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David T Walker - S,T (1973)

数々の曲で素晴らしいギタープレイを披露してきたギタリストのデイヴィッドTウォーカーのソロアルバムです。西海岸の腕利きミュージシャン達による演奏はニューソウル的でありながらもこの後のメロウソウルにも通じるサウンドです。

メンバー
ジョーサンプル、ジェリーピーターズ、ビリープレストン、クラレンスマクドナルド:キーボード
ポールハンフリー:ドラム
ウィルトンフェルダー:ベース
ボビーポーター:パーカッション
メアリークレイトン、ジムギルストラップ:ボーカル

Never can say goodbye
ジャクソン5のカバー。硬めのリズムに乗って歌うようにギターを弾いています。後半のストリングとコーラスのパートはマーヴィンゲイからの影響を感じます。ちなみにデイヴィッドはオリジナルバージョンでもギターを弾いています。

Loving you is sweeter than ever
フォートップスのバージョンが有名なスティービーワンダーの曲。ファンキーかつポップな前半からアドリブで弾き倒す構成は好きに演奏しているのが伝わってきます。

On Broadway
みんな大好きドリフターズのカバー。あまりアレンジを変えずオリジナルのボーカルをなぞるようなプレイですが流れを壊さずアドリブを入れてくるのはさすがです。男声コーラスが入るとワウを使ってチャカポコ弾いていますがどちらもかっこいいです。

I’ve never had a presure
ビリープレストンの書き下ろし曲。すぐにビリーだとわかるキーボードから始まりデイヴィッドはワウを使ったり使わなかったりしながら弾いています。(多重録音でリードとリズムを同時に弾いたりもしていますがワウを使ったリズムがめちゃくちゃかっこいいです)ビリーはオルガンとクラヴィネットの両方を弾き短いですがソロまで披露しているのでビリーとデイヴィッドのデュエットと言っても過言ではありません。

I beleve in music
ダニーハサウェイのバージョンが有名な曲。女声コーラスや歌うようなギターはゴスペルのようです。

I want talk to you
タイトなドラムをバックにネットリかつメロウにギターを弾いています。ストリングの使い方も甘い感じでアドリブの代わりにリードボーカルを付ければメロウソウルになりそうな一曲です。この曲に限らずですがワウのon,offがとってもうまくて曲の流れを切っていないのが細かいけどさすがだと思います。

Hot fun in the summer time
スライのカバーでオリジナルはサンキューのB面に収録されています。初めはエフェクターを使わずブルージーに弾いていますが中盤でワウをかけると速弾きのリズムギターをちょっとだけ弾いています。

Only love can break your heart
なんとニールヤングのカバーです。切なく悲しく歌うようなギターや切なくもメロウな伴奏はカントリー風の原曲をソウルに作り変えています。

What’s goin’ on
マーヴィンゲイのカバー。オリジナルでマーヴィンが自分のボーカルを重ねてコーラスを作ったようにデイヴィッドの歌うようなギターを重ねてギターコーラスをつくっています。多くのカバーがある曲ですがダニーハサウェイのバージョンと並んで最高のカバーだと思います。

The real T.
デイヴィッドのオリジナル曲。デイヴィッドTウォーカーといえばこういう音だよねっていうフレーズをこれでもかと入れた渾身の一曲です。