そうだ、お香買おう。

長い５連勤を終えた朝、軽く運動しながら急にそんなことを思った。

買い物の予定があるから、ついでに見てこよう。
だいぶ昔にお香使ってたけど、すっかり使わなくなって香立ても捨ててしまった。
香立ても買わないといけない。

あちこちのお店をプラプラと見てまわった。
あっ、と足を止める。
津軽びいどろの香立てだ。青森出身のため、青森のものはよく視界に入る。
香立てなんかもあるんだなぁ。
涼しげな色味で好きな色合い。これがいい。
お香は…何故かずっと頭の中で〝白檀〟って言ってるんだよなぁ。
お寺の香りよ？職場でお線香の香りがするなんて言われたらマズイよ？(介護職なので)
とは思ったのだが、結局試しに白檀を買った。

本屋さんに寄ると、お香の本を見つけた。
お香っていろんなのがあるんだな。
火をつけるもの、つけないもの、袋に入れたり、手紙に入れたり、体につけたり。
茶道や華道みたいに、香道というのもあるらしい。
初めて知った。興味深い。

そういえば昔から香りのするものって好きだったな。
ビーズみないなつぶつぶに香りがついてる匂い玉、
香りつきの練り消しとか、ガチャガチャで香水みたいなのとかも集めてたし、修学旅行で行った北海道で買った鈴蘭の小さいコロンは大事にしていた。
擦ると香りがするシールとか、香りつきのペンなんかもよく買ったな。

高校生の頃は制汗剤、マリン系が好きでよく使ってた。
基本的には柑橘系、ハーブ系なんかのすっきり
爽やかな香りなら何でも好きだ。
フローラル系はその時々で好き嫌いがある。
バニラ、ココナッツ、フィグなんかの甘い香りも好き。

大人になると香水に興味持ったり。
一時期香水の発送の仕事してたけど楽しかったな。
箱開けて検品するから香りを感じられて。

時にはアロマオイルにハマってみたり。
ルームスプレーとかサシェ、ルームフレグランス見て回るのもよくする。
お香も、20代の前半くらいによく使ってた。
あの頃はココナッツとかバニラの強烈に甘い香りが好きだったな。

夜、お風呂上がりに早速お香を。
やっぱりお寺の香りよ。でも思っていた程きつくない。
じぃぃっと煙が昇っていくのを見つめていた。
すぅっと、まっすぐに、やがてクネクネと丸くなりながら広がり消えていく。
煙の動きを見てるのはなんか好きだ。

白檀の香りも胸の奥の方にすぅっと入っていく。
日頃のストレスも消える気がする。落ち着く。
白檀の香りはお香がなくなってもしばらく続いていた。ほんのりと、優しく。

朝、目が覚めた時には香りは消えていた。
服にも香りは移っていない。これなら職場でも大丈夫だろう。
部屋の空気も何となくいつもよりスッキリしている気がする。
お香は空間を浄化する、なんていいますしね。

昔は香りが好き、なんて意識もなかったな。
香りを知って、深めるということをしてみてもいいかもしれない。
そう考えると、香道、気になるなぁ。
たまにはゆっくり丁寧に香りを楽しむ時間をつくる、なんてのも良さそうだしね。