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自業自得って言葉、嫌いなのよ

心鏡の湖です。今日はちょっとした言葉の綾について。

中学時代に嫌いだった人から言われた「自業自得」という言葉。なんか嫌いだなあと思い、つい最近も「自業自得」という言葉を見かけました。すごい悪意のある言葉だと感じたことはありませんか? 実際、悪意のある言葉なんですよ、これ。

こういう意味になっています。

自ら行った行為報いは自分自身が受ける。とくに悪事を行った者がその報いを受けるのは当然であることをいう。

ことわざを知る辞典

〘名〙 仏語。自ら行なった行為はその報いを自分の身に受けなければならないということ。また一般に、自分の行為の結果を自分の身が受けること。自業自縛

精選版 日本国語大辞典

仏教用語。みずから行なった善悪の行為によって,本人自身がその報いを受けること。よい行為によってよい結果がその本人に生じ,悪い行為によって悪い結果がその本人に生じること。転じて,自分のしでかしたことだから悪い報いを得てもやむをえないということ。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

仏語。自分の行為の報いを自分自身が受けること。一般に、悪業の報いを受けることにいう。自業自縛。

小学館

類語に「因果応報」、最近では「ブーメラン」とも言いますよね。本来は良い行為(善行)に関しても使われる言葉です。ですが、自業自得という言葉が用いられるときは、もっぱら、悪い行為の報いを受けたときに用いられることが大半です。そのため、自業自得や因果応報と聞くと、悪い印象を受けやすいのです。客観的に言われたつもりでも、主観が混ざっているような気がして不快感があるんですね。

愛語の観点からいえば、自業自得という言葉を相手に発言するのは適切ではありません。慈しみの心があるならば、思っても口に出すべきではありませんし、教え諭すにしても、自業自得という言葉を用いず、「自業自得といえる事象」を述べるだけに留めたいものです。


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