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産業保健のふりかえり ~2022年~

昨年1年のふりかえりをして楽しかったので今年も。
わたしの活動内容は主に3つあります。
①産業保健
②スナック月曜日の保健室
③Beingで生きるプロジェクトの運営

その中の①産業保健のお仕事のふりかえりです。
(他のも書きます…のつもり)

↓↓前回のふりかえりです。ちょっとテンションが違う。


公的機関のメンタル相談員

①概要

労働に関する公的機関のメンタル相談員です。
こちらの機関には、保健職がいない組織の方や、非常勤のためにサービス受給の対象とならない方、そもそも安定した就労(所属)が難しいといった労働者がまま訪れます。「すべての労働者に産業保健サービスを届けられていない」という現実を身をもって感じます。いつも公衆衛生と産業保健について考えさせられるお仕事です。

②大変だったこと

今年に限った大変さではないのですが、基本的に相談者は1回限りの利用です。初対面の方と限られた時間で関係をつくり、困りごとにお応えする難しさがあります。「ではまた次回」と言えたりその後の様子を確認できる組織内での活動とはだいぶ異なります。また多様な組織背景、労働背景があり産業や労使の構造について新たに学ぶことが多かったです。

③うれしかったこと

本来産業保健サービスを届けるべき方々に出会う機会を与えられていると思っています。相談者さんは大抵の方が仕事を休んで交通費を払ってわざわざ足を運んでいらっしゃいます。そんな方が来てよかったと仰ってくださったときは素直にうれしいです。うれしいというよりホッとすると言ったほうがぴったりですね。また、「自社の産業医も保健師の信用できないから」と言われたことがあります。立場が変われば私自身もそう思われている可能性があります。こういった辛辣に聞こえるほんとうの意見を聞くことができる機会があると思うとラッキーだなと心底感じます。
とはいえ、課題はあってまだまだ出来ることがあると思うので、先方から依頼がある限りは続けたいです。

④おまけ

とても薄謝です^^ 税金を使っているので値上げが難しいそう。
個人的には問題なく社会的意義を感じているのですが、本来はこういうことに適切な予算がかけられるといいなと思います。

⑤これから

基本的に受け身で秘匿性の高い活動です。とはいえ、こちらの経験は社会に還元できたほうがいいと思うので間接的に他の活動で活かしたいなと思っています。


事業所サポート

5事業所の契約を更新(予定も含む)

①概要

A社:リモートメインに変更し継続
  ・個別支援
  ・体制構築サポート
  ・研修など
今年はなんといっても新入社員研修にLGBTQを組み入れられたことと、それが他の社員研修や全社員向けセミナーにつながったことが1番うれしかったです。
   
B社:リモートメインに変更し継続
  ・体制構築サポート
  ・健康経営サポート
こちらは、小規模なので担当者さんを中心に運営できるようにしています。
健診事後措置は軌道に乗ってきたものの、地さんぽを利用したいときの勝手の悪さが残念でならない…。

C社:訪問(リモートは補助的に活用)
  ・個別支援
  ・復職支援体制検討サポート
安全衛生の専門領域の知識をもっている方がいて、こちらが学ばせてもらうことも多かったです。

D社:訪問
   ・個別支援
   ・体制構築サポート
「企業からは産業医像が見えない」という現実にぶちあたりました。(今も継続中)
つながりのある産業医にちょいと一肌脱いでもらいたいので、相談してみる予定です。フフッ

E社:訪問+リモート
  ・個別支援
  ・体制構築サポート(保留)
2021年に契約した企業です。少しずつ相談希望がふえてきました。
事業や働き方が独特で職場に出向くことができないので、理解のむずかしさがあります。それでも何かないかな?と思って彼らが受講する類の研修に参加してみました。おかげで後方支援として何が必要そうか?のヒントをもらえました。(研修そのものも楽しかった!)担当者さんが文化についても教えてくれるので助かってます。

②大変だったこと

・各社全く異なること…(当たり前だけど)
各社、契約の目的や期待する役割が異なります。特に保健師は産業医と異なり法令で定められていないので活動内容が明確に決まっていません。各企業の現状と、短期的/長期的な目的にあわせて変容していくものなので難しいです。
・産業医との連携
千差万別すぎる

③新しい取り組み(LBGTQ)

2022年の挑戦したとといえば、個人的にテーマであったLBGTQについて1社で研修を実施できたことです。

・きっかけ
とあるロータリークラブさんでLBGTQについて講話が可能か?という依頼でした。知っているつもりと他者に伝えるのとでは大違いですね。しかも対象は経営者さんです。彼らが働く人々へ与える影響はとても大きいです。文献や資料をあつめて学びはじめました。
これをきっかけに、産業保健職として「誰もが安心・安全に働けるように、もっている能力を発揮できるように」DE&Iの観点からもまずは性的マイノリティについて情報提供をしていこうと決めました。
行動の後押しになったのは産業医である K(@ktobitate)さんです!彼の姿勢とシェアしてくれる情報から沢山学んでます🐶

・はじめの一歩
新入社員研修でした。毎年担当させてもらっていた新入社員研修の中に性的マイノリティについても組み入れることについて提案して実施しました。
さらに、新入社員研修の一部紹介ということで、LBGTQとマジョリティのもつ特権について社内報で情報を共有しました。(見る人少ないけど…)

・急遽、追加
他にも担当していた研修に組み込みました。これは当初予定していなかったのですが、ちょっとした出来事があり急遽内容を追加して実施しました。
既存の研修に組み入れるということであれば、難易度はそんなに高くありません。やってよかったと感じるフィードバックを沢山もらいました。

・さいごは全社員へ
ちょうど全社的な研修企画をしていた担当者さんから打診がありました。
eラーニングでとのことでプロの法人が作成するようなものは不可能ですが、担当保健師として伝えられればと思いお受けしました。結果はまだわからないので、フィードバックを参考に次に活かしたいです。

④これから

・事業所サポート
事業としては安定しています。けれど他の事業とのバランスもあって同じ形式ではこれ以上増やせないと思っています。手伝ってくださる方を探したり、ご縁のある方におまかせするのがよさそうです。(関心のある方DMくださいw)
・DE&I、LBGTQの取り組み
継続して拡げていきたい!


学会系

1.日本公衆衛生看護学会 演題発表

産業保健職にとってメインとなる日本産業衛生学会の他に、日本公衆衛生学会とこちらの学会にも所属しています。とくにこちらは「公衆衛生」&「看護」ということで行政や学校保健、教育領域の看護職の視点があるので好きな学会。実践報告もOKなのでより現場に近い印象です。

①内容

「人事総務担当者のエンパワメントを通した治療と仕事の両立支援の推進について」実践報告としての抄録発表です。(本当の演題はもっと長い)

②大変だったこと

論文ではなく抄録なので大したことはないのですが、それでもわたしにとっては一苦労でした。実践の言語化と考察の能力の低さをのろいました。

③楽しかったこと

・抄録作成をサポートしてもらったこと
辛い×楽しい×辛いのサンドです。自分のできなさに辟易しながらも先生から飛んでくる問いや助言にう~う~唸りながら整理されていくのが楽しかったです。
・現地(仙台)に行けたこと
発表に関しては赴く必要は全くありません(笑)。
それでも仙台と聞いたら行きたくなりますよね。お世話になった方々にお会いできたのと、おいしいもの三昧だったのと、新しい出会いがあったので大満足です。(Twitterの方にも会えましたね^^)

④これから

脳のトレーニングは続けていないとダメですね。やはり1年に1回くらいは演題を出したほうがよいと思いました。


2.日本公衆衛生学会(山梨)🍇🍷🍑♨ 参加 

ただ参加しただけですー。
ただ参加するだけなら、集中できる場で画面がよく見えるオンラインで参加するのがベストだと思います。
それでも現地に赴くことの醍醐味は、
・現地ならではの熱感覚
・それによる学習モチベアップ
・偶発的な出会い(人とも知見とも)
・旅気分をあじわえる
だと思います!

ちなみに…
ここでの偶然の再会から、スナックに大御所様が来訪くださるという物語が生まれました。感無量。

学会はフェス
いつかのラジオでお話しをしましたが、学会はフェスと同じ。プロたちが集まっています。ステージがいくつもあってタイムテーブルがあってそこでお目当てさんをねらう。でも計画外のステージで新しい知見を得たり、人と出会う偶発性も楽しみのひとつです。フードもドリンクも土地のものを味わいますよね。
もちろん、普段出会えないプロ中のプロにご挨拶できるチャンスもあります。オンラインが普及した今だからこそリアルの価値は高まっていると思います。


3.COEDOH(産業保健オンラインコミュニティ) 

産業保健のオンラインコミュニティのお勉強フェスがありました。オンラインなのに、サテライト会場がいくつかあったので、普段お会いできない方々に会ってみたくて名古屋会場にのこのこ伺いました🚄。

わたしはあまり知的活動ができませんでしたが、出会いを楽しみにできる場ができたのが嬉しいです。

スナック活動

①概要
赤坂見附のスナックひきだしさんをおかりしてスナック月曜日の保健室という名前でママをしています。想定外なのですが、ありがたいことに産業保健領域の方が集まる酒場になりました。

②大変だったこと
毎週というのが正直大変です。(さぼりぐせがあるのと遠いので)
それでもお店に立ってしまうとコロッと忘れて楽しくなるものです。

③うれしかったこと
組織をこえて職種をこえて偶然その日にいあわせた人たちの交流がうまれる場になっているのがうれしいです。かつ、一生お話する機会はないよね?と思われる方もいらしてくださって受け身でありながら出会いがいただけるの最高。学会で惚れ惚れした方が来てくださったのも本当にうれしかった!!

④これから
属する場としてではなく、立ち寄るのも離れるのも自由なサードプレイスでありたいと思ってます。とはいえ、これからどうするか?未定です。
          

まとめ

産業保健のお仕事は安定して運営できていると思います。その中で感じた課題に小さな挑戦や調整をしている感じでしょうか。
2021年が外からのお声がげに巻き込まれながら挑戦させてもらったのに対して、2022年は今あるフィールドで貢献できる幅を広げたりこれからに向けての課題をうけとった感じです。あとはよく遊んだなという印象。
この仕事はやっぱり楽しくて、よく学びよく遊びました。
2023年はこれからに向けて事業を少しシフトしていくことになる予感です。どこでどなたとご一緒するのか?楽しみです。お力添えをどうぞよろしくお願いいたします。





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