言い換えればそれは、""波動""ってことです。

「けいおん！」で1番好きな曲です。
「don't say lazy」でも「ふわふわ時間」でもなく、これです。

この曲は恋愛ソングの域を超えています。
"恋愛"というオブラートに包んで、
世の理を説いている曲だと、僕は勝手に解釈しています。
ですから、あくまで。
これが正解とかではなく。
ただ好きに書き連ねているだけです。

"とんでいっちゃえ！　キミのもとへ
わたしの　ぴゅあぴゅあはーと
受け止めてくれるなら　怖くはないの"

(作詞:稲葉エミ　作曲:前澤寛之
2010年 放課後ティータイム「ぴゅあぴゅあはーと」からの引用)

一見すると片思いの気持ちを綴った歌詞です。
でも、僕はそれを超越していると思います。

上記の歌詞のあと、

"この気持ちが大気圏超えたとき
キミは見えなくなってた
道の向こう側
あい　Don't mind"

(作詞:稲葉エミ　作曲:前澤寛之
2010年 放課後ティータイム「ぴゅあぴゅあはーと」からの引用)

と続きます。

他の歌詞にも
"キミを追いかけたいの　信号は赤ね"
とあることから、
「キミは見えなくなってしまうほど遠い道の向こう側にいた」
という意味で解釈ができます。

しかし、違うんです。

この曲を初めて聞いたのは高校生のときです。そのあと、世界の"コタエ"を知ってから聞くと、意味合いが変わります。

大気圏を超えるんです、
"ぴゅあぴゅあはーと"は。

この"キミ"は、片思いの人じゃないんです。
そのとき、愛していた、
人、もの、こと、夢。

一つの物事を一生懸命に追いかけていると、
気が付いたらそのはるか先にいることが世の常です。

例えるなら最初は
小説を書きたい、という目標があって。
文章を書いているうちに、人に褒められるレベルに上達して。
専門的な学校に通い、
賞に応募して選考を通過して、
作品が本になり、仕事になっていく。

人間、一つのことを愛せば愛するほど、
さらに貪欲に「もっともっと」と欲します。
そんな欲望を、
"ぴゅあぴゅあはーと"
と呼称することにも僕は愛を感じます。

欲する愛は、大気圏を超えるのです。

私の師匠である木村政司先生も仰っていました。
《思いは強く念じれば念じるほど、宇宙に行って"還って"くる。》

そのとき、最初に愛した、恋焦がれていた"キミ"はもう見えなくなってる。

切ないです。
これは、とても素晴らしいことなのに。
切ないですね。

そんな初期衝動。
はじめの"すき"という気持ち。
始点から現在点までを振り返ることができる。
とても哀切にまみれています。

もっと言うと、一心不乱に向き合うほど、
高みの人間に出会っていきます。
そんなとき、ふと最初に好きだったキミを見ると。
もう好きじゃなかったりします。

そしてこの曲には「不意打ち」「いきなり」
というワードが登場します。
本当にそうです。
チャンスというのは、突然やってきます。

まぁ、私は思うんです。
何事にも執着しないことです。これは、自分もまだできませんが。
恋愛だけじゃなく、すべてにおいて。
固執することは辛いです。
そんな自分を苦しめるものからは離れて、熱中していれば。見えなくなってます。

似たような曲に、
UNISON SQUARE GARDENの
「きみのもとへ」というものがあります。
こちらも一部引用させていただきます。

"できるなら　心と体を
２つにわけて　君の元へ
繰り返す　反実仮想は
悲し虚しで離れ離れ"

(作詞・作曲: 田淵智也
2011年 UNISON SQUARE GARDEN
「きみのもとへ」からの引用)

つ、、つれぇえええええええ！！
つれぇよなぁ。

この曲にも、

"君が一瞬に　届く宇宙に
そして地球に
祈るメッセージ　込めた弾丸が
僕に届いて　ブレイク"
(作詞・作曲: 田淵智也
2011年 UNISON SQUARE GARDEN
「きみのもとへ」からの引用)

という歌詞があります。

もう、、""まんま""やん。

ユニゾンの「きみのもとへ」は、"キミ"に片思いしているが、うまくいかないことも自覚している。そんな調子です。
それに固執する、追いかけている自分が間違っていることにも気付いてる。

ただ。
僕がこの曲を大好きな理由は、おわりの歌詞です。

"だけど　be to be
いまは be to be
ずっと be to be"
(作詞・作曲: 田淵智也
2011年 UNISON SQUARE GARDEN
「きみのもとへ」からの引用)

と。

なるようになるさ、という現実逃避です。
諦めたくても諦めきれない我々を、肯定してくれるその優しさ。
捨てきれない、すがりたい思いを認めてくれる優しさ。
感謝したいですね。

ただ、やはり。
最初に抱いた"好き"という、気持ちを。
僕は大切にしたいです。
忘れることなく。

有名なセリフですが「銀魂」という漫画のなかに、

"惚れた女にゃ幸せになってほしいだけだ"

(作者:空知英明　出版社:集英社
「銀魂」からの引用)

というものがあります。
僕はこのマインドが大事だと。
恋愛だけじゃなく、生き方において。

最後に。

とんでいっちゃえ。
ぴゅあぴゅあはーと！！！