見出し画像

梅毒

「梅毒」と聞くと「昔の病気でしょ?」と言われることも多い感染症ですが、最近また再流行しています。感染者が増えるということは、自分が感染する可能性も高いということ。実際、2013年には1,228件だった感染者数が2022年には10,141件になっています。急増している原因は不明ですが、直近10年で約8.3倍も増えていることになります。
(引用元:https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrc/11612-idwrc-2242.html

性感染症予防に関しては、後日別記事でまとめますので、詳細はお待ちいただきたいのですが、梅毒を予防する上で大事な3つのポイントだけここにも書いておきます。
①コンドームを使うこと
②不特定多数の人と行為を行わないこと
③定期的な検査を受けること

⭐️今回の目標⭐️

・梅毒の感染経路を理解する
・梅毒の予防方法を理解する
・梅毒の症状は変化・消失することを理解する

梅毒とは

感染経路

病原体は「梅毒トレポネーマ」と呼ばれる細菌です。
感染経路としては他の感染症と同様、性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)を通して感染します。

症状

梅毒の症状で最も特徴的なのは、時間経過とともに症状が変化することでしょう。

第一期(感染後約1ヶ月)
 最近が感染した場所(性器、肛門、喉など)にしこりや発疹が出現し、数週間で消失

第二期(感染後約3ヶ月)
 全身にバラ疹(発疹)や脱毛が出現し、数ヶ月で消失

第三期(数年後)
 臓器や骨、筋肉を含めた全身にゴム腫が出現

第四期(10年以上後)
 神経障害が出現

専門用語が使われていてわかりにくいかもしれませんが、大事なのは、症状が変化する(消失する)ということです。症状が出ている時には不安に思っていたことでも、症状が消失すると忘れてしまうでしょう。しかし、その間にも梅毒はどんどん進行しているのです。

先天梅毒

妊婦が梅毒に感染した場合、胎児にも影響が及ぶ可能性があります。具体的には死産、早産、先天的な異常の発生頻度を上げると報告されています。そのため、妊婦健診では梅毒の検査を行なっています。しかし検査後、妊娠中に感染するケースもあるため、妊娠中に性的な関係(口腔性交も含む)を持つ場合には必ず性感染症予防のためにコンドームを着用してください。予期せぬ妊娠の可能性がないため、生でセックスをするという方も多いと思います。しかし、おなかの中の赤ちゃんとお母さんの安全を守るため、妊娠中にセックスをする場合にはコンドーム着用の徹底をおねがいします。

検査

梅毒は血液検査によって感染の有無を調べることができます。梅毒に感染した場合には潜伏期間が4週間程度あるため、感染が疑われるような性行為があった場合には、それから4週間程度は期間を空けて検査する必要があります。不安なセックスがあってすぐに検査しても、正しい結果は得られないと覚えておきましょう。

治療

抗菌薬による治療が可能です。しかし注意してほしいのは、抗菌薬は今現在体にいる細菌を撃退するお薬であって、梅毒によって壊された組織を治すことはできません。そのため、早期発見・早期治療が大切になります。また、感染し、治癒しても、免疫はできません。何度でも再感染する可能性があります。治療終了後も、必ず性感染症の予防をおねがいします。

ピンポン感染

自分が梅毒陽性であった場合、自分のパートナーも感染している可能性が高いため、検査を受けるよう促してください。上で述べたように、梅毒は一度感染し治癒しても免疫はできません。そのため、ご自身だけ治療を終えてもパートナーが感染していた場合は再感染してしまいます。このように、お互いに梅毒を移しあうことから、「ピンポン感染」と呼ばれています。

最後に

梅毒についてご理解いただけましたか?
冒頭に書いた目標を達成できているかどうか、確認してみてくださいね❣️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?