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シロクマ文芸部

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ほぼ毎週参加させて頂いているシロクマ文芸部の記事をまとめました。 ショートショート・詩・短歌、たまにエッセイを書いています。
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記事一覧

【シロクマ文芸部】幾つになっても子どもの日・140字小説と短歌

「子どもの日って何歳までが対象なんだろうね」 「幾つになっても子どもは子どもだよ。あんた…

【シロクマ文芸部】春の夢

春の夢は朧げな夢 春の夢は儚げな夢 ふわふわふわふわ わたしの夢は何? わたしの望む未来は…

【シロクマ文芸部】死がふたりを分かつまで

 「花吹雪の刺青入れてる人が出てくる時代劇って何だったっけ?」  「花吹雪というか桜吹雪…

【シロクマ文芸部】風車の弥七から連想していったこと・エッセイ

風車の弥七は少し離れた所から黄門様ご一行を見守り、うっかり八兵衛は茶屋で団子を貪り、かげ…

【新生活20字小説】中途採用女子は猫を被る

今日から初出社だ。猫を被って頑張ろう。 初出社当日に歓迎会なんて急過ぎるだろ。 ヤバい。…

【シロクマ文芸部×新生活20字小説】新しい私になっていく

 “変わる時が来た”と真希は今日から始まる高校生活を思い胸が高鳴った。 新しい制服を着て…

【シロクマ文芸部】始まりは信号待ちの交差点🚙エッセイ

始まりは信号待ちの交差点だった。大きな交差点の先頭で信号待ちをしていたあの日、私は出会ってしまったのだ。あの黒くて小さくてカッコいいヤツに。 信号待ちをしていた私の目の前を横切っていった1台の車に私は目が釘付けになった。 その車は、黒くて軽より少し大きい位で、天井がガラスになっており、なによりリアが途中で切れていた。パッと見た感じはグランドシビックなのに、リアが短いその車に私は一目惚れをしてしまった。 「え?何あれ?シビック?カッコいい」 その車が気になるあまり、帰り

【シロクマ文芸部】お風呂上りにはビールを一杯🍺20字小説

桜色のバスボムをそっと浴槽に沈めてみる。 途端にシュワっと弾ける泡と、広がる香り。 この香…

【シロクマ文芸部】朧月が照らす未来

 朧月が周囲をぼんやりと照らしている。境目のない曖昧な感じが現在過去未来をも朧気にしてい…

【シロクマ文芸部×夜行バスに乗って】卒業前夜

 卒業の日を迎える娘の晴れ姿を見るために、新宿へと向かう夜行バス乗り場に歩みを進める。距…

【シロクマ文芸部】甘くて苦い痛みは春風に乗って・20字小説

春と風は俺と彼女との出会いを運んできた。 春一番は、彼女の帽子を俺の所に飛ばした。 「す…

【シロクマ文芸部】閏年に出会ったら

 閏年にいつも再会する人がいる。  彼は中学の同級生の樹で、私は中学の頃に樹の事が好きだ…

【シロクマ文芸部】梅の花・20字小説

梅の花を見に行こう。既婚の彼からの誘い。 梅林の中は紅や白の花が所狭しと咲き誇る。 恋人…

【シロクマ文芸部】バレンタインなんて雨に溶けちゃえばいいのに

 チョコレートなんて渡さなければよかった。  今日はバレンタインデーだ。好きな男の子にチョコレートを渡す日なのに、あたしは自分で渡す事すらできなかった。あたしはすっかり暗くなったベランダで冷たい冬の雨が足元を濡らす中、今日の事をずっと考えていた。  「みゆ。いつまでそこにいるの?風邪ひくでしょ。ご飯よ」  お母さんが呼ぶ声がする。風邪なんてひいても構うもんか。むしろ風邪をひいて学校を休めるんだったらそっちの方がずっといいや。ご飯なんて食べたくないし、誰とも話したくなくて、あ