[読書メモ]本当にあったトンデモ法律トラブル 突然の理不尽から身を守るケース・スタディ36

荘司雅彦『本当にあったトンデモ法律トラブル 突然の理不尽から身を守るケース・スタディ36

ご本人にフォロー頂いていますので、ちょっと躊躇われるところですが。。。(^^;思い切って書いてみたいと思います。

本書では、離婚、不倫、DV・セクハラ・モラハラ、金銭トラブル、相続、その他理不尽もろもろに分け、36個の民事上のトラブルについて描かれています。

どれもウソのように思えるくらいビックリ仰天なストーリーなのですが、今日にでも我が身に降り掛かってもおかしくない出来事だそうです(こわーっ)。解決してよかったなあと思えるハッピーな話もあれば、どうにもならずに去るしかない可哀想な依頼人の話もあったり、楽しく読ませて頂きました。

本書を読んで一番に感じたことは、弁護士に法律知識が必要なことは言うまでも無いことですが、それ以上に人間心理を心得ている必要があるなぁということ。紛争は、気持ちで始まり気持ちで終わると書かれていたのが印象的でした。

いくら法的に正しく、勝ったとしても納得出来なければ収まりがつかないでしょうし、一度突いた傷が消える訳でもありません。法を振りかざすのはあくまで最終手段なのかなと。

私も仕事でお客様のサポート対応をする中で、クレームを頂くことがありますが、とても些細な感情のもつれが原因であったりすることが多いです。

その点、相手が怒っているときは相手に好きなだけ喋らせる(ガス抜き)はとても合点がいく対応でした。下手に説得を試みて火に油を注ぐより、自然鎮火を待つ方が上手くいく事のほうが多いですね。

あと、勝ち目の薄い勝負については、「諦めましょう」と無碍に断るのではなく、「手付金をドブに捨てるつもりで良ければやります」と伝えていたのも印象的でした。こう伝えておくことでたとえ負けたとしても、心理的ダメージは最小限に抑えることが出来ますし、最後まで諦めないこちらの姿勢が伝わって、後々の信頼獲得に繋がるでしょう。

トラブルの対処法一つ一つが具体的でわかりやすく、当事者にとって有益な記載が多かったです。また、弁護士にとっても経験の浅いうちはとても参考になる情報も多いのではないでしょうか。都度読み返したいと思います。

Yasu.