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ため息俳句15 蝋梅

 あたかも名が、その人物の性質に通じるかのようなことを云う人がいる。    事に触れてよく口にされる「名は体を表す 」というのは、仏語の「名詮自性」からでたことばであるそうな。

 人から氏名を尋ねられて、それは漢字書きにすると、どんな文字で表記するかを答える際、自分はいつも気恥しく感じる。名は音である、訓読みに言い直さないと伝わらない、ために、その訓読みを口にするがいつも面はゆいのだ。

 蝋梅は、梅ではない。ではなぜそう名付けられたかというと、蝋梅の香りが、梅の香りに通ずるからということであろうか。しかし、花も似ているという人もいようが、質感が全く違う。香りだって、蝋梅の方が数段濃い。名は自分自身では選べない、悔しくないか。
 

   蝋梅や女体はうねる香かな