水木三甫

幻冬舎メディアコンサルティングより『「本当の自分」殺人事件』(電子書籍)を発売中。Am…

水木三甫

幻冬舎メディアコンサルティングより『「本当の自分」殺人事件』(電子書籍)を発売中。Amazon、楽天市場にはまだ文庫本の在庫もわずかにあります。ぜひ読んで感想をください。2冊目の本を出すことも決まりました。さらに長編小説にも挑戦しています。 最近は美術館巡りにはまっています。

マガジン

  • 水木三甫の短編小説よりも短い作り話

    自著の超短編小説(ショート・ショート)をまとめました。 ユーモアあり、ブラックあり、ほのぼのあり、ホラーらしきものあり、童話らしきものあり、皮肉めいたものあり、オチのあるものありなどなど、タイプの異なった小説を揃えました。これからもいろいろなタイプのショート・ショートを書いていきますので、ぜひ読んでみてください。

  • 水木三甫の心葉♡♧詩集

    心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを書いていただけると、モチベーションも高くなりますので、なにとぞよろしくお願いします。 なお、「心葉」を辞書で引くと、別の説明が載っていますが、僕は「心葉」を「自分の思いを、自分以外の人に、伝えるために形にして表した言葉」という意味を勝手につけて使用しています。 もともと詩は小説を書くための表現力を磨くために作り始めました。小説と比べてストレートに自分の思いを伝えることができる点、詩を書くという行為自体が楽しくなりました。 蛇足ですが、♡♧=心葉と読んでください。 では、みなさん、よろしくお願いします。

  • 日曜美術館を見て

    『日曜美術館』を見た感想を綴ります。美術に興味を持ち始めたのは、ほんの最近ですが、素人ならではの新しい切り口で語れればいいかなと思っています。

  • 『7つの習慣』を読んで

    『7つの習慣』を読んで、気になった文章を自分の人生と照らし合わせてみました。

  • 時間にまつわる物語 番外編

    時間にまつわる不思議な物語。ひとつひとつがショート・ショートになっていますので、どこから読んでも大丈夫です。 「『本当の自分』殺人事件」の中の「時間にまつわる物語」の番外編です。

最近の記事

  • 固定された記事

「本当の自分」殺人事件 発売中

    • 江國香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』読了

      久しぶりの江國作品。題名に惹かれて購入。相変わらず五感の描写が素敵だ。 過去を引きずり、今を引きずりながらも、満たされた生活を送っている女性たち。切なくもあり儚くもありながら、それでも幸せを感じている女性たち。人生いろいろ。

      • 村田沙耶香『となりの脳世界』読了

        以前に、今一番頭の中が見たいのは村田沙耶香さんだと書きました。この本を読めば村田沙耶香さんの頭の中が見られると期待し、一気に読み終えました。 頭蓋骨を開けて脳みそを見ることができたと思いましたが、その中は配線がこんがらかっていて、何がどこに繋がっているのかわからず、結論はやはり不可解な人でした。 でも楽しそうな人で間違いないと思います。

        • どこでもドア(超短編小説)

          うちの近くのゴミ捨て場にどこでもドアが捨ててあった。 持ち帰ろうとしたが、重くて持ち上げることができなかった。あきらめようと思ったとき、ドアの下部に車輪が付いているのに気づいた。これなら持ち運べると思い、押しながら家に持っていった。 自分の部屋まで運んで、ピンク色のドアを見た。 「さあ、どこに行こうかな」 僕は考えた末に、ディズニーランドに決めてドアを開いて、反対側に足を踏み出した。 しかし、ただそこは自分の部屋だった。 なんでだろうと思っていたら、それはどこでもドアではなく

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        「本当の自分」殺人事件 発売中

        マガジン

        • 水木三甫の短編小説よりも短い作り話
          73本
        • 水木三甫の心葉♡♧詩集
          331本
        • 日曜美術館を見て
          18本
        • 『7つの習慣』を読んで
          13本
        • 時間にまつわる物語 番外編
          8本
        • 田口ランディ『ハーモニーの幸せ』を読んで
          27本

        記事

          『殊能将之未発表短編集』読了

          「犬がこわい」 落語でいうまくら部分については同感である。 小学校低学年のとき、私よりも大きな犬を連れたおばさんが向こうからやってきた。 すれ違おうとしたとき、犬が私に覆いかぶさるようにじゃれついてきた。私はその前にも犬に追いかけられたことがあり、犬が恐かったので、大声で泣いた。それをおばさんはニコニコしながら見ていた。30分くらいと思える恐怖の時間は、実は5分ほどだったが、あのときの恐怖とおばさんの笑顔は今でも覚えている。結局、犬が飽きて歩き出すことで事件は終わった。 私

          『殊能将之未発表短編集』読了

          住野よる『青くて痛くて脆い』読了

          まずは、独りよがりの主人公に頭がきた。すべてを秋好寿乃のせいにして、自分の人生から逃げていた。秋好の努力を、自分は何の努力もせずに、自分の思い込みだけで壊した。 自分のプライドを傷つけたくないから、他人を遠ざけていた時点で、田端楓は自意識過剰な人間だったのだ。 人は自分に素直になれないし、自分に言い訳するのが得意だから仕方ないのかもしれない。 しかし、結果的には大学で勉強よりも大切な経験をした。秋好が田端を傷つけたことに気づいたように、田端が秋好を傷つけたことに気づくこ

          住野よる『青くて痛くて脆い』読了

          飢え(詩)

          くたびれた町の くたびれた部屋の くたびれた鏡に くたびれた俺が映っていた ヒビ割れた町の ヒビ割れた部屋の ヒビ割れたコップに入った水を ヒビ割れた俺は一口だけ飲む 干からびた町の 干からびた部屋の 干からびたベッドに 干からびた俺は倒れ込んだ そして俺はベッドの上で もう開くことのないだろう瞳を閉じる

          飢え(詩)

          E・S・ガードナー『ビロードの爪』読了

          ペリー・メイスンの初登場作品。再読。 シリーズ物のメインイベントである裁判の場面がなかったのが残念だが、この作品でメイスンやデラ・ストリート、ポール・ドレイクの人物像が決められたと思うと感慨深い。 最後の場面でメイスンがデラにキスする場面があり、そちらの進展も楽しめそう(イライラする人もいるだろうが)。

          E・S・ガードナー『ビロードの爪』読了

          燃え殻『すべて忘れてしまうから』読了

          『ボクたちはみんな大人になれなかった』に次いで読んだ。 著者は私よりちょうど10年若いが、当然時代背景は知っているうえ、著者の幼少時の性格や出来事は、私にも似た経験があり、何の引っかかりもなく読めた。 それにしても伝えたい気持ちを誰にでも伝わる表現で著すことは難しいはずなのに、著者の言葉は、川の流れを見ているようにスムーズに心の中を流れていく。 その中でも目を引いた言葉を3つほど挙げておく。 「僕も逃げて逃げて今がある」 実際の著者は本業では、委託会社から無理難題を押しつ

          燃え殻『すべて忘れてしまうから』読了

          大虐殺(超短編小説)

          早朝、「ギャー」という声で目を覚ました。続いて「助けてー」という声が聞こえた。 大虐殺でも始まったのか。しかし、体が動かず逃げられない。 叫び声がだんだん近づいてきた。私は体を硬直させたまま、そこに立ちすくんでいた。 とうとう「ギャー」という叫び声が隣から聞こえた。私は「助けてー」と叫んだ。 目の前に男が立ち塞がった。手には刃物を持っていた。 「ギャー」私は刃物で体を真っ二つに切られてしまった。 そして、 私たちはトラックに詰め込まれ、花市場へと出荷された。

          大虐殺(超短編小説)

          開高健『パニック・裸の王様』読了

          久しぶりの再読。 『パニック』 お金を目指して人間の大集団が海に沈んでいくみたい。 『巨人と玩具』 消費者が踊らされているのか、会社が踊らされているのか。 『裸の王様』 子供を壊していく社会は続いていくのか。 『流亡記』 一番残酷な生き物はやはり人間だ。

          開高健『パニック・裸の王様』読了

          ダイアモンドにならないで(詩)

          傷ついている多くの者たちよ 傷つきたくないからといって ダイアモンドになりたいとは思わないでくれ 確かにダイアモンドは傷つかないが ダイアモンドは平気で相手を傷つけるから

          ダイアモンドにならないで(詩)

          クイズをひとつ

          <クイズ> 新会社を発足したばかりの嵐のメンバーが警察に捕まりました。しかし、その日のうちに釈放されました。なぜでしょうか?       ↓       ↓       ↓ <答え> 誤認(五人)逮捕だったから。

          クイズをひとつ

          重松清『ビタミンF』読了

          同い年の作家さんの初読み。 まずは、ビタミンFなんてあったっけ? と思い、ネットで調べてみた。 「体内で合成できないリノール酸やリノレン酸といった脂肪酸(脂肪の仲間)がビタミンとみなされたことがあり、ビタミンFと呼ばれた。現在は使われていない呼び方」と書かれていた。 著者は、昔はあった家族の団らんがなくなってしまった状態を、今は使われていない「ビタミンF」に例えたのだろう。(後記を読んで違っていたことに気づいた。) 個別に感想を書くとだいぶ長くなってしまうので、総合的に思っ

          重松清『ビタミンF』読了

          下から目線(詩)

          自分の言いたいことも言えず、呼吸するのもしんどくなって、それでも愚痴をこぼさず、自分が我慢すればいいと思う。 いつもまわりを気にして、そんな自分が嫌になって、社会という枠の中から出たくなって、それでも絆という鎖を解けずにいる。 それなのに自我を捨てきれず、良心と常識のあいだで傷ついて、いっそ体を道連れに自我を殺してしまいたくなる。 どうせならばロボットのように、自分では何も考えず、ただ人に従い、それでひどい目にあっても、それをすべて人のせいにして生きていたなら、僕は嘘を

          下から目線(詩)

          天気予報(詩)

          マイナスの空から降る雨は、草木を蒼く染めるでしょう。 カラスの声と一緒に落ちてくる雨は、水溜りを黒く光らせるでしょう。 コンクリートに降る雨は、棘々しい音を立てて道行く人を傷つけるでしょう。 雲ひとつない冬の晴れ間は、飢えた仔犬に秘密の匂いを授けるでしょう。 プラスの空から降る雨は、永遠に止むことはないでしょう。

          天気予報(詩)