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Little Feat - Sailn’ Shoes(1972)

本作はリトルフィートの2枚目にしてラストアルバムになりかねなかった一枚です。このアルバムの録音後ベーシストのロイエストラーダがキャプテンビーフハートのバンドに入るため脱退(彼は今刑務所にいるそうです)。ローウェルジョージは元ラヴィンスプーンフルのジョンセバスチャン、元エヴァリーブラザーズのフィルエヴァリーとスーパーグループを結成する話も持ち上がりました。結局ケニーグラッドニーとサムクレイトン(ストーンズのギミーシェルターで有名なセッションシンガーのメアリークレイトンの兄弟です。)、ポールバレアの3人を迎えニューオリンズへの旅に出ることになります。(詳しくはリトルフィート物語に書かれています。前も言いましたが面白い本なのでリトルフィートが好きなら是非読んでみてください。ただ一個不満がセッションワークのエピソードがリンダロンシュタットとボニーレイットばっかりなこと。作者が2人のファンなんでしょうか?グレイフルデッドのプロデュースの話なんてもっと長く書いたっていい気がするし矢野顕子の録音に参加したエピソードはかなり面白いと思うのですが…)

メンバー
ローウェルジョージ:ギター、ボーカル
ビルペイン:キーボード、ボーカル
リッチーヘイワード:ドラム
ロイエストラーダ:ベース

Easy To Slip
LAロック(イーグルス)らしい爽快さとサザンロックの豪快さを上手にミックスした王道のアメリカンロックナンバー。

Cold, Cold, Cold
少しエコーがかかったドラムが印象的な豪快なロックナンバー。最後に出てくるハーモニカっぽいファズギターが印象的です。

Trouble
カントリー風のバラードナンバー。ローウェルのボーカルってどこか哀愁があってこういう曲にピッタリ合います

Tripe Face Boogie
ご機嫌なブギウギリズムが楽しい曲。ルーツロックをやっているリトルフィートですがこういうモロにブルーススタイルの曲って珍しい気がします。

Willn’
リトルフィートの代表曲ですね。この哀愁いっぱいのメロディと世間からズレたトラックドライバーの少し悲しい歌詞が印象的です。歌詞で出てくる地名のTucumcari(日本語だとトゥケムケリとかトゥクムケアリとかトゥーカムカーリとかはっきりしない)ってクリントイーストウッドの夕陽のガンマンの冒頭のこの列車はトゥーカムカーリには止まらないみたいなやりとりを思い出します。Wikipediaでは同じ町と書かれています。

A Apolitical Blues
Tripe Face Boogie以上にディープなブルースナンバー。めっちゃ渋くていいです。

Sailin’ Shoes
カントリーブルースやR&Bっぽい気だるいロックナンバー。ロバートパーマーのバージョンにもローウェルは参加しています。

Teenage Nervous Breakdown
リトルフィートらしくない元気いっぱいのロックンロールナンバー。なんて言ってるかわからないくらいの早口ボーカルも荒っぽく突っ走る演奏もリトルフィートらしくなくて面白いです。

Got No Shadow
気だるいブルースロックナンバー。イントロのスライドギターかシンセかわからない音が好きです。

Cat Fever
ブルーススタイルのコロコロ転がるピアノソロから始まるロックナンバー。ファットバックしたドラムがかっこいいです。

Taxes Rose Cafe
ドクタージョンとレオンラッセルを足して2で割ったみたいなピアノが印象的な豪快なルーツロックナンバー。後半はファンクやジャズの要素もミックスしたジャムです。リトルフィートはローウェルだけでなくビルペインも器用なミュージシャンです。

※ただいま以前公開したリトルフィートの記事を加筆するため下書きに戻しています。また近々再公開します。