、「第10章 党の財政」の全316 ページからなっている。

その中の「第3章 党の中央組織」に「党大会」の規約があり、「党大会とそ
の招集」には「朝鮮労働党規約は次のように規定している＜党の最高指導機関は党大会である。

党大会は5年に1回ずつ党中央委員会が招集する。

党中央委員会は必要に応じ党大会を早めたり遅らせて招集できる。党中央委員会は党大会の招集日時と日程を3か月前に発表しなければならない＞」とゴジック文字で書いてある。

北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会政治局は10月30日、第7回党大会招集に関
する決定書を発表したが、党の最高指導機関である党大会の開催は1980年
10月以来、36年ぶりとなる。

金正日体制では一度も開かれなかった。混迷する経済の立て直しと中国との関係改善を図るための大会開催か（この項続く）。

3）教えて宮塚代表（読者参加型Q＆A）
朝鮮半島を中心について分からないことを質問してください。

「今更、こんなこと聞いたら恥ずかしい」なんてことや「朝鮮半島とは関係ないけどいいかな？」なんていう人生相談までメールやツイッターなど様々なメディアを用いて幅広く受付けます。

（例）
教えて宮塚代表
Q 在日朝鮮人と在日韓国人はどうちがうの？また在日朝鮮人は北朝鮮籍な
の？

A 在日朝鮮人は、日韓併合から太平洋戦争の終戦まで期間、日本国に在留し
ていた朝鮮半島出身者で戦後に日本籍に帰化や韓国籍を取らなかった人たちであり、在日韓国人は大韓民国の国籍を持って日本に在留する人たちの総称です。

ちなみに北朝鮮籍というのは、日本政府が朝鮮民主主義人民共和国を国家として承認していないためありません。朝鮮籍がイコール北朝鮮籍ではないので注意が必要です。

4 編集後記

楽しんでもらえましたでしょうか。宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ@noteはこのような形式でお届けしていく予定です。

前述でお伝えした通り、原文は宮塚コリア研究所の公式メルマガを原文としてnote向けに加筆編集をしたものとなります。最新号から時代をさかのぼって公開していこうと思っております。

ご意見やご質問など大歓迎です。お気軽にお寄せください。

この原文の2015年から5年半だけを見ても劇的な変化で日々メディアを賑わせる北朝鮮や韓国。皆さまのお役に少しでもお役に立てる情報になれば嬉しいです。

編集部