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私が使っている水彩画を描くための道具をご紹介します。

自分の整理も兼ねて普段使っている道具の一部をご紹介します。
あまり役に立たないかもしれませんがよろしければご参考までに。


なお、あくまでも私個人が使った感想なので、皆さん方で色々と試してくださいね。

1・鉛筆等

 まず一番よく使うのが鉛筆です。
透明水彩描法では鉛筆などの線を強調した描き方や、下書きとして線を見せない描き方などがあります。

鉛筆は昔からある描画用の道具で手軽に使えて大変便利なものです。
水彩画の下書きのみならず、鉛筆だけでの作品も素適です。

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「鹿の角」鉛筆、色鉛筆

 私はスケッチなどでその線を生かした作品にすることが多いですが、その際に使用する道具として鉛筆などの仲間を多く使います。
 鉛筆の色は鉛色にひかり、深い味わいを感じます。

  今、所有している鉛筆は9H~9Bですが鉛筆で細密に描く時は5HからF
を、濃い部分ではBをよく使います。
スケッチで実際によく使うのはB~4Bです。

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 鉛筆とひとくくりに言っても多くの種類があり、例えば、色鉛筆(油性、水溶性)、グラファイトペンシル、コンテ鉛筆、鉛筆パステル等々その仲間は数が多いです。

写真左からグラファイトペンシル(ファーバーカステル社)、ダーマトグラフ(三菱鉛筆)、コンテ鉛筆 ピエールノアールペンシル(コンテ社)、ピットオイルベース(ファーバーカステル社)です。

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グラファイトペンシルは軸全部が鉛筆の芯でできています。
ダーマトグラフは紙で巻いてあって糸を引っ張ることによって紙が剥けて芯が出てくるので削る必要はほとんどありません。
油性で、数種類の色が販売されています。

コンテ鉛筆はコンテを鉛筆状にしてあるので手が汚れません。
ピットオイルベースは油性で色鉛筆のような感じです。


一般的な製図や描画用に使われる鉛筆では「三菱HI-UNI」「TONBO MONO100」以上が国産で「STAEDTLER MarsLumograph」「CASTELL9000」外国産があります。
これらは濃さの表示記号が同じものでも濃さが異なり、どちらかと言うと外国製のものが硬いです。

 下のグレースケールは三菱HI-UNIのBを使ったスケールです。
力加減で一本の鉛筆でも使い分けることが出来ます。

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その他の補助する道具として写真左下は擦筆、鉛筆を塗った個所をこすって調子を出します。

下段中央は電動消しゴム、その右はホルダー型の消しゴムで細かい部分を消すときに使います。
その右は練り消しゴムで消し屑がでません。
上部の板は字消し板で消したい部分にあてて消していきます。その他にテッシュも使っています。

画材店や文具店へ行くと多くの道具があり、選ぶのに迷いますがまた楽しみでもあります。

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2・ペン


耐水性のペンもよく使います。フェルトペンからゲルインクのサインペンなどで太さは色々です。

ペンを立てて使ったり、寝かせてペン先の腹でこするような表現も面白いです。フェルトペンは使っていくうちにペン先がつぶれてきて、かすれたいいタッチの表現ができます。そのままモノクロの作品としても、淡彩をかけても楽しめます。

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後で淡彩をかける時は耐水性のペンを選びます。
ペンの太さは同じ表示でもメーカーによって違いがあるので買って試すしかありません。

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上の写真は上から「PILOT DRAWING 水性」・「SAKURA MICRON PIGMA 水性」です。これらの水性のペンは耐水性ですが、インクの種類など条件によっては水を加えると若干にじむこともあるようなので注意が必要です。

また、ペンにパステルなどを併用して描いた作品などにフィキサチーフ(定着液)を掛けることがありますが、その場合にペンの線がにじじむ製品もあります。
事前に試してから使わないと残念な結果になります。

3・水彩絵具


絵具は一般的にはセット商品を買われると思います。
使っていくうち使わない色が出てきますし、他の人が使っている絵具を試したくなった時にバラで追加購入されたら良いと思います。
色は三原色(赤・青・黄)あれば多くの色を作れますが、なかなか混色で同じ色を作りだすのは難しいかもしれません。

スケッチで一番多く使う色は緑色だと思いますが、これは青と黄色での混色で作った方が自然に近い色になると思うので緑に関しては少ない方が良いと思います。

また、私は黒と白色の絵具を他の色と混色しては使いません。
使う時は単独で使うことの方が多いです。

透明水彩絵の具の国内メーカーではホルベイン社製のものがほとんどの画材店に置いてあります。


ホルベインの画材の販売店はホルベインオフィシャルウェブサイトで探せます。
それ以外にクサカベ、まっち絵具などのメーカーの製品もあります。
外国産ではウィンザー&ニュートンやシュミンケなどもありますが、国産品から比べるとやや高額です。

自分はホルベイン社の製品を中心に、クサカベ、ウインザー&ニュートンの製品を一部使っています。
写真は上段左からホルベイン社、クサカベ、ウインザー&ニュートン、まっち絵具でその隣は児童用のサクラマット水彩です。
下段はチューブの大きさが違うもので左のホルベイン社は15ml、その隣はクサカベで20mlの製品です。

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絵具の色名はメーカーによっていろいろな名前がありますが、下の写真のようにメーカーによって同じ名称の絵具でも微妙に色合いが違います。
これも試してみるのも面白いです。絵具の値段は同じ大きさのものでも色により違います。

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水彩絵具には透明とガッシュと呼ばれる不透明絵具があります。
この二つの違いは顔料とアラビヤゴムの比率の違いで下の色を被覆しやすいのが顔料の方が多い不透明絵具ですが、透明水彩絵の具の中にでも不透明色や半透明色があります。
購入の際にはカタログの中に記載されている記号を確かめて下さい。

不透明絵具は白色を使って明度(明るさ、白が一番明るい)を変えたり、厚塗りをして油彩画のような表現もできますが、透明絵具のように水で薄めて使うことも可能です。

なお、小学校などで使われている「さくらマット水彩」などは半透明として販売されています。
メーカーによると透明と不透明の中間で、小学生でも使いやすいように開発されたそうです。

 4・オイルパステル


ホルベインやサクラなどからアーチスト用のオイルパステルが販売されています。
これを使うと油彩画のような雰囲気の絵を作ることが出来ます。
オイルパステルを油彩用のペトロールで溶かしたり、またドライヤーで熱を加えて溶かしたりしてのばしながら描きます。

水彩画で鉛筆の代わりに下描きとして使ったり、水彩画の上に調子を付けたり自由に使うことも出来ます。
児童用のクレヨンでも結構使えます。

下の作品はオイルパステルで描いています。新聞の部分は水彩です。
隼人瓜 SM オイルパステル 水彩

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5・色鉛筆


私は主にFABER-CASTELLのPolychromos(下の写真の右から4番目・やや硬め)という製品を使っていますが、その他にもKARISMA COLOR (右から2番目・やややわらかめ))などや国産の製品ではHOLBEIN ARTIS COLORED PENCIL(右から3番目・やややわらかめ))など柔らかさや色相の違いで使いわけています。 

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使うのは細い線が必要だったり、粉っぽい雰囲気の絵肌が欲しかったりした時などで、あまり強く塗ると油性なので水彩をその上にかけられませんので最終的な仕上げの際が多いです。


当初は60本のセットを購入したのですが少しずつ買い求めてきて気が付いたら140本ほどになっていました。
色鉛筆は力を抜いて優しく塗らないと色の調子が出ません。また、塗りすぎるとすべって上に重ねられなくなるので水彩と同様に丁寧さが求められる画材です。

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油性の色鉛筆以外に水溶性の色鉛筆があります。


6・水彩紙


1番初めに書いておかなくてはいけなかった製品が水彩紙のことでした。紙選びは筆や絵具より大事だと私は思っています。

水彩紙は国産品から外国製のものまで多くの種類が販売されています。
どの製品がいいかは使ってみるのが一番わかりやすいのですが、初心者の方は当初はヴィファールという水彩紙がどの画材店にも置いてあり、比較的安価なので求めやすいかと思います。

ある程度描き慣れてきたら300g程度の厚みのある水彩紙をお使いになられることをお勧めします。
水彩紙には絵具の吸込みの違いで、絵具が乾いた後に濡れた筆などで剥ぎ取る技法が容易なものとそうでないものがあります。

4種類の水彩紙に絵具を塗って乾燥してから筆で濡らし、ティシュで剥ぎ取ってみました。
ウォーターフォード紙とアイビス紙は比較的残り、ワトソン紙とヴィファール紙は取れました。

どちらがいいと言うのではなく描法によって使い分けることになります。
また、すべて中目でヴィファールは242g、その他は300gの製品ですが水彩紙によって目の違いがあるのでこれも好みです。

左上がウォータフォードホワイトで時計回りにホワイトアイビス、ホワイトワトソン、ヴィファールの順です。
ちなみに私は大作ではウォーターフォードホワイト紙を愛用しています。
こちらもホルベイン社で購入できます。

画像87・パレット


 アルミ製の物が使い良いですが、最近は密封できる樹脂製のパレットも販売されています。
また固形絵具とパレットを一体化した携帯に便利な製品が各メーカーから販売されています。

 不透明水彩絵具向きのプラスチック製で1枚ものや、使用するたびにシートをめくって捨てられるアクリル絵具を使う時に便利な紙パレットもあります。

 戸外スケッチに便利なものとしてパレットと一体になった固形絵具タイプがあります。
コンパクトに折りたためるものから、一般的なパレットと同じ程度の大きさのものもあり、これらの絵具は入替ができるので色々試してみるのには重宝します。

下の写真はパレット一体型の固形絵具で左上がホルベイン社、他の二つがウィンザー&ニュートン社製です。

普段使っているチューブ入りの絵具をパレットに出して乾燥させて使うのもいいかと思います。
また、固形絵具を使い終わった後、その空いた容器にチューブ絵具を詰めて使うと固形の絵具より溶けやすく使いやすいです。

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上段左側がホルベイン、他はウインザー&ニュートン

8・筆

 丸筆、フィルバート、平筆、などの種類があります。できれば少し高いものを買われるのが良いと思います。穂先がまとまり使いやすいです。当初はナイロン筆から始められたらいいでしょう。

 まずは丸筆と平筆を各一本用意されたら良いでしょう。
 太さは号で表示されています。ちなみに私は写真のホルベイン社のブラックリセーブルシリーズを愛用しています。
 これは合成繊維毛に天然毛をブレンドした筆で、割とリーズナブルです。

 下の写真の右から2、3番目のフィルバートは丸、平の両方の用に使えるので便利です。また、SQシリーズ(写真左端)も使っています。これは穂先が細く水の含みが良いので一本持っていると重宝します。
 水彩用以外に日本画に使う筆でもよいでしょう(削用筆、彩色筆など)

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最近は画材店に行くと随分と新しい便利な道具が並べられています。
一度画材専門店をのぞいてみて下さい。良いストレス解消になるかもしれません。