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#203 ヤモード・アッサカイ【後編】~地引き網から世界平和を妄想する~


「やもーど(たくさん)あっさかい(あるから)とんに(取りに)こざんせー(いらっしゃい)」と言った母の声が私に書かせたのが昨日の記事でした。
今日はその話し(↓)の続きになります。



「たくさんあるから取りにおいで」と複数の人に言えた我が家の状況が、実はとても豊かだったということを思わされました。

昨日も書いた通り、私の育った家は裕福とは程遠かったのですが、祖父が趣味で釣り船を持っていました。まあ趣味というよりは(職業とは呼ばない)実益のためですが、おかげで新鮮な日本海の魚という恩恵をも受けていました。

祖父の釣り船は船から釣り糸を垂れるというより、地引き網を仕掛けるために沖へ出るものでした。夕方になると数人の男たちに声が掛かり、仕掛けた地引き網の縄を、皆なで引き上げるのです。
海岸の散歩に来ていた人も状況を知って集まってきます。
もちろん女性でも子どもでも誰でもいいのです。縄を触った人は、必ず、揚がった魚を分配してもらえます。「せーや、せーや」だったか「よいしょよいしょ」だったか、掛け声に合わせていたと思います。
皆なが汗だくになって引いていました。
あの頃は考えたこともなかったけれど、重ければ重いほど頑張り甲斐があり、団結力も高まったのではないでしょうか。それだけたくさんの魚が捕れたということなのですから。


運動会のつな引きを思い出しました。あれは競技としては成立しているけれど、なんて生産性のない力の使い方だろうか、と。翌日筋肉痛になったりするくらいなのだから、ひとりひとりが持てる力を出し切るわけです。
日本では学校の運動会で子どもたちがつな引きをしますが、ヨーロッパでもいろんな国の地域の催しの際に目にしました。大人たちが真剣につなを引き合います。

コノエミズは考えました。
このゲームに費やすエネルギーを逆方向から相殺するのでなく、一方向に引いて、電力を多く生産したほうが勝ち、なんていう使い方ができないのかしら‥‥と。

世界中にあるであろう、このつな引き(タッグ・オブ・ウォー=Tug-of-war)が、あの地引き網を引っ張った時のように嬉しい結果をもたらすものであったならば‥‥

つな引きをするのは皆が集まって楽しむ場所ですよね。もしもつなを引いて起こしたエネルギー量を数字で顕せるなら、世界ギネスブックのように記録を更新するのでなく、どんどん登録して足していくというのはどうでしょうか。
勝った負けたで盛り上がる代わりに、例えば何㎾の電力を作ったぞ、バンザ~イ\(^o^)/という喜び方もあると思うのです。
皆なで力を合わせたらこうなった、というのが一番大切なんじゃないかと思います。敵対チームがなく、皆なの一体感が生まれる方が後味もいいですし。
もれなく登録していったら、人力でこんなにエネルギーができたという実績を世界中で共有できる気がしませんか?しかも楽しい催しの中のアトラクションなので、良い思い出とも結びつくはずです。

なんだか『すごくいいこと考えちゃった』と一人で悦に入っています。

私の妄想内では、Tug-of-warという名前も改定しています。だって「War=戦争」なのですよ。
新名称は、Tug-for-peace(平和のための奮闘)に決定いたしました。
皆皆さま、寄ってらっしゃい引いてらっしゃい!

人の力と分かち合いたい気持ちは世界共通な気がしていて、
ヤモード・アッサカイ!



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