3.11当日

一旦　おさまった地震だったが、すぐに余震が来た。
短い間隔で余震が起こるので、家の中には戻れない。
雪が降って来た。

地震前からちらついていたが、地震が酷くなるごと、回数を重ねるごとに雪が酷くなってゆく。
庭に降り積もる雪、出かけるためのジャンパーを着てたが、体の芯から冷えて来た。
しかし、家の中に入れるほど、まだ地震が落ちついていない。

浅海は、今までの震災体験から、ライフラインが切断されるとともに、携帯が混線して通じなくなることも予想できた。
余震と余震の間に、夫と子供たちにメールをした。
宮城県だけが、大地震だったと信じて。

後になって考えると、たまたま自宅が山間部に住んでいたから助かった。
非常時のラジオがない浅海の家では、電気が通じるまで全く情報が無かった。
もし、海辺に住んでいたら、津波警報も知らずに流されていたかもしれない。

ラジオと、そして　携帯ガスコンロが無かったため、たいていの人が出来ることが出来なかったのだ。
まだ　地震のさ中、三人の子供たちからは、すぐメールがきて、無事が確認された。

夫と、実家の両親の消息が、解からなかった。
かなり落ち着いてくると、浅海は物が散乱している家に入った。
スリッパを履いて、明るいうちに掃除をしなければならなかった。
案の定、電気ガス水道。電話も、全て消えていた。

２０１１年７月２日（土）
続く

エンドレスヒールⅡ-3.11　＃32あさみの場合

私は泣いていない。理屈で理解しても、感情では納得していない。
私はもう一生、大丈夫にもならないし、落ち着くこともないだろう

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