走る子供たち

学童選びはレストラン選びに似ている

おなかすいたね。なにか食べに行こうか。何食べたい? 予算は? 歩いて行ける? お店の雰囲気は? ネットで調べてみようか。そういえばあそこのお店がオススメってママ友が言ってたっけ。
この「レストラン選び」の要素は、学童選びのそれに似ている。

学童保育、いわゆる「学童」とは、共働き家庭の小学生の放課後の居場所のこと。レストランと同じで、いろーんな形態があるし、選択肢が多い地域と、そうでないところがある。

我が家周辺の学童事情は、以下のとおりだった。

まず、小学校内子どもの居場所「はまっこふれあいスクール」
次に、共働きの親が集まって運営している学童。
そして、鉄道会社が運営している民間学童。

共働きの親が集まって運営している学童は、たとえるなら、持ち込み自由のバーベキュー場のようなものだった。学童の行事であるキャンプや地域のお祭りへの出店などは、全部ぜーんぶ親がかりで負担が大きい。その代わり、親同士とっても仲良くなり、絆が深まるというメリットがある。それはまるで、材料を持ち込んで、みんなでわいわい、その代わり買い出しから後片付けまで、全部自分たちでやってねというバーベキュー場のようだった。
バーベキューに不慣れな我が家は、準備から後片付けまでという状況におじけづいて、早々にこの学童を選択肢から外してしまった。
 
小学校内子どもの居場所「はまっこふれあいスクール」は、夕方には閉店してしまうパン屋さんのようなものだった。利用料は年間500円と破格、でも18時には閉まってしまう。時短で働いているうちはギリギリ間に合うけど、フルタイムに戻した途端、お迎え時間に間に合わなくなる。
「はまっこ」は、基本的には子どもの自由遊びを見守る場で、数種類のパン・・・・・・じゃなくて遊びの中から子どもたちが自ら選択して過ごすスタイルだった。そのため、仲のいい友達がいないとつまらないと言って、早々に行かなくなってしまうという噂を耳にしていた。

鉄道会社が運営する民間学童は、ちょっと高級なレストランのようなものだった。週1回の英会話をはじめ、夏休みには遠足、お料理教室、工作など、多彩なプログラムを用意してくれていた。開所時間は19時まで、最大延長21時までで、フルタイムに戻しても、時折残業しても間に合うというありがたさ。その代わり、月謝が高かった。

我が家の希望は、パン屋さんでも、ちょっと高級なレストランでもなく、ごく普通の定食屋さん。パン屋さんより営業時間が長く、素朴だけど毎日食べても飽きない味、リーズナブルな価格・・・・・・。でもそんな定食屋さん的な学童は近所になかった。
ちょっと高級なレストランだけでは、毎月の出費が痛い。かといって、パン屋さんだけでは足りない。
というわけで、2つを併用することにした。

「はまっこ」も、民間学童も、利用開始前に、息子本人を連れて見学に行ったし、「はまっこ」にいたっては、「はまっこ体験」までさせてもらった。それでも、実際に利用してみて、心配していたことが、たいしたことなかったり、予想していなかったことが起きたりした。

・時間通りに移動できるか
放課後、「はまっこ」に1時間ほど滞在してから民間学童に徒歩で移動する形だったんだけど、時間通りに行くことができるかが、最大の心配事だった。
でも、「はまっこ」の職員さんが、時間になったら声をかけてくれていて、学童には時間通り通うことができた。

・おやつ問題
「はまっこ」ではおやつは出ない。
保育園時代は15時頃におやつを食べていたので、おなかすいちゃうのではと心配だった。でも、民間学童に移動してから、おやつを食べるスタイルで、大丈夫だった。

・延長をほとんど利用しなかった
いざというときは残業できるようにと、最大21時までの民間学童を選んだのだが、小4の夏までの在籍中、利用したのはほんの2、3回だった。
他に利用者がいなくて、先生と二人でぽつんと待つことになり、本人から19時には迎えにきてほしい、と言われたからだった。

・民間学童の警報基準が学校と同じ
小学校は暴風警報や大雪警報が出ると休校になる。「はまっこ」も同じ。そのこと自体、認識していなかったのだが、なんと、息子が通っていた民間学童も同じ基準だった。
加えて、小学校で学級閉鎖になると、そのクラスの子は、罹患していなくても、学童を利用できないルールだった。学級閉鎖ということは、保菌者かもしれないから、という理由なのは理解できるものの、暴風警報や学級閉鎖で、学校にも、学童にも行けないという事態が何度かあり、そのたびにファミリーサポートさんを頼っていた。

・二重管理
「はまっこ」と民間学童を併用にした時点で気づけよって話しなんだけど、スケジュール管理がふたつになったことで、特に夏休みが大変だった。
民間学童では、遠足やお料理教室、工作など、いろいろなイベントを催してくれていた。それに参加するために、「はまっこ」に行かない日や、時間が変わる日があり、その管理がね、地味に大変だった。

とまあ、いろいろあったけど、振り返ってみると、近所のパン屋さんと、ちょっと高級なレストランの併用で、充実した毎日を過ごすことができ、息子も我が家も成長することができた。
「ありがとうございました」 深々と頭を下げ、そう伝えたい。

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