煙探知機

ひとり留守番史上、最大のピンチ

それは、息子が小学3年生の冬のある日のことだった。

私が仕事を終えて息子をスイミングに迎えに行くと、
「ママ、いったん家に帰った?」と聞かれた。
「直接来たよ」と返事をすると、興奮した様子で、彼のマシンガントークが始まった。

「あのね、今日たいへんなことがあったの。火事っていうか、火事じゃないけど、それに近いこと!」

自宅マンションの別の部屋でボヤ騒ぎとかかなーと思って聞き続けると・・・・・・。

「あのね、冷凍のミニピザとナゲットがあったから、両方食べたらおいしいだろうな~と思って。ピザの袋に、4~5分って書いてあったから、電子レンジ600ワットであっためたら、ものすごく煙でて、見てみたら真っ黒で。
で、家の中じゅう煙だらけになっちゃったから、窓あけて、うちわであおいで煙を外に出して。
ピザも真っ黒でものすごく熱かったから、水かけて冷やした!!」

な、なにぃーーーーーーー?!

おそるおそる家に帰ると、煙はないものの、確かに家中、焦げ臭い。
テーブルの上にはお皿の上で無残な姿になったミニピザと、ミトン、その横に歯磨きコップが。

台所が煙だらけだったから、洗面所から水をくんできて、黒焦げのミニピザに水をかけて消火活動を行った模様。

「ミトン使ってもじんわり熱いのがわかるくらい熱かったよ!」と。

そしてそして、帰ってきた私をビックリさせないようにと、状況説明のメモ書きまでおいてあった。

火災報知器や熱探知機は作動しなかったようで、大事に至らず、ホッと胸をなで下ろした。

電子レンジを使って冷凍モノを温めて食べるのは、もうだいぶ前からやってるんだけど、こんなことは初めてで、本人もかなり焦っただろう。

原因は、加熱しすぎなんだけど、なぜそんなことになったのかというと・・・・・・

ピザの袋に
オープントースターで4~5分
電子レンジで1分
と書いてあり、説明書きをよく読んでいなかったみたい。

以前の私なら、ガンガンに叱っただろう。
どーしてこんなことしたの?!
あぶないでしょ!!
火事になったらどうするの?! って。

でも、そのときは、
この緊急事態に、自分の判断で、的確に対応したことを認め、
おかげで火事にならずに済んでよかったと素直に伝えることができた。

いやあ、それにしても、ひとり留守番歴約2年で、最もヒヤリとした出来事だった。あー、びっくりした。


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