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ヘレンケラーも宿泊!日本最古の西洋式ホテル「日光金谷ホテル」

「日光に行くなら絶対に紅葉の美しい時期に行こう!」

そう決めた1年前。

東京ステーションホテルから始まったクラシックホテルを巡る旅。

その中でも最も歴史ある「日光金谷(かなや)ホテル」は、1873年(明治6年)開業、現存する日本最古の西洋式ホテルです。

世界遺産「日光東照宮」へも歩いてすぐ!

そして今秋、3泊4日で行って来ました!

折角、日光へ行くならと、「日光金谷ホテル」「リッツ・カールトン日光」「ふふ日光」と3つのホテルに宿泊。

1泊目の「日光金谷ホテル」は、ヘレンケラーやアインシュタイン、リンドバークや池波正太郎なども宿泊した歴史あるレトロなホテルで、100年前のメニューを復刻したグルメなどを堪能して来ました。

⭐日本最古の西洋式ホテル

200年続いた鎖国からの開国、そして明治維新を経て、日本は世界の近代国家に肩を並べようと、さらには、外国からの賓客・観光客を招くべく、西洋式ホテルの建設が始まったのです。

ということは明治6年までは、西洋式ホテルがなかった、ということですよね?

確かに、外国人にとっては、布団で寝ることや、畳の上に座って食事をすること、和式トイレ、日本食など、慣れないことばかりで不便だったことでしょう。

そして金谷ホテル創業者、金谷善一朗氏が、金谷ホテルの前身となる外国人専用の宿「金谷カテッジイン」を開業。
当時は「サムライハウス」と呼ばれていたそうですよ。

明治11年に来日したイギリス人旅行作家、イザベラ・バード女史は、この「金谷カテッジイン」に10日間滞在。

後にこの時の感動を「日本奥地紀行」という書籍にも書いていて、日光のことを「楽園」と記しているのです。

「ここには、まさに日本ののどかな風景があり、家の中も外も目を楽しませてくれるものばかりです」
「水の音や鳥たちのさえずりが音楽のように聞こえます」

実はイザベラ・バード女史は、「金谷カテッジイン」に来る前の宿屋でひどい目に合っていたというんです!

当時の日本人にとっては外国人の女性はとても珍しく、何度もお部屋を覗かれたり、深夜まで続くどんちゃん騒ぎに悩まされたり、ノミにかまれたりと。

そしてこの「日本奥地紀行」はベストセラーとなり、日光が世界に広く知られるきっかけになったそうです。

⭐入り口から興奮ポイントがいっぱい!

着きましたー!
白い本館が、エントランス前の紅葉と相まってキレイ!

現在の地に「金谷ホテル」として本格的な西洋式ホテルを開業したのは、明治26年だったそうです。

入り口は、今はあまり見かけなくなった回転扉。
回転扉の上などの館内の彫刻が見事で美しい、と聞いていたのでキョロキョロ。
これですねー!

右上のゾウのような彫刻は、右下、日光東照宮にも同じようなのがありました~。

館内を入っていきなり大興奮!
「あー!これは大谷石ですか~!?Ψ(`∀´)Ψ」

栃木県、宇都宮で産出される「大谷石(おおやいし)」。
代表的な建物は、建築家フランクロイド・ライト氏が設計した初代帝国ホテル東京(ライト館)。

この日光旅行の最終日には、大谷石の採石場跡にも行く予定だったのでガン見!

金谷ホテル到着後すぐ、石でこんなに興奮する人は珍しいかもしれませんね。

ほらほら!
館内のパネルにもライト建築の帝国ホテル東京の写真がありました。(右)

っていうかー!
窓から見えた他のお部屋の窓際の照明器具が!(左)
ライトがデザインした、「タリアセン 1 ミニ テーブルランプ」じゃないかー!

ズームして撮る!
窓から見える他の部屋の照明器具をこんなにズームして撮るのは私くらいかもしれません(笑)。

ちなみに、私はライトがデザインした「タリアセン」が欲しくて、2年くらい考えて買いました♪
照明を間接的に当てて照らすのがステキなんです。

⭐ヘレンケラーも宿泊!和洋折衷の別館

宿泊したのは別館。
西洋式ホテルではありながら、外国人にも好まれるように外観がまるで寺社仏閣。
入り口は唐門のようですね。

箱根の富士屋ホテルの花御殿によく似てるな、と思ったら設計者が同じだそうです!

窓から見える庭園の景色がキレイ!

以前、「世界ふしぎ発見」で、クラシックホテル館内では、暖炉などの装飾が、外国人が好みそうな形をしている、それはなんでしょう?というクイズがありました。

答えは「鳥居」。
以前行った奈良ホテルロビーの暖炉も鳥居、今回の金谷ホテルのメインダイニングの鏡の装飾も鳥居でした!

お部屋はレトロそのもの。
クラシックホテル8つ目ですが、どこも水回りはリノベーションされていてとてもキレイです。

バス・トイレなどがレトロ過ぎて使いづらいのも困るのでこれは嬉しい。

ホテルの館内案内図に書いてありました。
この別館には、昭和天皇をはじめ、ヘレンケラーなど、数多くの著名人が宿泊されたと。

ヘレンケラーですよ!!!
館内展示のパネルにも、佐藤栄作元首相、三笠宮様、アイゼンハウアーが来館した際の写真が!

「あ~、アイゼンハウアーね!」
知ってるな~と思いながら、改めて
「誰だっけ?」
と検索。

そうそう!
アメリカ合衆国第34代大統領でした!

⭐歴史を味わう!「百年ライスカレー」

『百年ライスカレー』
これが食べたくて早めに到着!

日光金谷ホテルの「百年ライスカレー」は、ホテル敷地内の蔵の中から発見された大正時代のカレーのレシピを基にして復刻したものだそうです!

すご~く早めに予約したからか、紅葉がキレイな窓際の特等席!

「百年ライスカレーランチ」
■栃木県産アンサンブルサラダ仕立て
■百年ライスカレー 低音調理の牛肉を添えて
■本日のデザート
■コーヒー又は紅茶

まずはサラダからスタート。
確か本当はサーモンだったかな?
生ものが苦手な私は変更をお願いし、パテドカンパーニュみたいなものに変えてくださいました。

来ました!百年ライスカレー!
ん!
ご飯に低温調理の牛肉がゴロゴロのってる!

どうやったらこんなに!?と思うくらいなめらかなカレー。
美味しい!
マイルドな大正ロマンの味がしました。
たぶん。

デザート、可愛い!
最中の皮には、橋の欄干が描かれてますね。

「あ!これはきっと、金谷ホテルと日光東照宮の間にあった橋だ!」
「そんなに有名な橋だったのか?」
と検索。

【神橋(しんきょう)】
男体山をご神体としてまつる二荒山神社の建造物で、日光山内の入り口にかかる木造朱塗りの美しい橋。

はっ!
そうでしたか。
お昼間は多くの人が写真撮ってるな~くらいでスルーしてましたが、夜のお散歩時、しかと撮ってきました!

ショップで販売しているレトルトカレーもお土産に購入。

⭐みやびな天井画を見上げてみよう

ランチ、ディナーで行ったメインダイニングの天井、柱にも豪華な装飾が。

ホテルで最初にお客様に食事を提供したという「小食堂」も見学出来るようになっていましたが、ここの天井画がまた美しい!

花鳥風月を描いた格天井。
こういうの、京都の「正寿院」などの寺院で見ますよね~。

「オー!ワンダフォー!」
と、100年前にこれを見た外国の方も見上げて言ってたかも!

階段の手すりの支柱もお寺や神社で見掛けるような朱色。
3階へつながる階段の手すりは洋風。
まさに和洋折衷。

⭐百年前のメニューを再現「クラシックディナー」

1906年(明治39年)に提供されていた当時のメニューを基にした復刻ディナー!

【クラシックディナー】
■湖の黒ダイヤ(キャビア)レモン添え
■コンソメスープ
■日光虹鱒のソテー金谷風
■大正クロケット
■牛フィレのステーキ
■キジのロティ
■野菜サラダ
■プリン
■コーヒー又は紅茶

まずは乾杯。
「NIKKO KANAYA HOTEL」のワインがあるという。
それは飲まなくちゃね!

が、私はお酒が一滴も飲めません。
今回、お酒が好きな友人も一緒で良かった!

コンソメスープの透明度がすごい!
ニジマス、丸ごと〜!
大正クロケット!やっぱり大正ロマンの味がする!たぶん。

牛フィレ、柔らかい!
キジ、初めて食べました。
プリン、今までで一番美味しいプリンだったかも!

どれも上品で絶品!

朝食も同じくメインダイニングにて。
パンが美味しい♪

館内にあった「パンの神様」と呼ばれた川津氏のパネルを見ていたからでしょうか。
より、美味しい。
日光金谷ホテルの坂の下に、「金谷ホテルベーカリー 神橋店」がありました。
近かったら買いに行っちゃうな。

クラシックホテルの共通点の一つが、戦時中、進駐軍によって接収されていたということ。
敷地内「金谷ホテルギャラリー」には、接収が解除されて、一般営業の再開を知らせる案内状が展示してありました。

その日付は昭和27年3月吉日。
なんと終戦の6年7ヶ月後。
オーナーはどんな気持ちでその時を迎えたのでしょうか。

当初、今回は女子2人旅の予定だったのですが、急遽、金谷ホテルにはさらに2人の友人も同行することに。

というのも、友人のnoteを読んでいると、先日万平ホテルに行き、素晴らしかったので、クラシックホテルをコンプリートしようと思う!と書いてあるじゃないですか~!
なんだと!?とお誘いしてみたら、ご一緒することが出来ました♪

日本クラシックホテル協会に加盟するホテルは9つ。

この「日光金谷ホテル」は8つ目でした。
残すところはあと1つ、「雲仙観光ホテル」。

来年、コンプリート出来そうです。

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