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祝30周年!アート台北2023出展記録 その1

こんにちは。はじめまして。みぞえ画廊東京店スタッフの C です。
気づけばもう年末に…。今回note初投稿の場を賜った私がお届けするのは、先日参加してきました台湾のアートフェア、ART TAIPEI 2023についての様子になります。
せっかくですので会期中の風景だけでなく準備段階やフェア後のあれこれも合わせてご紹介できればと。画像多めでいきたいと思います。ぜひゆるりとお読みください。

正式なフェアロゴ

30周年

目次にもあります通り、アート台北(以降日本語表記)は今年で30周年を迎えました。もともと台湾ではローカルなフェアですが、アジアでは最も長い歴史のあるアートフェアです。
5日間現場に立ってみて、アート好きの台湾の人々に愛され続けているイベントであることが伝わってきました。アクティブなコレクターから家族連れ、友達同士で来ている若者まで…。老若男女問わずたくさんの方が来場されていました。以下フェア詳細です。

ART TAIPEI 2023
台北國際藝術博覽會

▍会期
2023年10月19日(木)~10月23日(月)
▍会場
台北世界貿易センター エキシビションホール1
(台北市信義区信義路5段5号)
▍リンク
https://art-taipei.com/

台北世界貿易センター

今年は140を超える出展者のうち、日本のギャラリーが35軒と過去最多。顔なじみの方々も多く、なんとなくホーム感がありました。会場の台北世界貿易センターは変わりありませんが、例年より展示領域が広くとられていました。主催者も気合いが入っています。

みぞえ画廊としては8回目の参加です。2015年から出続けています。
ちなみに2021年はコロナ不安がまだまだ拭えずリモート参加を決行。日本からは誰も会場に行かず、現地サポーターの方に対応のすべてをお願いするという…。
私のスマホは永遠にピロンピロン言い続けておりました。(おかげで作品はちゃんと売れました。)みぞえブースを担当してくれたchenさん、もう辞めてしまったけど事務局のフロントをしてくれたpeiさんには本当に頭が上がりません。今年chenさんにようやく直接お礼が言えました。非常謝謝。

準備~設営~開場!

みぞえのブースはC08です。
今年はいつもより広いスペースで申請しましたので解放感があります。
出展作家は弓手研平、小松孝英、塩月桃甫(物故作家)。
ここ数年は同じメンバーで臨んでいます。

みぞえスペース全体像。腕を組んでいるのは小松孝英先生。
塩月桃甫&小松孝英スペース
小松孝英『炭化』
小松孝英『外来種群蝶図』
   『蝶出目金魚』
塩月桃補『雀』
塩月桃甫『静物』
弓手研平スペース
弓手研平先生と林檎の木
弓手研平『日と月と七色の林檎の木』
  『桃色月夜の赤い花束』
   『日と月と蓮上の伎芸天』

展示風景をざっと並べてみましたが、この景色にたどり着くまでには種々様々な準備が存在します。だいたいのスケジュール感で言いますと、

5月 出展者申し込み〆切
7月 出展者決定、通知
8月 ブースデザイン作成・作品決定・集荷など
10月 現地入り

という感じです。
この間に怒涛の提出物作成や登録作業などがあります。フフ。

ブースレイアウト申請の図。
今回はブース中央に大きい柱があるタイプのスペースでしたので、柱をぐるりと囲うようにパネルを立てて作品をかけられるようにしました。
忘れてはいけないのが控室。こちらもパネルを上手く組んで部屋っぽくします。

机、椅子、展示台などの備品や照明の発注もこの段階で行います。
アートフェアによっては、作品画像を使って実際の展示レイアウトを提出しないといけない場合もありますので、その点アート台北は優しいほう?かもしれません。

会場で配るハンドアウトも用意します。
今回の出品作

出品作のセレクションも同時並行です。
作品点数、バリエーション、全体としてのバランス。今までの販売傾向や実績なども考慮しながら、先生方と一緒に戦略を立てていきます。
出展決定から1か月ちょっとでシッピングです(早い)のであまり猶予はありません。

・・・・

さて先生方の制作状況を確認して。あ、そういえばあちらでも発表の機会があったような。え、こちらでも別の展示がある…。ん、先生別のアートフェアも出るんですか??? 

・・・・

というように、作家さんのスケジュールによっては色々なパターンがあるため色々なことを考えます。
ヒリヒリ&ワクワクです。各地でどんな反応があるのか、一体どんな出会いがあるのか…。作業をしていると自然に心が躍ってきます。現地で目に見える結果となった時の喜びは言葉にできません。

時は進んで設営日。
ブースに着くとすでに輸送用クレート(木箱)が搬入されています。この巨大な木箱にびっしり詰まった作品を取り出すところから作業が始まりまして…。

各々飾り付け。

飾り付けた後は専門業者の方にライティングを調整してもらったり、画集や備品をセットしたり、カッティングシートを壁に張り付けたりしてブースが完成します。

                  カッティングシート貼り付け中。
スッキリ!
完成です。

完成したブースを見ると、
きた…。アートフェアだ…。始まるよアートフェア…。
と次第にテンションが上がってきます。

会場全体を見てトップギアです。いざ開場!

会場の様子 その1

画像中心にご紹介していきます。

入場口にて
チケットチェックがあります。
ものすごい人です。

初日の19日はVIP Day。20日~23日が一般会期となります。
5日間を通して外国人来場者はそこまで多くない印象でした。やはり地元密着型のフェアであることを感じます。

出展者には30周年ラベルのワインが配られます。
みぞえチーム日本組。カンペイ!

このほか水が1ケース用意されていたり、お菓子や軽食の差し入れなどもあります。
ギャラリー用に用意されたものかと思いきや…。
たしか最終日でしたが、ブースの机に置いておいた軽食をサラッとお客さんが取っていきました。しかも一番美味しそうなやつを。
動きが自然すぎて、あ、海外フェアではこれ普通なんだと妙に受け入れてしまいまいしたが果たして…。

連日様々なツアーが組まれていました。

中学生?の団体様。おそらく社会科見学の一環で来場されていました。
海外では普通らしいのですが、ニューヨークの美術館で小学生たちが古い絵画の前にちょこんと座りデッサンに勤しんでいる光景を目の当たりにしたときには衝撃を受けましたが、これにも同じくらい驚きました。
友達とわいわいしながら作品を見ている子。作品の写真を撮りまくっている子。一つの作品の前で動かない子。みなさんそれぞれ楽しそう。

中学生のころに行った社会科見学の内容はあまり覚えていませんが、彼らを心底羨ましいと思っている自分がいました。
もしかしたらこの広い会場のなかで、背中に電流が走るような作品と出会っている子もいるのかもしれない。掛け値なしの“好き”という感覚を覚えた子がいるかもしれない。ここで見た作品や作家と、将来別の場所で巡り合うかもしれない。
なんて想像をしながら一団を眺めていました。

日本もこういう景色が広がっていけばいいと率直に思います。
教育も生活も、本腰入れたり身構えたりするのではなく、当たり前のようにアートと関わりあえばいいなと。
しかし業界に入る前の自分はどうだっただろうか。余計な肉がついてやしないか。色々と考えさせられました。

まあまあのショックを胸に抱え込んだまま後日訪れた土地で、さらなる衝撃を受けようとは夢にも思わず…。

後半へ続きます!また来年です!
みなさま良いお年をお迎えください。












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