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「ため息俳句番外」篇です。

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本編の「ため息俳句」には、ちょっと収まりそうもなかった試作的なもの、紀行文など、それと、自分の作品作りへの姿勢など、あれこれです。
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記事一覧

ため息俳句番外#37 春惚け

 今日は、鉄道で琵琶湖を一周した、琵琶湖線のとある駅から出発し、近江塩津まで行き、その駅…

水曜日の窓辺
1か月前
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ため息俳句番外#36 調べの快

 散歩中にふと短歌もどきが思い浮かんで、自分のことであるにびっくりした。  一応ここに残…

水曜日の窓辺
1か月前
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ため息俳句番外#35 ボッチ俳句の弁

 図書館で石寒太他「俳句って何?」(邑書林・刊)という便利本を見かけた。「他」と失礼した…

水曜日の窓辺
2か月前
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ため息俳句番外#34 「空茶」

 さて、昨年の一月にnoteという世の中の片隅にこそこそと店開きをしてから、一年有余経たわけ…

水曜日の窓辺
2か月前
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ため息俳句番外#33 「PERFECT DAYS」・「ホトトギス」・蛇のことなど・・・あれこれ…

〇 ヴィム・ヴェンダース監督が自作の「PERFECT DAYS」について、多くのことを語っている、そ…

水曜日の窓辺
3か月前
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ため息俳句番外#32 爺ィの詫び言

 時々、「お知らせ」でメダル獲得が伝えられる。行動心理療法の手法の一つトークンエコノミー…

水曜日の窓辺
3か月前
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ため息俳句番外#31  一年の終いの晩に 

 このブログを開始したのが、昨年一月十五日であった。  今夜は、年が改まって一月十四日である。  一年過ぎた。  初めての日の句。 寒の月バナナはひたすら待っている  今見返すと、何を言っておるのやらと思う。  でも、何かを期待していたんだな、多分・・・・あれだ。  今夜は、旧暦だと十二月四日、月は月齢3日、とはいえ、昨晩の月が三日月である、陰暦三日の月が三日月だから。つまり、三日月とは旧暦2日の夜の月で、月齢二日。つまり、最初に見える月ということで、新月と言われる。さ

ため息俳句番外#30 賀状

 石原八束の句である。 ひとひらの紅き賀状のみ卓に  桂信子はこうだ。 賀状うずたかしか…

水曜日の窓辺
4か月前
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ため息俳句番外#29 棘

 魚の小骨は喉に刺さるものだと思っていたら、右の手の人差し指にぴしっと刺さった。ちょっと…

水曜日の窓辺
4か月前
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ため息俳句番外#28 冬に至るとか

 昨日は冬至。  天気予報では、漸くに平年並みの晩秋の気温にもどりつつあるという。 今…

水曜日の窓辺
6か月前
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ため息俳句 金木犀

 まど・みちおさんは、1909年山口県徳山市で生まれた。亡くなったのは2014年2月28…

水曜日の窓辺
6か月前
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ため息俳句番外#26 「取り俳」

 夕べから雨が降っている。予報では一日雨であるという。  テレビは、小笠原、伊豆諸島、太…

水曜日の窓辺
7か月前
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ため息俳句番外#25 秋の夜に遊ぶ

静かな夜だ。 訃報来る。 なにやら、しきりに聞こえたような気がする。 星月夜夏に出会いし山…

水曜日の窓辺
7か月前
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ため息俳句番外#1  中島敦「放歌」

 中島敦は、教科書で「山月記」を読んで胸を突かれた。以来、ぽつりぽつりと読み進めてきた。  青空文庫にも収録されているのだが、その掲載作品の冒頭に「和歌ではない歌」がある。 その一部を、ここに挙げておこう。       中島敦『和歌でない歌』より「放歌」  自分は、もう年老いて覇気のかけらもないのであるが、33歳で激しい喘息に苦しみながら亡くなった中島敦という人のありようがしのばれるのである。