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ため息俳句 お茶にしよう


桜餅だけじゃ残念草餅も  空茶


 二週間ほど前、草餅を搗いた。
 畑の隅に、ヨモギを少し作っている。
 若葉がいい具合になったので、家内はたまらずに草餅と搗きましょうと。
搗くと云っても、キッチン家電の自動餅つき機でするのだから、大した手間ではないが、ヨモギの下こしらえが、いつもの餅つきよりひと手間ふえる。
ヨモギを茹でるのであるが、重曹と塩少々を投入する。発色がよくなるらしい。いよいよ沸騰してくると、ヨモギの煎じられる匂いが家中に広がる、狭い家ということもあろうが、漢方薬にならありそうなちょっときついものだ。
 そうしてこうしたで、搗きあがると、半分は板状にして保存、残りはきな粉をつけて頂く。
 これぞ春の味覚だ。
 と妻は言うが、自分はきな粉の味しか感じないのだ。
 とか何とかいうものの、全部食べてしまった。

 さて、今ほどのこと、畑から帰って一休みしたい、お茶を淹れておくれと云いたいが、妻は不在だ。自分で湯を沸かして、ようやく一服となった。確か桜餅のもらい物があったはずだと。ありました、が、これだけでは。ちょっと淋しいというわけあった。
 やはり、近日中にはもう一度草餅を搗こう。