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麻雀実況勉強記録②即時描写

実況勉強記、第二回になります。
今回も「スポーツアナウンサー 実況の真髄」をベースに、実際の連盟プロの実況から学んでいきます。

今日のテーマは「即時描写」について。

現象をその儘ーーと言うのは、正確にと言う意味であるーー言葉に現わして伝える、これがスポーツ放送の根底をなす即時描写である」20P

実況は即時描写が中心になってくると思います。
「仕掛けた」とか「テンパイした」とか「リーチした」などの選手のアクションや、「トップ目」「河は中張牌ばかり」「場には2枚切れ」などの状況を、言葉にして伝えます。

そして、アクションに遅れることなく、言葉にしていくのが大事です。

「それは、スポーツ実況を楽しむ人たちの、いま行われている試合やレースを同時に楽しみたいという根本的な要求に応えるために他ならない。即時性を大切にすることで、伝えられるスポーツのリズムを感じ取ることができる」20P

卓内で繰り広げられている戦いを、リアルタイムにテンポ良く伝える。そうすると視聴者に「面白い」「興奮する」と思って貰えるのかなぁと思いました。

さて、即時描写が優れている実況者と言えば、楠原遊プロだと私は思います!

実は実況オーディションの時、アンケートの「理想の実況者」の欄に楠原プロの名前を書いてたりします(#^.^#)

楠原プロの、綺麗で聴きやすい声で語られる日本語が、とにかく美しくて~!!
流暢になるようにつなぎ言葉を挟みつつも、冗長にならずにすっきりとまとめられているんですよね。あと、無駄な言葉が無い、というのも特徴だと思います。

というワケで、楠原プロの美しい実況を起こしてみました!
参考動画はこちらです。YouTubeで無料で見れます♪

FocusM season9 21・22回戦

滝沢和典vs一井慎也vsともたけ雅晴vs長村大

解説:菅原千瑛
実況:楠原遊
ルール:Mリーグルール(一発・裏ドラ・赤ドラあり)

*実況に焦点を置いた記事ですので、菅原プロの解説はほぼ省略しております。

東1局0本場(4分20秒から始まります)

選手の打ち筋についての解説の後、
楠原「さぁ、一井プロの切り出しが凄くないですか?まずは」
菅原「そうですね。もうドラそばもピュン捨てですね」
楠原「配牌から両面落としていきました。スーマン、ウーマンそしてスーソーチーマンと非常に派手な捨て牌。長村も負けてはいません。パーピンチーソーサンマンスーピンと中張牌からの切り出しとなっています
一井プロの捨て牌の描写から、間を置かずに長村プロの捨て牌を描写。観察力と構成力凄い!

楠原「今回はドラが5ソーということで、出来れば内に寄せていきたいことが多いのかなと思うような展開になりそうですが、さぁ、ここで仕掛けが入ります。自風の北をポン、長村、北家です
展開の評価をまとめた言葉がとても美しいです。

今、長村は一つ鳴いた後に何を切るかをちょっと精査しているような状況と
何気ない一文かもしれませんが、私は鳥肌が立ちました。『ちょっと』『ような』という言葉を挟むことで、リズム良くまとまっているんですよね。楠原プロの実況は全部こんな感じにリズム良くて、聞いていて快感です。

さぁしかし、この段階でちょっと通ってない字牌だったりとか手役の種になるような牌を持ってきた時にどのように打つか知りたい所でありましたが、まずはともたけテンパイはサブローピンのタンヤオドラ1、仕掛けていきました
選手側に仕掛けなどアクションが入ると、今までの話を放棄して、そっちについて喋りたくなってしまいます。
でも楠原プロは自分の言葉をきっちり終わらせてから、さらりと流れるようにアクションの描写をしている。落ち着いてる感があって、凄く素敵です。

楠原「そしていよいよの順目ということになりましたか。ローピンが当たり牌となっております。滝沢です。ここにも来た」
菅原「打たないですね」
楠原「はい。そのあたりも順目での兼ね合いといったところでしょうか
『いよいよの巡目』『巡目での兼ね合い』と言うのは楠原プロの実況で良く聞くワードのような気がします。彼女の声質、喋り方に凄く合ってるんですよね。自分に合う言葉を知っている、と言うのも強みだなぁという気がします。

そして対局もクライマックス!
ともたけプロが、仕掛けてタンヤオドラ1のテンパイ。
長村プロは、フリテンのテンパイ。

そんな中、一井プロが国士無双のテンパイを入れます!!

楠原「あ、イーピン!ラス牌を引き入れました!西待ちでのテンパイです!」
菅原「三枚切れ!」
楠原「そうですね。となると、テンパイを入れているともたけからは打ち出されるかもしれません。白は打ち出された!」

警戒心なく字牌が切り出されている様子に、国士和了なるか!?と緊迫感たっぷりの局を制したのは、ともたけプロでした!

楠原「サブローピンツモ上がりとなりましたともたけ!タンヤオドラ1!仕掛けて1000オールのあがりです。まずは静かな立ち上がりとなりましたこの21回戦!一井はこちらの表情!(笑)
ここでは和了を伝えるだけでなく、国士和了出来なかった選手の表情まで素早くキャッチ!

菅原「静かな立ち上がりの中、大物手が潜んでいましたからね」
楠原「両面落としからの見事な国士無双テンパイとなりましたね。しかしここは和了りとはなりませんでした一井の国士無双。東1局1本場に変わります。ドラは北です
最後のまとめから次局への移行も、流れるように綺麗で聞き入ってしまいます。

は~~っ、ガチで神だわっ!!!!

本当、どういう生き方をしたら、そんなにスラスラと美しく言葉を紡げるようになるのだろうか?

私には無理!\(^o^)/

でも、来週の実況、頑張ります!

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