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世間知らずの猫に鰹節

「世間知らずの猫に鰹節」とは、世間知らずの猫でも思いがけない幸運に巡り会うことがあるという意味合いがあります。

出典 Chat GPT 3.5

Chat GPT に「思いがけない幸運を表すことわざや慣用句」って聞いたら教えてくれました。うん、無いね。そんな言葉は無い。
でも面白いので、そのままタイトルにする。

人生初の大病をしました

SNSでちらほらとは書いていたので、薄々お気付きの方もいらっしゃると思いますが。
これまで、手術といえば虫垂炎と帝王切開しかやったことのないわたくし。
持病もなく、毎年の健康診断ではそれこそ数年前までは健康そのもの、近年は加齢に伴うあれこれはあるものの、治療が必要になるようなものはありませんでした。

きっかけは肺のレントゲン

2022年2月の人間ドックで撮った肺のレントゲン。
放射線技師さんが気になる部分があるということで、後日肺のCTをとることになりました。すると、その結果、「技師さんが指摘したところは問題なかったんだけど、別のところに影があります。これはCTじゃないと写らないんですけど」と。

しかし、過去のデータがないのでこれが何の影なのかわからない。
過去の肺炎(覚えはないけど、ひどい風邪だと思っていたら肺炎だったというのはよくあるらしい)によるものなのか、これから変化していくものなのか、しばらく様子見していきましょうと言われ、3ヶ月に1回、肺のCTを撮ってデータを残していくことに。

検査のたびに「特に変わらないですね、ではまた3ヶ月後」というのを繰り返し、1年経った2023年3月。
やはり、肺の影には相変わらず変化もなく、過去の肺炎の名残の可能性が高そうだというので、これで終わりかなと期待していたのが顔に出ていたのでしょう。

「こういうのは一応2年フォローすることになっているので半年後にもう1回やりましょう」と言われ。超渋々。もういいやろ〜〜〜と言いつつ、でも真面目なのでちゃんと検査を受けに行ったのが2023年9月上旬。

「肺の影は変化ないんでね、これはいいとして、左胸になにかうつってるんですよね。ほら、ここ。白いのがあるでしょ。肺の方は、今後の健康診断などで引っかかったらまたフォローするってことでいいので、早めに乳腺外科へ行ってください」

肺やないんかーい!

これっぽっちも予想していなかったまさかの展開。
7月に乳がん検診(マンモ)受けたんですけどねと思いつつ、数日後、検診でお世話になっている乳腺外科へ紹介状と画像を持参。

エコー、そして7月とは別方向のマンモでその「なにか」はしっかりと写っていたものの、ベテランの乳腺外科の先生が触診してもわからない位置。
その後、針生検を経て、乳がんであると確定したのが9月末頃でした。

「CT撮っててよかったなあ」

結果としてはリンパ節への転移なし、乳房部分切除で済みました。
これは本当に早い段階で見つけてもらったということ。
7月のマンモで見つからず、9月の時点で先生が触診してもわからずなので、CTを撮っていなければ今の段階では見つけられなかったはず。これぞ思いがけない幸運。まさに、世間知らずの猫に鰹節(違う。

そのうち触ってわかるようになったと思うよと言いつつも、先生が何度も「CT撮っててよかったなあ」って仰っていたのが印象的。悪いことは言わずに、よいことだけを殊更に口にする先生なのでね。
おとなしい癌とのことで、抗がん剤をしなくていいというので安堵しました。

「なんで私が…?」とか考えてもしょうがないなと思うタイプなので、悲観的になる暇もなく着々とタスクをこなし、入院・手術が10月下旬。10月末にはお仕事にも復帰し、放射線治療が11月下旬スタートでこれも先日すべて終了しました。
今後はお薬を何年も飲み続けていく必要があるものの、ほぼ病気が見つかる前の生活が戻ってきています。そろそろ筋トレもできるかな。

これからのこと

私の場合は、母も乳がんサバイバーなので、すでに覚悟はできてたというか、いつか来るだろうとは思っていました。想像していたよりはずっと早かったかな。まだ息子7歳だし。

それでも、今でもまだ実感がなかなか持てずにいて、落ちた体力が全然戻ってこないこととか、意外といつまでも患部が痛むこと(傷ではなく、脂肪を寄せたりしてるからしょうがないらしい)とかで、あ、私、病気になったんだった、と毎日思い出すような感覚です。

正直なところ、同じ病気でもピンピンしてる人が目の前にいるし、早期発見できれば乳がんはかなりの確率で治る病気になっているので、落ち込んだりすることもなく、粛々と受け止めています。
いつか死んじゃうかも、なんてこの病気だけの話じゃないもの、明日車が突っ込んでくるかもしれないしさ。考えてもしょうがない。

あんまり重く受け止められたくなくて、全然周囲にも話していないのですが、ありきたりだけど、本当にみんなにもちゃんと健康診断受けてほしいなと思って書くことにしました。

だって、2年近く前のレントゲンで引っかかった部分には何もないのよ。
何もないのに引っかかったのはウケるけど、たまたま別の影があったから継続して見てもらってたら、別の部位に癌が見つかってるのよ?
3月のCTには写ってなくて、7月のマンモにも写ってなくて(これは撮影の角度の問題かも)、9月のCTには写っている。これが、最初に出てきた「過去のデータ」があることの意味。

がん検診受けてても見つからないケースがやっぱりあるんだなってこと、別の角度からたまたま見つかる病気もあるってこと、そのためには定期的にお医者さんにかかっていることも大事なんだね。

何もないところから癌が見つかるまでの流れがよくできすぎていて、これはまだまだ残りの人生、頑張らねばいかんのだなと思った次第。
まずは、長らく会えていないお友だちとご飯でも食べに行きたいですね。


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