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Weather report. S,T (1971)

マイルスがそうだったようにウェザーリポートもまたフリーすれすれの摩訶不思議なジャズロックを演奏しています。1番の違いはマイルスがファンクを重視していたのに対してウェザーが環境音楽を重視していたこと。例えるならマイルスは古代のアフリカからフルパワーで宇宙へ飛んでいき、ウェザーは初めから宇宙を漂い続けるようなサウンドです。

メンバー
ジョーザヴィヌル:アコースティックピアノ、エレピ、オルガン
ウェインショーター:ソプラノサックス
ミロスラフヴィトウス:エレベ、アコベ
アルフォンスムザーン:ドラム
アイアートモレイラ:パーカッション
バーバラバートン:パーカッション

Milky way
リズムやメロディのない環境音楽的な曲。宇宙を思わせる壮大で静謐なオルガンが美しい曲です。途中サックスをプッと鳴らしているのが面白いです

Umbrellas
同時期のマイルスを思わせるアグレッシブなリズムがかっこいいジャズロック寄りの曲。

Seventh arrow
地鳴りのようなベースの上にフリーすれすれのサックスが自由に鳴っている曲。ジョーのミニマルなエレピはクラフトワークっぽい気もします。

Orange lady
コズミックなキーボードが印象的な曲。サックスも牧歌的でIn a silent way の延長にあるようなタッチでリズムはアイアートの土着的なパーカッションを中心にほどよくファンキーなタッチです。

Morning lake
タイトル通り朝霧に包まれる湖が目に浮かぶ自然の美しさを表現したような曲。鳥の囀りのSEが印象的です。

Waterfall
Morning lakeと似たタッチの曲。ミニマルなエレピはキャノンボールのバンドでファンキーなリフを弾き、後のアルバムでシンセを弾き倒していた人と同じだということが不思議に思えてきます。

Tears
泣きのサックスとスタイルがコロコロ変わるリズムが印象的な曲。声はアルフォンスです。

Eurydice
グイグイ進むウォーキングベースとフリー寄りのサックスが印象的な曲。