見出し画像

のりしろは伸び代


 濃厚に 人付き合いをした2週間でした。
滅多に 友達とも会わないので たのしかったです。

 そして、やはり少し疲れました。

この『楽しい』と『疲れ』は 別のものです。

・楽しかったけど 疲れた。
・疲れたけど 楽しかった。
には ならないのです。


 単純に 本当に楽しかったです。
単純に 疲れました。


それだけなのです。

 いろんなこころの収穫がありました。
このことは いつかまた 自分なりにまとめられるといいなぁ。


さて、今日は病院です。
自転車漕ぎました。
久しぶりに 坂道で 立ち漕ぎなんかしました。

まだ 立ち漕ぎできるのか、と 我ながら驚きです。いえーい。


 前回、美容院行った帰りに ホームセンターで見つけたかまきりさんを お引越しさせた山が近くにあります。


帰りに 見に寄ろう、と思いました。



今朝の空
すずめさん。
うちのさいとうすずこは 元気かな。


 診察終わって、かまきりさんに会いに行きます。
 いないとは思うけど もしかしたら いるかもしれないし。
 ここにいたんだなぁ、って 感じたいし。

そう思いながら
放した時の 嬉しそうなかまきりさんの姿を思い出しながら また急勾配の坂を 自転車、押して登ります。


芙蓉の花の中を まじまじと見てみました。
こうして見ると 柔らかな花びらに
包まれて、真ん中の雄しべや雌しべたちが
違う生きものみたいに見えて
きゅううう、っと
物凄い勢いの愛しさに襲われました。
かかか、かわいい。
かわいくて 強い。


 『祈り』という言葉が浮かんだ景色。


 かまきりさんを放したあの場所へ 少しわくわく、少し不安、そして、なんにも考えない、ということを 繰り返しながら そっと 足を踏み入れました。

 その前に 赤い星の形をしたルコウソウを探しましたが 今日はひとつも咲いていませんでした。


 あんなに元気そうに咲いていた野菊も 元気がありませんでした。

 ゆーっくり その場を見渡しました。

 やっぱりいないかぁ。

 ここで嬉しそうにしていたなぁ。


 帰るか。


でもなんだか まだ少し気になります。


かまきりさーん。
かまきりさーん。

いる?

かまきりさーん。



何度か 小さい声で 呼びかけました。




…あっ


 いました。
 足元に…。


 お別れした時とは まったく違う姿で…。
下に降りて つるに掴まったまま 動かなくなっていました。
 違うかまきりかもしれないですが、残念ですが きっとあのかまきりさんです。

 確認はできません。
でも きっとそうです。



 亡骸を 手に乗せて見ると、頭がなくなっていました。

 何かにやられたのかな。


 動きがスローなかまきりさんだったので もしかしたら ハリガネムシにやられていたのかもしれないです。


 自然のところより ホームセンターの園芸コーナーでいた方が 長生きできたのだろうか。

要らぬことをしたのだろうか…。


でも ここに放した時 とても気持ちよさそうな感じがしたんだけど…。


うーん…
生きることに手を貸すというのは こういう結末にも繋がるんだよなぁ…


かまきりさん、何がよかったかはわからなくてごめんね。

あの場所で 死んでたということは あの日に そうなったのかなぁ…

 胸が痛くなりました。


かまきりさん、ごめん。
勝手にポジティブに考えるけど ごめん。

わたしは 会えて嬉しくて
やっぱりこれからも すぐに踏まれそうだったり轢かれそうな場所だったら 他の虫も助けてしまうかもしれないです。

それによって こういう結末になってしまうということも これからは 考えるだろうけど。


 ごめんね。
 だけどね。

会えたこと ありがとう。


 いろんな方向から いろんなことを考えながら 帰りました。

枝に蝶がとまっています。


 
 自転車置いたところまで 少し降りるのですが その間 ずっとかまきりさんのことを考えていました。



!!!


自転車の籠に かまきりが。
偶然なのはわかりますが
ただの偶然のように思えませんでした。

かまきりの季節ですけどね。



 優しい登場で 泣きそうになりました。
だって このかまきりと言ったら…


  籠をよじ登ってきて
じっと見てくるんです(笑)
可愛い。
なんだよおおお。ふふふ。
『こんにちは』


 わたしが考えていたことわかったのかな(笑)
慰めてくれてるような気さえしました。


ありがとう、と言うと
手を伸ばしてきたんです。
びっくりです。


え、来る?


 手を差し出すと わたしの腕に登ってきました。

 それを写真に撮りたいのに なかなか撮れませんでした。

こんなのしか…
袖に掴まっています。

 

この後 翔んでいきました。
翔んで行った先も そんなに離れていなかったので 帰る前に見に行きました。


まだガン見されていました。
ははは。


何か言ってます。
これは ぜったい何か言ってます。


 嬉しかったし 有難かったです。


 死んでしまったかまきりさんに対しても 余計なことをしたと思うのをやめて、あれは、あれが あのかまきりさんとわたしの出会いだったのだ、と思うことにしました。

そして、考えたり、思うことは やめずに続けようと思っています。




 家の近所まで帰ってきた時、のんびりしているとらこに会いました。
自転車を止めて 挨拶です。


とらこは すぐ上で カァカァ鳴いているカラスを気にしていました。
このあと なでなでなでなで。
いい季節になったね。
またね。



 今日もいろんなことがありました。

 日常にある自然たちに、いろんなことを教えていただきました。


どんなに歳を重ねても、吸収することだらけです。
 時を経て 感じ方や見方も少し違ってきて、同じ景色も また奥行を感じるようになります。

人のこともそうで、
人間は苦手だと感じながらも 
避けすぎず、ときには 自ら ちゃんと見てみよう、と思うことで まったく違う角度から 感じられることがあります。


何に置いても
心や気持ちの 『のりしろ』部分を 大人になって持っておくのは 大事です。

のりしろ部分は 伸び代になります。

そう実感しています。


 むかしから 当てはめられることが好きではなかったので 苦手な人にも 自分なりに理解したくて 話しかけたりすることがあったのですが、それによって 知らない面を知ったりすることで 人を当てはめない、そして、自分も やはり当てはめられるようなものにはならないぞ、って 生きてきて よかったです。


 
 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?