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楽しかったドラクエウォークとお別れした話

位置情報ゲームが近年隆盛を極めている。
「イングレス」、「ポケモンGO」、「ドラクエウォーク」ときてこの秋からは「信長の野望 出陣」、「モンハンnow」が登場。
特にモンハンはPR戦略が奏功したのか売上もすこぶるよろしいそうだ。

僕は2021年の2月からガラケーという殻を破ってスマホに移行した。遅すぎる春。そのついでにはじめたのが、ドラクエウォークだった。
言うまでもなくスクエニの看板タイトル『ドラゴンクエスト』の世界観を下地にした位置ゲーで、これは今も多くのユーザーを抱えている大当たりアプリである。

が、先日思うところあってこのドラクエウォークをアンインストールした。
今日はこの理由についてつらつらと。

おもしろかったんだけど、通常のウォーキングだけでは対処しきれなくなったよ…

このドラクエウォークの遊び方についての説明は今更いいよね。
歩いて強くするっていうシンプルなゲーム性なんだけど、ここにアップデートを重ねてモンスターのこころを集めるようにしたり、ふくびき(ガチャね)で強い武器を揃えたり、職業を解禁していったりとコレクション要素も結構多かった。

近年ではさらにカジノでスロットだの麻雀だのができるようになって、ウォーキング以外でもやり込み要素は深まるばかりだった。

その上期間限定のイベントも多種多様で、やることをやりさえすれば限定アイテムや限定こころなんかが手に入る。
イベントごとにメガモンと呼ばれる、最大8人で挑めるエリアのレイドボスもいるし、そのメガモンのこころ集めも当初は楽しかった。

しかしいつからか、この終わりの見えないお祭り騒ぎに、ちょっとしんどみをおぼえるようになってきたのだ。

位置ゲーなので歩いて遊ぶことが是だったはずなのに、ここ最近はイベントは自宅でもどこでも歩かなくてもできるようなもののボリュームも増えてきたし、かと思えば数か月前にはドラクエ6のイベントが開始されたけど、これが普通に仕事をしたり家事をやったりして生活しているユーザーだと、ちょっと普通に歩くだけでは期間内にアレコレの要素を改修するには間に合わないような超特盛ボリューム。

取り逃し厳禁の限定こころも山ほどあり、さすがに閉口してしまった。
実はこの頃にはもう「そろそろこのアプリ、ただの万歩計として捉えちゃってるな」と思うようにはなっていた。

僕がはじめる以前から、地元の友人も2人ほどこのアプリで遊んでいたけど、1人は期間限定のメガモンをいくら倒してもこころがSにならないために一気にやる気を失い、ログインしなくなった。

もう1人は僕とその友人がドラクエウォークの話を一切しなくなったのを察してか話題に挙げなくなって、気づけば3人とも卒業していったのである。

最新章では雑魚にすら毎回先手を取られるのがストレスだった…

それこそちょっと前に新しいストーリーも解禁されたけど、この最新章から突然敵の全体的なすばやさの値が見直されたのか、直近で導入された雑魚モンスターのすばやさは、こちらのすばやさ特化の特級職であるニンジャに次ぐレベルになっていった。

雑魚敵相手にいちいちニンジャ以外が先手を取られるのも時間がかかるもので、これがウォーキング中になると強いストレスとなる。

というのも、移動中に敵のアイコンをタップして戦闘したり、つぼを割って回復したりという仕組みになっているドラクエウォークでは、雑魚戦はさっさとこなすに限るのだ。

これが最新章では今まで通りのペースをキープしていくのが難しくなり、手をこまねいていると運営がある武器をふくびきに追加する。
それは装備すると毎回の戦闘の冒頭で、パーティ全体にピオリム(すばやさを高める呪文)がかかるというバフ武器だった。

……元々問題のなかった戦闘環境だったはずなのに、ちょっと不便を強いてみて、それでプレイヤーに辛酸を舐めさせた後に救済となる武器を追加する。
これって今のインターネット環境にも似てる。
本来存在しなかった不要で下品な広告が次々にポップアップしたり、ところどころでスキップできない広告動画を見せられたり。

なんかそっち方面の「不便をおぼえたくなかったら課金してね」という方向性の舵切りを凄く露骨に感じてしまって。
それ以前にも既にゲーム中に広告が流れるようにもなっていて、ここで興ざめした人も多かったみたいだけど。

まあ、そんな感じで「さすがに雑魚との戦闘で毎回ストレスを強いられるのは違う」と思った僕は、ちょうどドラクエウォークがサービス開始から4週間というおめでたい時期に、アプリを削除することになったわけである。

でもドラクエウォークのおかげで間違いなく健康的にはなったぞ!

ここ最近はすっかり興冷めお見限りって感じだったドラクエウォーク。
恐らくもう二度とやることはないんだろうけど、しかし僕はこのアプリには相当感謝している。

というのも、外に出て歩くという習慣を身に着けることができたので、しっかりとそれは体重にも反映されているのだ。

2021年2月にプレイを開始した頃、僕の体重は71キロだった。
しかし生活習慣を一切変えず、ただこのアプリで遊んで歩いているだけで、今は体重が66キロと、何の努力もなく5キロ痩せている。

僕は今年39なので、代謝も相当落ちて太りやすくもなっている。
そんな中、ドラクエウォークは体重のこれ以上の増加を食い止めるだけでなく、何ならそこそこ時間をかけて減らしてさえくれたのだ。

これはドラクエウォークが、ある時期まではたしかに面白くて、それに夢中にさせてもらったから得られた健康的な副産物である。

今となっては本当に複雑な感情を抱くアプリになっちゃったけど、それでもドラクエウォークで遊んで良かったと思う。

ちなみに、ドラクエウォークで散歩癖がついてしまった僕は、現在別の位置ゲーの「信長の野望 出陣」をインストールしている。
どうせ散歩するなら、ついでにゲームもしたいという欲張りな男になってしまったのだ。

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