スランプの正体

どんな分野であれある一定以上の能力とそれによる結果を求めるなら、
大抵の人はどこかの段階でなかなか現状を突破できない壁にぶつかり、
もどかしい思いをすることが少なからずあると思う。

つまりはスランプに陥るということですが精神的に大きな負荷がかかり、
時に自分には才能がないなどと諦めてしまうこともあるかもしれません。

ですが、スランプは向上心がある人なら大抵必ず陥るものであり、
むしろスランプに陥ったということは人間的な成長を示しています。

と言うのも、そもそもスランプとはそれまで感覚的に発揮していた、
ある一定の能力、引いてはその結果を自発的に乗り越えようと、
意識的に考え試行錯誤し始めたことの証拠だからです。

人間は基本的に無意識への積み重ねとプログラムで能力を発揮する。

あることをしたい、例えば歩きたいと考えたのであれば、
歩くための体の使い方を覚えるために時に何度も失敗しながら、
その経験を無意識へと積み重ね徐々に改善していく。

改善されある一定の結果、歩くならば歩けるようになる感覚を、
無意識内に1つのプログラムとして確立することで、
以降は意識せずとも一定の能力を発揮することが可能になる。

で、あることにはそれぞれ難易度が存在します。

感覚的に経験を積み重ね簡単にできるようになること、
先の歩くことであれば幼少期にはほとんどの人が、
特に何も考えずとも経験を積み歩けるようになるでしょう。

逆にただ漫然と積み重ねるだけではできないこともあります。

才能があると呼ばれるような人はこの感覚的な積み重ねにより、
比較的簡単(に見えるよう)に無意識にプログラムを確立し、
大きな結果を出すことができるような人だと考えられる。

また守破離の守というのはつまり歴史として積み重ねられてきたもの、
一定の普遍化されたものをプラグラムとしてインストールすることで、
ある能力とそれによる結果を目指すためのものだと言えます。

そしてスランプに陥るとはこの感覚的な積み重ねや、
歴史的な積み重ねとして普遍化されたものだけでは、
現状の自分を乗り越えられない時。

あるいは相対的な結果を出せないような状況に置かれた時、
意識的に、能動的に考え何かを積み重ねていく状況の事を言います。

ようは自分の感覚的な才能の限界値に到達したことで、
新たな世界へ一歩踏み出したことを意味するのです。

そして、その新たな世界は分野にもよりますが多くの場合、
感覚的な才能とは違い無限とも思える広がりを見せる。

試行錯誤と積み重ね、プログラム次第でいくらでも既存の壁を壊し、
新しい何かを見出し大きな結果につなげることもできるのです。

ただ、大抵の人にとって意識を能動的にフル活用することは、
はじめての試みであり故に最初のうちは難しく消耗が激しい。

しかし意識は特徴を把握し適切に管理し訓練を積んでいけば、
誰であれ能動的に力をつけていくことができる。

そこに感覚的な才能はないとは言いませんが大抵の人にとっては、
そこまで大きな差がない、純粋に正しい積み重ねの世界です。

とは言え現実には感覚的な才能の差というものが厳然としてある。

その限界値の大きさには差がありある人が10で止まってしまう時、
才能ある人は100まで感覚的に到達できてしまうかもしれない。

スポーツなど体を使う分野であれば生来的な特徴によって、
更に大きな差が生まれることもあるでしょう。

そういう差を覆すことに労力をかけることを無駄だと思う、
使用する労力とそれによって得られる可能性を秤にかけて、
諦めたほうが良いと完全に納得できるのであれば。

新たな道を模索することも1つの道です。

しかし、もしスランプに陥った段階で自分にはそれ以上を望めない、
まったく才能がなくその先はないと感じるのであればそれは違う。

正確には才能はその時点で限界値に到達したかもしれない、
だけどその先を見出す可能性は決してゼロではない。

意識という能動的な力を扱う段階へと到達したことが、
先に話したように大抵の人にとってはじめての試みであり、
故に積み重ねや確立したプログラムが少ないため。

その時点では思うように先を見いだせてないだけのことなのです。

そこでぐっとこらえて意識的な試行錯誤の積み重ねを増やし、
徐々に自分の無意識に自分だけの独自の積み重ねを作り、
プログラムとして確立していくことで。

それまでにない能力を身につけ結果を引き寄せる可能性を生むのですね。

それでも確実にそれが結果に結びつくと断言できることはそうない、
特に相対的な結果を求めるなら相手の才能や意識的な積み重ね次第で、
自分ではどうやっても追いつけないという場合も当然あるでしょう。

それでも、それはやり切ったからこそわかることであり、
スランプに陥った段階で見切りをつけるのは早すぎると個人的には思う。

スランプという壁にぶつかった途端に早々に諦めることを繰り返せば、
いつまでも意識的な能力が磨かれず才能等の限界から抜け出せない。

ですが、どんな分野であれスランプを突破し自分の限界を引き上げれば、
そのために磨かれた意識的な力は別の分野でも大いに力を発揮する。

仮にある分野で限界を引き上げそれが思うような結果に繋がらずとも、
新しく歩みはじめた道をよりうまく歩けるようになるでしょう。

それが才能と噛み合った時には大きな結果を出すこともできる。

なのでスランプに陥ったら結果はどうなろうとむしろチャンスと考え、
試行錯誤を繰り返す経験をどこかで一度はしてみると良いと思う。

それは必ずその後の人生を歩む大きな力になるはずです。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。

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