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トンニャン最終章#15 フェアリー  リジュ

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「サルガタナスの巻」の次、「リジュの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「あれは、アルテミスか?」
「アルテミス?おまえの妹のアルテミスだって?」
「ベールゼブブ、とぼけるな。あの清らかな妹をそそのかし、アナトと名前を変えさせた異教の神バアル。さらに、アスタロト、ベールゼブブと名を替えて、天上界に帰ってきておいて、知らぬふりか?」
「アナト?バアル?神だと?何を言っている?」
「記憶が無いというのは本当だったのか。」
 
 *******
「・・・アポロン様?」
アポロンは振り返った。
「ブラックエンジェル」
「あ~~~~!!!!!」
ブラックエンジェルは頭を抱えて、またがった大きな鳥の上で激痛にのたうち回った。
 
アポロンは、ブラックエンジェルを抱きしめるように、その身体を支えた。
「コーラのヒーリングと同じ?」
「思い出さなくていい。思い出せば、苦しくなる。ブラックエンジェル。よく、コーラを育ててくれたね。ありがとう」
「アポロン様」
また、激痛が襲いかかる。
「だから、思い出さなく良い。思い出せないようにされてるんだ。思い出せば、もっと苦しむことになる」
 
 *********

「アポロン?ブラックエンジェル?」
 
―――――――アスタロト・アナト・アルテミス
 
「ベールゼブブ、アポロンを恨まないで。愛しているわ、男はあなたしか愛さない」
 
「アスタロト!?」
 
バアル・・・おれの名前が?
アナト・・・アスタロトの名前?
・・・・アルテミス 月の女神。

 
「アポロン、何故ここにいる?俺たちを堕とし入れておいて、何をしている?」
アポロンは、ゆっくり振り向き、ベールゼブブを凝視した。
「思い出したのか?だが、勘違いするな。わたしは、おまえたちを堕とし入れてなどいない。
異教の神であるバアルが、天上界に天使になりすまし現れた。いずれ、パワーズ(能天使)に見つかるのは、当然。それより、何故アルテミスを道ずれにした?名前をアナトからアスタロトに替えさせてまで、天上界に戻る必要があったのか?」

「それは、アスタロトが・・・」
帰りたがった。生まれた世界に。
 
ベールゼブブは、もう一度遠くにいるアスタロトを見つめた。
 
二〇一二年平成二四年七月五日(木)朝方〇時三〇分

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#15 フェアリー  リジュ

※この物語はフィクションであり、登場する人物、設定、全て架空のものです。
また、特定の宗教とは全く関係のない、完全フィクションです。

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https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#16 大天使ガブリエルへ続く
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前回トンニャン最終章#14 リジュはこちらから
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