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ときめきに死す

無駄な時間を愛している。

無職やプータローとかニートとかなんでもいいけれど、社会と距離を取っていた孤独な時間は有意義な時間だと思っている。しかし、無職に対して世間の風当たりは冷たい。また、そればかりか、無職期間など、何のキャリア形成も出来ていないとか、何の価値も無いとか、何も積み上げていない無駄な時間だと切って捨ててしまう人も多い。ただ、それらの考えは現在の社会で上手く生き抜くだけの考え方でしかないと思う。勝手に人の生き方に意味だとか、意義だとかを一方的に決めつける輩は信用してはいけない。社会で名声や金を得る事だけが至上という人達の考えだ。皆が一様の価値観で生きていると信じる浅薄な考えだ。世界にはこんなにも多様な人間がいるのだと気付いていないだけだ。

無駄な時間を愛している。

無職の時に人に語れるような特別な経験をしていなくてもいい。国内では得られない経験をするために海外に旅立たなくても、難関資格の勉強をしてなくても、就職面接の印象的なエピソードとなるような経験などしなくてもいい。ただただ漫画読んでゲームをして暇つぶしにコンビニ行ってネットしてオナニーして、それだけで一日が終わってもいい。それが無為な時間なんて言い捨てる人はほっとけばいい。これだけの幸福に包まれた生活なんてそうそうあったもんではない。

無駄な時間を愛している。

せかせかと生き急ぐ日々にまったく感じられなかったが、ゆっくりと時間いっぱい使って本屋内でお目当ての本を探しながら、店内を歩き回っているとすごく充実感を得る。「これが幸せなんだ」ってくつろいだ気分になれる。目を瞑って電車に揺られていると自分が何処へ向かっていくのかわからなくなってそれだけで心は浮き立ってくる。金は無くてもこんなに幸せになれる。結局幸か不幸かは考え方ひとつだと気付くし、どれだけ無駄なことを経験してきたかで己の想像力の幅は広がっていくと思う。自ずとそれがその人だけの世界を構築し、その人だけの血となり細胞となる。何の意味の無い時間だなんて誰にも言わせてはいけない。

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