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「子どもの自由なあそび場」をみんなで作るために - みやうち冒険あそび場の会の取り組みについて

みやうち冒険あそび場の会は、広島県廿日市市宮内地域を拠点に、「みやうち冒険あそび場」と「花見山森のあそび場」の2つの子どものあそび場(プレーパーク)を実施している市民活動団体です。
これまで、WEBサイト、Facebook、Instagram、LINE公式アカウントで情報発信をしてきました。このたび、あたらしくnoteを開設してみました。WEBサイトよりタイムリーに情報を発信でき、FacebookやInstagramのようなアカウント登録をしなくても読んでもらえる媒体として、noteを活かしていけたらと思っています。

はじめての投稿は、私たちが大切にしている考え方についてご紹介します。
この文章は、みやうち冒険あそび場のチラシの裏面に掲載している文章で、「子どもの自由なあそび」を保障するために、「怪我は自分の責任」という考え方を大切にしていることをお伝えするものです。
長い文章なのですが、ぜひ一度ご覧いただけたらと思います。


 みやうち冒険あそび場の会では、【子どもたちが自由な発想と自分の責任でおもいっきり遊ぶ】子どものあそび場づくりに取り組んでいます。「みやうち冒険あそび場」と「花見山森のあそび場」の2つの活動を通して、子どもたちの「おもしろそう」「やってみたい!」という気持ちに寄り添い、刻々と変化するあそびを見守りながら、子どもたちとともに「あそび場」を作り続けています。

 子どもの「あそび」は大人から見ると、危なく、汚く、うるさく感じることもあります。しかし、危ないからこそ子どもは自分で注意します。子どもは「あそび」の中で、「想像力」や「冒険心」を働かせ、危険に対して今持てる力で少しずつ試して自分の力を知ります。小さな怪我を繰り返すことで、大きな危険から身を守ることを知り、他人を思いやることを学びます。

 失敗もするでしょう。失敗があるからこそ「次はどうしようか」と考え、さらなるあそびに発展します。今までとは違うやり方を見つけたり、仲間との協力が生まれるなど、あそびは有機的に広がります。
 子どもたち自身の力で乗り越えていくからこそ、悔しい思いも達成感や喜びも本当の意味で自分のものとなります。失敗しないようにお膳立てされた「できた」ではなく、失敗した人にだけ体験できる本当の「できたっ!」の瞬間を子どもたちに手渡したい。小さな怪我も失敗も大人の都合で奪ってはならない子ども時代の大切な経験なのです。

 こうしたことから、「子どもの自由なあそび」を保障するために、みやうち冒険あそび場の会では「怪我は自分の責任」という考え方を大切にしています。

 そうしなければ、「危ないから」「~してはいけないから」という大人の規制や管理により子どもの自由な「あそび」が奪われてしまうからです。
 子どもにとって「あそび」は、生きることそのものです。子ども社会の中で遊び、関わり、ときにぶつかり合い、葛藤し、様々な感情や体験を仲間とともに共有しながら、お互いに育ちあっていきます。

 ひと昔前までは、こうした子どもの社会は身近にありました。近所の子ども同士で年齢関係なく遊ぶ中で、 年上の子は年下の子の面倒を見て、年下の子は年上の子のマネをして、お互いに育ちあっていました。ときには山や川を探検したり、秘密基地を作ったり、柿やビワの実を取って食べたり、田んぼに落ちたり。下校中にも道草をして遊び、季節や生き物の変化を五感を通して感じながら暮らしていました。

 そうした「暮らしの中にあった豊かな遊び」が、少しずつ、確実に失われつつあります。下校中の道草も、学区外への冒険も、子どもだけで山や川に入ることもできなくなりました。そして何より、こうした子どもの自由な遊びが、子どもの育ちに何よりも大切であるにも関わらず、それに価値を見出す大人が少なくなりました。 子どもたちは「未来への準備」ばかり忙しく、「今」を生きることさえできなくなっています。

 子どもたちの「今」を認め、「今」を生きて輝ける場を作りたい。そんな思いで、みやうち冒険あそび場の会の活動を続けています。
 私たちは、「あそび」の指導者ではなく、「あそび」の共感者でありたいと思っています。子どもが子どもらしくいられるような子ども同士のあそび場であるために、大人たちは子どものあそびを歪めず、おおらかに見守っていきましょう。

みやうち冒険あそび場の会 スタッフ一同

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