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夏の思い出(詩)

縁側で風鈴の音が鳴る
透明な冷たい風が和室の中を通り過ぎていく

エアコンもない和室でおばあちゃんが冷えたスイカをお盆にのせて持ってくる
僕たちは汗をかきながらもスイカにかぶりつく
黒い種は飛び散り
赤い果汁が顎を伝わって畳に落ちる

食べ終わると
僕らは網と虫かごを手に外へ飛び出す
ミンミンゼミの声がすぐ近くから聞こえる
シオカラトンボがお花畑をスーッと横切る
僕らは時間を忘れて虫たちを追い回す

田舎の夕暮れは早い
僕らはおばあちゃんの家に戻り
五右衛門風呂に入る
まるで異次元の世界に来たみたい

今でも懐かしい田舎の風景

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