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Dr. John - In the Right Place (1973)

前作「ガンボ」がニューオリンズの歴史を紹介する一枚なら本作はニューオリンズの今を紹介した一枚です。その証拠に前作が一曲を除いて全て過去のヒット曲のカバーだったのに対して本作ではカバーは2曲だけで、もう2曲は共作、残りは全て先生による曲です。またサウンドも前作が先生のピアノをメインにしたオーソドックスなR&Bだったのに対して本作はミーターズを中心にしたバンドのサウンドをフィーチャーしたファンクやロックナンバーが並びます。この二枚とガンボ以上にルーツを深掘りしたGoin’ Back To New Orleansは併せて聴きたい三枚です。

メンバー
ドクタージョン:ボーカル、ピアノ、オルガン
アラントゥーサン:ピアノ、エレピ、ギター、パーカッション、ボーカル
ミーターズ
 レオノセンテリ:ギター
 ジョージポーターjr:ベース
 アートネヴィル:オルガン
 ジガブーモデリステ:ドラム
ラルフマクドナルド:パーカッション
デイヴィッドスピノザ:ギター
ゲイリーブラウン:サックス

Right place Wrong place
ほんのりサイケなヘヴィファンク。イントロのノイジーなギターとその後のレオらしい軽いリズムギターがかっこいいです。ギターソロはデイヴィッドスピノザが弾いているに聴こえます

Same old place
エキゾチックなエレピにアフリカンな乾いたハンドクラップやパーカッションの音が重なるミステリアスなファンクナンバー。

Just the same
ニューオリンズらしいタッチのピアノがかっこいいほんのりメロウでエキゾチックな一枚。アラントゥーサンのサザンナイトのサウンドによく似た一曲です。

Quailfied
マルティグラの喧騒を切り取ったような陽気なニューオリンズファンクナンバー。

Traveling mood
軽やかな口笛が印象的な少しとぼけたようなポップなナンバー。大瀧詠一さんの「楽しい夜ふかし」ってこれも参考にしている気がします。この曲はウィーウィリーウェインことジェイムズウェインの曲です。

Peace brother peace
ミーターズらしいタメの効いた演奏がかっこいい曲。このアルバムで1番ミーターズらしさが表れているように思います。JB風のホーンとジャジーなソロを披露するサックスも曲の雰囲気にマッチしています。

Life
ゆるゆるのファンクビートがクセになる曲。途中少しだけ作者であるアラントゥーサンの声も聴けます。この曲はブラッドスウェット&ティアーズもライブ盤カバーしています。

Such a night
ノスタルジックなメロディが楽しい一曲。象の鳴き声みたいなチューバが印象的です。映画ラストワルツではこの曲を披露していますがあれが初めて聴いたジョン先生でこのロックでもブルースでもない感じやクセのあるボーカルが面白いと思った記憶があります

Shoo fly marches on
ミーターズがファンキーな演奏を披露する一曲。アートの緩いオルガンもジガブーのアタックの強いマーチングドラムもジョージのファンキーなベースもレオの鳥がヒョコヒョコ歩き回っているようなギターも全てかっこいいです。

I been hoodood
バイヨーに使っているかのようなドロッとしたサウンドのファンクナンバー。

Cold cold cold
ドクターがダミ声でシャウトする一曲。アルバムの最後の曲らしいゴージャスなアレンジの曲です。