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詩 二本目の木 涙の後悔


三本目の木が とうとう倒れた


ずっと太陽にも浴びさせてもらえず

雨水も飲ませてもらえず

痩せ細り 枯れ果てた 三本目の木

雨水飲ませてってお願いしても 

どの木も飲ませなかった

お日様にも浴びせなかった

一本目の木は 知らんぷり

四本目の木も 知らんぷり

どの木も 三本目のお世話になっていたのに


二本目の木は せめて雨水だけでもと

三本目の木に 分けようとしたが

すでに 倒れていた ひっそりと

みんなのために 酸素を出し続けた 三本目の木

三本目の木は 一生懸命 酸素を出していた

どんなに苦しくても

枯れても 倒れても

二本目の木だけが 泣いた

後悔の涙

もっと早く 雨水をやっていたら

もっと早く お日様の光を浴びていたら

枯れ果て 倒れて 運ばれてゆく 三本目の木

三本目の木は 燃やされた

三本目の木の魂は 暖かい花畑を 眺めていた

そこには お父さんの木 お母さんの木が 並んでいた

三本目の木は その間に横になって 眠りについた

永遠に

暖かい光と 優しい雨が ふりはじめた


※ 後悔先に立たず




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