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製造業生産「調達難」の落とし穴

昨年12月の製造業の生産統計が、1/31に発表されました。昨年末のデータを今さら確認して何になる?という批判はごもっともです。しかし人間は過去のデータからしか将来を予測できないので、仕方ありません。

部品が足りないから作れないとか、ドライバーがいないから運べないという指摘は、コロナ以降に頻繁にみかけます。

しかし冒頭の生産統計を良く調べると、「ホントにコロナのせいで調達難なのか?」と疑問になります。

たとえば、半導体などの電子部品・デバイスです。

昨年12月の出荷数量は前年比14.9%増えましたが、在庫残高は同月に前年比25.3%増えています。「調達難」であれば在庫は減っているか、さもなくば出荷の伸び率よりも在庫の伸び率は低いはずです。さらに言えば、コロナ前の2019年平均と比較すると、出荷数量よりも在庫残高のほうが増えている。

自動車に至っては、出荷数量がコロナ前の2019年を下回っているのに、在庫残高は2019年よりも多くなっています。

本当に、コロナ禍で調達難が生じているのでしょうか。

「需要を多めに見積もって増産したものの、売れ残って在庫が増加している」という、正真正銘の景気減速に陥っていないことを願います。


お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。