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私が岩手から上京してICU(国際基督教大学)に入学した話②


このシリーズも第2弾ですね!引き続き、書いていきますよ〜!

今回は、1年目に待っている英語プログラムのお話、セクションの話、

ICUのメリット・デメリットを伝えていこうと思います。


▼前回記事

私が岩手から上京してICU(国際基督教大学)に入学した話①



上京、グローバル、嗚呼、郷愁。


夢に見た東京生活がスタートし、みゆまるはかなり浮かれていました。

(「原宿でスイーツが食べたい」「渋谷でお買い物をしたい」などと田舎者丸出しで騒いでいたわたしが、今や渋谷のど真ん中で仕事していますから、人生何があるかわからないですね!!!)


入学式で、「よし、今日からICU生だぞわくわく」と思ったのもつかの間、翌日にはエイプリルの生徒は避けて通れない「プレースメントテスト」と呼ばれるTOEFLの試験があったのでした。


ICU用語解説①
エイプリル
→4月入学した学生の総称。ICUには春入学と秋入学があり、9月に入学する学生はセプテン(Septemberの略)と呼ばれる。
Septemberが略されてAprilは略されない理由は、おそらく呼びやすさを考慮してのもの。

ICU用語解説②
プレースメントテスト
→英語のクラス分けテストの名称。エイプリルは、テストの結果に応じてストリームと呼ばれるレベルに振り分けられ、その中でさらにセクションと呼ばれるクラスに分けられる。


このプレースメントテスト、TOEFLなのでとにかく難しくて時間が足りない。なんとかかんとか乗り越えた結果、わたしはICUの中でも普通の英語力の「ストリーム3」の中のセクションJに振り分けられました。

今後、セクション3J、通称3J(さんじぇー)が、わたしのICUライフにとって、なくてはならない存在になったのは、もう少しあとのお話。


ストリームによって、週に取らなければならない必修の英語の単位数が変わるので、「英語ができればできるほど、英語の単位が少なくて済む」という仕組みになっています。

(まあ、その分他の科目で取るべきものは増える)

1年生が避けては通れない地獄の英語プログラム

それがかの有名な(嘘)ELAなのです。

ICU用語解説③
ELA: English for Liberal Arts Program
→学生の英語力を向上させると同時に、ICUで効果的に学ぶための思考力と技術を養う、リベラルアーツへの重要な導入教育。主に日本語を母語とする学生が、1年次の大半を費やして集中的に学ぶ。
引用:https://www.icu.ac.jp/academics/undergraduate/ela/

ストリーム3だと、春学期は週に10時間程度英語の授業があるので、

とにもかくにも忙しい。

しかも、リーディング課題として課せられる論文は、「大学におけるアカデミックの意義」「人種」「生命倫理」などなど、controversialなトピックがほとんどで、授業の内容は大半がディスカッション(議論)形式なんですよね。

※イメージ図

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これは何を意味するかというと、事前に英語の論文(20ページくらい)を読んで、理解して、自分の中で咀嚼して、自分なりの考えを持って授業に臨まないと、何の成果も得られない、ということです。

もちろんELA以外の授業もあるのですが、私が取っていた授業は特に、プレゼンやグループワークを通して、アカデミックに議論していくような形式の授業が多かったので、授業外でも普段から勉強はしていた方だったような気がします。

(目安を伝えると、空きコマ課題をやって、家に帰っても英語の文献を読んで…となると、1年生はだいたい毎日4時間くらい。)

一つ一つの事象に対して、skepticalかつcriticalな眼差しを持って、興味深く考えられる人には、とても充実した環境だと思います。


とはいえ成績もつけなきゃいけないので、終わらない宿題(assignment)と、小論文的なもの(essay)と、断続的に実施される小テスト(quiz)、プレゼンに終われ、徹夜もしばしばありました…


ELAでの挫折〜みゆまる大ピンチ!〜


勉強勉強の大学生活の中で、私はELAの授業でぶちのめされるのです。

あれ、わたし、アタマワルクナイ?


先述したように、ELAは全て英語で行われるので、もちろん発言も英語、グループワークも英語。

発言しようとしても、単語がでてこないし、相手が言うこともよくわからないし、ひどい時は宿題の内容もわからない。

しかも、3Jのクラスメイトは英語ができる人が多かったんです。

(後日談ですが、一つ上のクラスでも良かったんじゃないか?ってレベルのクラス分けテスト結果を持つ猛者が多数いました)

そんな私は、片田舎の高校では英語できる生徒でも、ICUにくればただの一般人。

帰国子女や英語強者だらけの中で、「純ジャパ」コンプレックスの罠にはまったタイミングとホームシックが重なって、毎日実家に電話する日々…


が、続いたのも1週間くらいでした(立ち直り早)

私を救ってくれたのは大好きなセクメのみんなだったんです。

ICU用語解説⑤
セクメ→「セクションメイト」の略。
ICUのELAのクラスはもちろん、休み時間の課題や「セクコン(セクションコンパ)」「セクトリ(セクショントリップ)」など、多くの時間を共有することになるクラスメイト。仲が良いと一生の友達だが、不仲セクションは悲惨なことに…


「ICUの1年目はセクションで決まる」と言っても過言ではないくらい、セクメは大事だと思うのですが、私のセクメは本当に本当に最高のセクションでした。

「明日のテストの内容がわからない!」とLINEでSOSを出せば、ノートを共有してくれたり、一緒に勉強してくれたり、「寂しいから一緒にご飯食べよう!」と呼びかけると必ず複数人ガッキに集ってくれたり。

一緒に旅行にも行きました。

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あ、忘れないうちにこの言葉も覚えてくださいね。

ICU用語解説④
ガッキ→学生キッチンの略。らしい。いわゆる学食。ガラス張りの建物はとても綺麗で、フォトジェニックだがメニューは…()


エッセイやテストが終わると、誰かの家でパーティーして夜通し盛り上がったり、伊豆に旅行に行ったり、数え切れないほど一緒に遊びに行きましたね。

ELAは大変だったけれど、セクメがいてくれたから今はすごく楽しい思い出です。もう一回やりたい!とまでは言わないけれど、セクメと過ごしたICUでの日々は、本当に尊いなあと思います。


社会人になった今でも、定期的に会うのですが、みんな集まるとみんな相変わらず個性的でクレイジーで、でもそれもまたいいよね!って言い合える懐の広さは、ずっと変わらないんだろうなと思います。

セクメ問わず、愛が溢れる仲間に出逢えたのは、ICUでの一番の収穫だ、

ほんとうに。

↓今でも仲良し!

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ICUのメリット、あげるとするならば。


①大学という場所の本来の目的が果たせる

上記のことからもわかるように、ICUのカリキュラムの大きな特徴は、

とにかく多くの勉強量を求められる」ことに尽きると思います。


他の大学の子と話して軽くカルチャーショックを受けたのは、

「大学行かなくても単位取れる」

「割と序盤から全休作れる」

「頑張るのはテスト前だけ」

という、大学=遊ぶ、大学にいない活動をするみたいな風潮でした。


もちろん、ICUでもうま〜く手を抜いて、単位を落とさない程度に頑張る方法もあるし、サークルやバイトをしているとそうならざるを得ない場合も多いです。私もめっちゃ遊んでたし。

サークルで授業サボったりとかも全然ありましたし(ごめんなさい)

でもなんだかんだ、授業に行くと学ぶことはあったし、セクメや、特に私の周りは真面目でよく勉強する子が多かったような気がします。


あと、ICU入ると絶対に文系でも理系を、理系でも文系の科目を学ばないと卒業できません。

私は理系科目からなんとか逃れようとして化学のクラスでフッ素がいかに素晴らしいかのエッセイを書きました()

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特に私大文系って、たっかい学費払ってもらって、じゃあどんな専門スキル身につく?って言われるとはっきりとしたこと言えないと思うんですよね。

もちろん、私大文系なめるなって言われちゃうかもしれないんですけど、当事者として、年間100万越えの学費に見合う対価を得られるかってその人次第だなって本当に思うので敢えて言います。


私はICUでメディア・コミュニケーション・文化メジャーだったのですが

(詳しくはいつか語ります)


世の中の社会問題ってどういう背景あるんだっけ?

これ、事象そのものというよりかは大衆がニュースを作ってるんじゃない?

そもそも男と女の境目ってなんだっけ?


そんな答えの出ない問いに対して向き合う時間をたくさんたくさんもらいました。そして大学というユートピアを出た時にそんないい加減な人間社会で埋もれている声を少しでも拾いあげられる人になりたいな。

とそんなことを思っていました。


大学で起業の勉強します!という人、とにかくバイトします!という人、

どの生き方もすごく良いと思います。

けど私は、アカデミックな空間が生活の一部にあることに、心地よさを感じてた学生だったのかもしれません。

世の中の「当たり前」「常識」に苦しんでいる人や俗に言うマイノリティと呼ばれる人を「救ってやるぜ!」「仲良くなってあげよう」のような上から目線ではなく、ただいっしょの空間で大学生活を楽しむ、それってとんでもなく豊かで幸せでした。

ICUにいると日本社会で生きにくくなるので注意(笑)


②海外の大学みたいなキャンパスライフを送れる


ICUってとってもフォトジェニックな大学なんです。

森に囲まれた自然豊かで謎に広い(東京ドーム13個分らしい)敷地内には、芝生があって、桜並木があって、大きなグラウンドがあって。

四季折々素敵な表情を見せてくれます。

▼クレイジー雪合戦

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▼卒業式

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駅からのアクセスもすこぶる悪く、近隣におしゃれな飲食店やショッピングエリアもない(吉祥寺まで行くしかない)ので、特に学校の近くに住んでいる一人暮らし勢や、寮生(学校の中にある)は週の大半をICUで過ごすんですよね。

そうなると、授業の間や授業後は、ガッキに集ったり、本館前の芝生で課題やったり、サークルの人とラウンジに溜まったり…

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晴れた日には青空教室もよくやっていますし、芝生で演奏したり、歌っていたり、お昼寝していたり…

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どれも絵になる光景だ、うん。


いわゆる海外ドラマに出てくるキャンパスライフをイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。

とにかく大学が大好き!という子が特に多いのがこの大学の特徴かな、とも思います。


③とにかく個性。多様性。

とにもかくにもみんな個性的。

日本ではまだマイナーなアルティメットで世界大会に行っちゃったり

ダンスと国際政治について研究していたり

バンドや劇団などのクリエイティブな活動をしていたり

もちろん、帰国子女も多いので休みのたびに国外に行く子がいたり!


「ええ?!そんなことってある?!」

ってレベルのエピソードをみんなが持っています。

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ちなみに私は誕生日に芝生で盛大にパイ投げされて、

全身クリームまみれで家に帰ったことがあります。

後にも先にもあんなファンキーな誕生日はない。


キャラかぶりという概念はいづこへ。

けど勘違いしないで欲しいのは、

「ICUに入れば絶対に面白い友達ができる」確証はないことですかね。

自分が変化を恐れずいろんな人と接する勇気を持っていれば

きっと周りには愉快な人が集まってくるはずです。


ICU、もちろんデメリットもあります。


①専門性は期待しないで

1・2年次は自分の学びを探す期間として幅広い授業を受けるので、他の大学のように入学時から学部が決まっているカリキュラムよりは、圧倒的に専門性は低くなります。

そのため、国内外の大学院に進学したり、卒業を伸ばす学生もたくさんいるのが特徴です。

教養という響きは良く聴こえがちですが、実際は広く浅くで終わってしまう可能性も、ゼロではないわけです。


②the 東京を楽しみたいなら向いてないかも

特に私にような田舎から上京した人にありがちなのは

「授業の合間にパンケーキ♡」みたいな、東京の中でもかなり都会でしか叶わない願望を抱いていることかと思います。笑

ICUは駅からゲキ遠い(チャリかっ飛ばして15分くらい)だし、周りにも何もない(ガストやラーメンはある)ので、キラキラしたアーバンライフが送りたい学生さんは、土日や午後休みを狙って行くしかない…


③良くも悪くも世間離れしている

ICUっていいところだし私にとってはユートピアだったけど、

社会に出ると、相当特殊な空間だということがわかります。

学校に長く入る分閉鎖的になりがちだし、

「私たちはあなたとは違う」みたいな思想も少なからずありますから。

あと何より経済的に恵まれている子が多いし、学費もバカ高いので金銭感覚もきちんと持っておかないといけないと思うし。

けど、それは就活とか学外活動を経て、世の中と、ICUの両方をフラットに見ていいとこどりをする、くらいの図太さは必要かもしれないと私は思います。


それでもなんかこの大学ひっかかるぜ…!と思う勇者は、

ぜひICUの門を叩いてみてくださいね!

次の章ではICU生の就活事情でも話そうと思っていますので

気長に待っていてください…!


では、See you again!(出たコレうざいやつ)

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