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良いお盆を!

お盆休み真っ只中ですね。
今年はこのタイミングで台風が日本列島を直撃しそうで、せっかく立てていた予定を変更せざるを得ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、うちのお店も今日からお盆休み。
昨日仕事を終えたスタッフさんに、夫がかけた言葉が、良いお盆を!
正直私にはあまり馴染みのないフレーズです。
年末に「良いお年を!」というのは何となく分かりますが、良いお盆とは?と疑問が沸きました。

良いお年を、とは

では、そもそも「良いお年」とは何なのか。
良いお年を、とは「良いお年をお迎えください」を省略したもの。
この挨拶に込められた思いとして二つの説が考えられます。

新しい年を祝う

以前、年末年始の挨拶について書いた記事でも触れましたが、昔は数えで年齢を数えていました。生まれた時が一歳で、次の1月1日には二歳になるという考え方です。

つまり、1月1日は国民全員がひとつ歳を重ねる誕生日。
誕生日を祝い、その年が良い年になるようにとの願いを込める、というもの。

掛け売りの清算

もう一つも江戸時代まで遡ります。
当時はツケ払い(掛け売り)が一般的だったそうです。
ツケとは、ある意味借金のようなもの。
ツケを新年に持ち越さず、年内に支払って気持ちよく新しい年を迎えたい。そういう思いが込められていたのでしょう。

良いお盆を、とは

では、良いお盆とは。
先ほど書いたようにツケ払いが一般的だった江戸時代。
掛け売りの代金を回収をすることを「掛け取り」と言ったそうですが、その回収の日は年に2回、お盆と大晦日。
となると、先ほどと同じ理由で、お盆までに支払いを済ませ、気持ち良くお盆を迎えるということが考えられます。

そして、こちらは夫が言っていたことですが、お盆はご先祖様を自宅にお迎えし供養するもの。

お盆とは

そもそもお盆とは、盂蘭盆会(うらぼんえ)を略したものとされています。
以下、調べたことをまとめると、

盂蘭盆会の語源は、古代サンスクリット語の「ウランバーナ」で、「逆さに吊り下げられた苦しみ」という意味。
その由来となった伝承がこちら。

目連尊者はお釈迦様の十大弟子のひとりです。

神通力を使って今は亡き母親の姿を探したところ、餓鬼道(飢えと渇きに苦しむ世界)に落ちて苦しんでいるのを見つけました。母親は目連を溺愛するあまり、他人を顧みなかったため、餓鬼道に落とされてしまったのです。
逆さ吊りにされ、飢えに苦しむ母親を救おうと、目連は水や食べ物を差し出しましたが、口に入る直前に燃え尽きて灰になってしまいます。

なすすべなくお釈迦に相談すると、お釈迦さまは「夏の修行が終わる日(旧暦7月15日)に、修行僧全員にご馳走をふるまえば、餓鬼道に落ちた者にも施しの一部が届くだろう」と答えました。
お釈迦様に言われた通りにすると、修行僧たちは大いに喜び、功徳によって目連の母親を餓鬼道から救うことができました。

お仏壇のはせがわHPより

元々日本には夏に先祖の霊を祀る習慣があり、仏教の考えと混ざり合った結果、現在のように家族や一族が集まり、ご先祖や故人を偲び供養する行事として定着したということのようです。

つまり、良いお盆とは、亡くなった身近な方やご先祖様の供養をきちんとするということでしょうか。

元々あまり信心深くないほうですが、今日は夫の実家のお墓参りに行ってきました。
皆様も良いお盆をお迎えください。

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