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山登り

先日、相方さんの自宅近くの山に
散歩がてら登ってみようということになった。
相方さんが言うには、
なだらかな山道をゆっくり歩いて20分足らずで頂上に着くから、
山登りではなく散歩だと言う。



確かにそうかもしれないけれど、山は山だし…
そうだ!数年前に買ったきり、一度も使っていないノルディックを持っていこう!
それに、これまた一度も履いたことのない、数年前に買ったきりの登山靴も履いてみよう!
と、意気揚々?と出かけた。



頂上には、相方さんの言うとおり、あっという間に着いた。
まだ2分咲きくらいの桜が、山にも春の訪れを告げている。
なぜかツツジのような花が満開。ツツジじゃないのかな?



しばらく休憩して、さて…ということになり。
せっかくなので、ここから別の頂上に行ってみる?と。
前方にその山の頂上が見えていて、
まだまだ体力にも余裕があったので、行ってみることにした。



入山前の鳥居に一礼してくぐり、神社にご挨拶をして、
心の中で、許可を頂けますようお祈りし、感謝をお伝えした。


そしてそこから。
え?どこから登るの???
うっすら道のようなものがあるけれど、まぁまぁの急斜面…



どなたかが、目印になりそうな石に矢印をつけてくれてはいるものの、
これまで見たことのないような道なき傾斜が、
いきなり目の前に広がっていた。
ノルディックを持ってきていてよかった~!
夢中で、勘を頼りに、
ここというところにノルディックを差し出し、
身体を前に出していく。



いつの間にか無心に。
そして、無心になる頃には
最初にあった息が上がるような苦しさがなくなり、
不思議な軽快感を感じるようになっていた。



最後の最後は、急斜面をロープを伝って頂上へ。
頂上に着くと、
そこから城を守る城壁のような跡が
さらに山の尾根づたいに続いていた。
いつの時代か、ここに城があり、
人々の営みがあったことに思いが自然に馳せられた。
何を思い、ここで過ごしていたのだろう。


頂上でしばらく休憩し、下山。


しかし、下山が大変だった!
道なき斜面で足は滑るし、膝はがくがく、足裏はジンジン^^;
何度か滑って尻もちをついたりするときには、そこに鬱蒼と堆積していた松かさに助けられた。


上りは先導してくれていた相方さんは、
下りは私も道を覚えているだろうと後方から降りてくれていたけれど、
何度もこける私を見かねて前に。

「道がないとはいえ、険しい方険しい方に吸い寄せられるように行くよね~。それに、真っ直ぐ下りたらいいだけやのに、なんで脇に入ろうとするかな~。別の裾野に下りてしまうよ笑」
と言われる始末。

自分では、険しい方になんて行くつもりはもちろんないし、
むしろちょっとでも歩きやすそうなところを選んでいるつもり。
だけれど、他者から見たら、そうは見えなかったりするんだな~…
現に、私だけ何度も転んでいる^^;



言われてみるとなんとなく、そんな自分に納得がやって来て、
もちろん器用に生きたいけれど、どうしてだかそうはならない流れに
不思議な寛容が起こってきた気がした。
だけれど、やっぱり器用に生きたいという憧れはある!
その憧れの中へ、不器用な私も引き連れて行きたいな。


また山歩きをしたいという気持ちになった。
次はどの山に行こうかな。










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