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ニーチェ「悲劇の誕生」と現代人

ニーチェの『悲劇の誕生』は、古代ギリシャの悲劇について考察した哲学です。本書では、悲劇がどのようにして生まれたのか、その背後にある文化的・心理的背景を分析し、悲劇が現代社会にもたらす価値や意義について論じています。

古代ギリシャの悲劇は、神話や伝説を元にした物語を、演劇として舞台上で演じるものでした。それは、人間の苦悩や痛み、死に直面したときに生まれる激しい感情を表現するためのものでした。しかし、悲劇が生まれた当時の社会には、人間が自らの運命を自由に選ぶことができるという考え方は存在していませんでした。むしろ、神や宿命によって人間の運命が決められていると考えられていたのです。

ニーチェは、悲劇の誕生にはこのような背景があることを指摘し、悲劇が人間の運命と向き合うための手段であったと主張します。そして、現代社会においても、悲劇が重要な意味を持ち続けていると考えています。ニーチェは、現代社会においても人間は苦悩や痛みに直面し、それに対して向き合う必要があると主張し、その際に悲劇が大きな役割を果たすと述べています。

このように、ニーチェの『悲劇の誕生』は、古代ギリシャの悲劇についての分析を通じて、現代社会における人間の存在や苦悩について考えさせる、重要な哲学書となっています。

ニーチェは、悲劇が現代社会でも重要な役割を果たすことができると主張しました。彼にとっての悲劇とは、人生における苦悩や痛み、死などの運命的な出来事に直面する人間が、それらに対して向き合い、自分自身の意志でそれらを克服することであると考えました。このような悲劇的な体験を通じて、人間は自己超越を達成し、より強く、より自由な存在になることができると考えたのです。

この悲劇の誕生におけるニーチェの主張を私は全面的に支持しています。
人間というのは、彼のいうように人生における苦悩や痛み、死などの運命的な出来事に直面し、それらに対峙しなくてはいけないと考えています。

ここで生まれる葛藤や苦しみ、悲劇、これこそが、私たち人間を精神的により高みへと昇らせてくれるという事は確かなことだと思います。

私の行うセルフマネジメントにおいても、やることはニーチェのいうこの悲劇を個人に体験させることから始めます。

自分の持つ悲劇、これに正対することなく自分の人生が変わることはないからです。苦しくてたまらない、どうにもならない、そうした藁にもすがる苦しみ、心の痛み、それらに真正面から向き合う力がなければ、人は真に変化することなどできません。

人間という種はとても巧みな存在であり、脳が進化すればするほどに、いかにしてこの自分にかかるストレスを失くすか?感じさせないようにするか?を考えます。

自分にとって都合の悪いことはとにかく全力で回避するルートを見つけます。そして楽な方へ、楽な方へと足を向けていきます。わたしたちの持つ脳とは実に巧妙です。

私たちは今こそ、ニーチェが語った悲劇、これを自身の中に取り戻すべきだと考えています。これだけがとは言いませんが、私たち個人の変容を考えた時には、この悲劇を個人が体験するという事は最も重要な要素になると考えています。

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