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すべてが嘘でありますように。七夕の短冊にそう書いた。短冊は願い事を書くためのものなん…
魔女たちは古来と比べて随分と大人しくなった。昔はお菓子の家で釣った子どもたちを狙ったり…
「甘いお酒が好きなの」彼女は僕が持つメニューの、ファジーネーブルを指さして言った。「フ…
誰かが私の体の中を歩いている。なんだか少し、くすぐったい。胃の壁を、ウロウロウロウロ…
それは宗教が宗教になった瞬間だった。何気ない瞬間に人は過ちを犯す。それと同じように人は…
設定に引っ張られて生きていくのは楽だ。年齢や生活ごとに、こうすべきであるというライフス…
何ひとつ上手に喋れなくて情けなくなった。だけど何もかも上手に話せるようになってしまったらそれはもう私ではない。いつも少し世界に脅えて、その分強がって時々毒づいて誤魔化すために口で笑う。欲しいものは欲しいままで諦めなんてつけられない。賞味期限が切れてから焦って食べるくらいならせめて、賞味期限が切れる前に食べてしまえばよかった。そうすれば疑う必要はなかったのかもしれない。だけどこれも過ぎた話だから、今からしたって仕方がない。嫌いになれないのに、好きじゃないと言ったって無意味なよ
耳たぶの裏に宇宙があるとしたら、僕は君の宇宙を壊したいと思った。噛み砕いて粉々にして、…
夜道を歩いていた。夜道と言っても、それらしい暗さというだけでまだ夕刻と呼べるくらいの時…
私の人生はナレーションベースだ。いつだって主役は私だけどどこかで知らない思惑が絡み合っ…
コンプライアンスが、コンプライアンスに、コンプライアンスだよと言う。それでも余計な世話…
黒い点が無数に蠢いている。それぞれ微妙に形が違っている。よく見ると色味も違っている。ち…
有名な心理テストを得意げに披露されても、私は馬鹿のふりをする。答えを知っているとは言わ…
寂しくて仕方がない。失うということには、多分それくらいの深さがあるからだ。それは、得られないということよりも、ずっとずっと辛い。憧れのキラキラした時間よりも、私は、ここにあったはずの日常に恋をしている。これからも失ったままなのに、それでもまだ欲しいと願うのだろうか。涙が枯れる前に水を遣るなんて卑怯だ。