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Allen Toussaint - Southern night (1975)

今日はアラントゥーサンのソロアルバムサザンナイトを紹介します。この頃のアランはザバンド、ヴァンダイクパークス、ドクタージョン、ポールマッカートニー、ラベルのレコーディングに関わりボニーレイット、ボズスキャッグス、グレンキャンベル等が彼の曲をカバーしてそれをきっかけにニューオリンズ音楽がブームになるなど人種や国籍、ジャンルを超えて注目されてノリにのっていた頃のアルバムで調子の良い頃に作られただけあって内容はファンク、ジャズ、SSW、東洋風のメロディとバラエティに富んでおり最高の一言に尽きます。

メンバー
アラントゥーサン:ピアノ
ミーターズ
 アーサー(アート)ネヴィル:オルガン
 ジョージポーターjr:ベース
 レオノセンテリ:ギター
 ジョーゼフモデリステ:ドラム

チャールズムーア、テディロイヤル(4):ギター
アルフレッドロバーツ:コンガ
リッチーパウエル:ベース
クライディウィリアムス:ドラム
ギャリーブラウン:サックス
クライディカーjr:トランペット、フリューゲルホルン
ステーヴィハワード:トランペット
ロンプライス:テナー、アルトサックス、フルート


アランとミーターズ以外は比較的無名のミュージシャンが多いですがピーターバラカンさんのライナーによるとサックスで参加しているギャリーブラウンは一時期ドクタージョンのバンドにもいたミュージシャンでアランのプロデュースでアルバムを作る予定があったものの流れたとのこと。ライナー執筆時は消息不明だったようですが1990年代中盤に少しアルバムを出しています。

Last train
タメの効いたリズムと列車の走行音を真似たようなリズムギターがかっこいい曲。懐かしさのような哀愁のようななんとも言えない雰囲気があります。

Woldwide
軽くはねるようなジョージのベースが印象的な緩いソウルナンバー。途中に入るサックスがジャジーかつ呪術的でかっこいいし最後のインタールードっぽい哀愁いっぱいのエレピソロも最高です。

Back in baby’s arms
ジョージのなめらかなベースラインが印象的なほんのりSSW風味の哀愁あるソウルバラード。中盤のサックスソロが哀愁度マックスでなんて言っていいかわからないくらいです

Country John
熱いホーンセクションにブンブン唸るベースラインにシンセまで飛び出してくるファンクナンバー。最後にインタールードとしてSouthern nightsが流れます。

Basic lady
ニューオリンズらしいノベルティなソング。50年代や60年代前半のR&Bみたいなメロディやサックスと70年代らしいファンクグルーヴを違和感なくミックスしています。

Southern nights
Country JohnやBasic ladyの後半でちょっと流れた曲。時に大きくうねるように時に優しく包み込むようなラグタイム風のピアノとボコーダーをかけたような幻想的なボーカルが印象的な繊細なバラードナンバー。ベースギターの代わりにクラヴィネットを使っているのが面白いです。

You will not lose
Southern nights声と地声のコーラスが聴ける曲。ノベルティっぽいポップながらも不思議なグルーヴが印象的な一曲です。

What do you want the girl to do?
ロックにも通ずるサウンドのファンキーなソウルバラードナンバー。ボズスキャッグスやボニーレイットのカバーも有名です。

When the party’s over
重たく引きずるようなベースがかっこいい曲。あまり目立たなかったアートのオルガンがここではよく聞こえます。

Cruel way to go way
ほんのりサイケな超スローファンク。楽しいニューオリンズ音楽のリスニングパーティーの最後は怪しげなブードゥーの儀式に参加させられニューオリンズ音楽の虜になってしまい気づけば陽気なセカンドラインに合わせて無意識にノリノリになってしまうのでした。ある意味恐ろしい一枚です。