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トンニャン#53(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
「クビドリオールの巻」のような意。話の位置は前回の「ラファエルの巻」の次。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「チェリーがウェヌス様の庭で作ったハーブを時々もらってきてね。最近は行ってないけど、たくさんあったから持ってきた」
この球体は、まるで一軒の家のように何でもそろっている。小さなキッチンも付いているのだ。
 

「ウェヌス様?自分の母親を様付けかよ」
「天上界では普通の事だ。自分より上級天使は、たとえ親でも親とは呼べない」
「じゃあ、ミカエルの事も?」
「ミカエル様と呼んでるよ。そういえば、ミカエル様が、リオールがルシファーの事を父上と呼んでいた事を気にしていたな」
「父上は父上、母上は母上だよ」

「リリスの血が一滴も入ってなくてもか?」
「母親には違いないだろう。本人は息子だと信じてるし、それに生んでくれたのは間違いないからな」
「リオールは、幸せだな」
リオールはけげんそうな顔をした。クビドの顔が曇ったように見えたからだ。
 

「な、気になってたんだけど、クビドはウェヌスの血が入ってるのかな?」
「わからない」
「聞いてないのか?」
「ミカエル様に、おまえと会ってる事を黙ってる以上聞けないよ」
「そうか。でも俺が父上ひとりの子なら、おまえもウェヌスの血が入ってない、と考えないと、俺達が対の天使である説明がつかないな。」

「あぁ、それと・・・何故ルシファーとミカエル様は、わたし達を作ったのか、その理由もよくわからない」
「そうだな。父上とミカエルは、双子で対の天使。思考が似てるのかな?」
「大天使と大魔王でか?だいたい、ルシファーを堕としたのは、ミカエル様だぞ。ミカエル様の剣で翼を傷つけられたルシファーは、その傷がもとで堕ちたんだ」
「知ってるけど」
リオールは腕組みしながら、首をかしげている。

 
「ほら、カモミールさめるぞ」
クビドに言われて、リオールは天上界で作られたカモミールを口にした。
「へぇ。いい香りだな」
「だろ?チェリーは本当はレモングラスが好きなんだけど、わたしが好きなカモミールは、必ず用意してくれているんだ」
「のろけてんのかよ?」
「別に」

「コーラも自分の城の庭でハーブを作ってたな」
「ミントか?」
「なんで知ってんだよ?」
「チェリーが言ってた。コーラはミントが、トンニャンはラベンダーが好きだったって」
「そういえば、そんな話、俺もコーラから聞いたかもしれない」
二人はカモミールティーを飲みながら、ほっと息をついた。

 
「サーティの事だけど」
「あぁ。神々の間でも、姉や妹と結婚するのは珍しい事ではない。つりあいの取れる相手がいない場合は不思議な話ではないな」

続く
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン#53(番外編)クビドとリオール(ちょっとBL苦手な方はスルーで)

※トンニャンシリーズの「〇〇の巻」noteなら、ほぼ五回。
これから時間のある時に、一挙に五話アップします。
たまにしかアップできないので、お時間のある時、ゆっくり一話ずつ読んでくださると嬉しいです。

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

※トンニャンが全部読めるマガジンはこちら
https://note.com/mizukiasuka/m/mf04f309d9dfc

次回トンニャン#54クビドとリオールへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n32a8907901c4

前回トンニャン#52 クビドリオールはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/nd2e46df80f09

最初からトンニャン#1は
https://note.com/mizukiasuka/n/n2fc47081fc46

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